金曜の夕方、17時40分。
パソコンの電源を落とし、デスクの上を整えて席を立ちます。
「お先に失礼します」と声をかけても、返ってくるのは画面を見たままの「お疲れさまでーす」だけ。
エレベーターに乗り込み、扉が閉まった瞬間、ふっと肩の力が抜けます。
同時に、胸の奥にいつもの言葉が浮かんでまいります。
「私がいなくても、この職場は回るのだろうな」
長く勤めてきました。
誰よりも手順を知っていて、誰よりも早く片づけられます。
それなのに、新しい企画の相談は自分を飛び越えて若い人たちの間で進み、気がつけば会議で発言する機会も減っていました。
辞めたいわけではない。
けれど、このままここにいる意味が分からない。
その曖昧な行き止まりの前で、立ち尽くしておられた女性(Tさん・50代前半)のお話をさせてください。
「いまさら何かを始めるなんて」と自分で扉を閉めていた日々
ご相談にお越しになったとき、Tさんは開口一番「贅沢な悩みだとは分かっているんです」とおっしゃいました。
仕事はある。
収入もある。
理不尽な扱いを受けているわけでもない。
だからこそ、誰にも相談できずにおられたのです。
「求人を見ても、この年齢で採ってもらえるところなんてありませんよね」
「資格を取ろうかとも思いましたが、今から勉強しても間に合う気がしなくて」
Tさんは、まだ誰にも止められていない段階で、ご自身の手で扉を閉めておられました。
私が霊視でまいりますと、Tさんの魂そのものは、決して枯れてはおりませんでした。
むしろ、長年の経験で磨かれた、静かで厚みのある光を放っておられます。
ただ、その光の前に「もう遅い」という思い込みが分厚い雲となって垂れ込め、ご自身の輝きをご自身で見えなくしておられました。
私は静かに目を閉じ、白龍神様をこの身に降ろし、Tさんの魂が本来向かうべき方角を霊視いたしました。
白龍神様が示された「あなたの価値は、席にあるのではない」という一節
白龍神様が最初にお示しになったのは、意外な光景でございました。
Tさんが、若い同僚に何かを教えている場面です。
それは大きな会議でも、華々しい成果でもございません。
困っている人の隣に座り、手順をひとつずつ整理して渡している、ごく日常的な場面でした。
「この者の器は、成果を競う場ではなく、人の道を整える場にある」
白龍神様はそのように告げられました。
Tさんが「評価されていない」と感じていた理由が、ここではっきりといたしました。
Tさんの本来の力は、人と人の間に立って流れを整えることにあります。
けれど今の職場では、その働きが「当たり前のこと」として数えられず、目に見える形で返ってこない。
力がないのではなく、力の置き場所が合っていなかったのです。
さらに白龍神様は、Tさんの周囲に一本の細い脇道が伸びている様子をお示しになりました。
大きな転職ではございません。
今のお仕事を続けながら、人に何かを教える役割を小さく引き受けていく道です。
「Tさん、いま辞める必要はございません。まずは、あなたの手が届く範囲で、人の道を整える役割を一つだけ受け取ってみてください」
私はそのようにお伝えいたしました。
半年後に届いた「教える側になりました」という報告
鑑定のあと、Tさんは社内の新人研修の補助役に、自ら手を挙げられたそうです。
長年の経験を手順書にまとめ直す作業も、誰に頼まれたわけでもなく始められました。
最初は「余計なことをしていると思われないだろうか」と不安もあったとおっしゃいます。
けれど、その手順書は思いのほか重宝され、他部署からも問い合わせが届くようになりました。
半年ほど経った頃、Tさんからこのようなご報告をいただきました。
『研修の担当を、正式に任されることになりました。会議で私の名前が呼ばれたとき、涙が出そうになりました』
席は変わっていません。
けれど、その席の意味が変わったのです。
現在は、同じ世代の方向けに経験を伝える小さな講座の準備も進めておられるとうかがっております。
行き止まりに見える場所には、たいてい脇道があります
50代という時期は、不思議な季節でございます。
登ってきた道が急に平らになり、目指すべき頂きが見えなくなる。
その平らさを「行き止まり」と受け取ってしまうと、人はそこで足を止めてしまいます。
けれど霊視でまいりますと、その平らな場所は終点ではなく、道が枝分かれする地点であることが少なくありません。
ご自身の魂がどの方角に向いているのかを知ることで、迷いが具体的な一歩へと変わりやすくなってまいります。
「この仕事を続けるべきか、離れるべきかを見極めたい」
「自分の本当の力が、どこで生きるのかを知りたい」
「この年齢から進める道が、本当にあるのかを確かめたい」
金曜の帰り道、ひとりで同じ問いを繰り返しているあなたへ。
その言葉にならない停滞を、私に預けてみませんか。
龍神霊視によってあなたの魂の役割と、これから開きやすい道筋を紐解き、明日からの一歩が選べるところまでお導きいたします。
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