松本清張「砂の器」の映画化

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コラム
小説を映画にしたものと言えば、川端康成「伊豆の踊り子」、伊藤左千夫「野菊の墓」、三島由紀夫「潮騒なとが有名で、その映画は原作にほとんど忠実に描かれている。

映画「砂の器」と言えば、父と子のあの放浪のシーンが最初に頭に浮かんで来る。観る人が感涙に咽ぶあのシーンだ。実はあのシーン、原作の小説にはほんの二行しか書かれていない。たったの二行。橋本忍はそのたったニ行を膨らまして映画の脚本をつくった。

ストーリーとしても原作とはかなり違ったものとなっているが、映画の試写を見た原作者の松本清張は理解を示した。「これは小説では書けないよ、映画だから出来るんだ、すごい」

原作はサスペンスと謎解きの推理小説だが
橋本忍はそれだけでは観客の心を揺さぶることは出来ないと考えた。

何度も小説を読み直した時に、彼はこの親と子の放浪を書いたほんの二行に目をつけ、それを映画のメーンとすることにしたという。

彼が戦後最高の脚本家と言われる所以がここにある。


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