2026年10月8日 ・ 読了目安 約9分
「工場のコンプレッサーが止まったが、保証がまだ残っているのか誰も分からない」「去年買ったノートパソコンの保証書が、箱ごとどこかへ行ってしまった」「修理代を払ったあとで、延長保証に入っていたことを思い出した」。中小企業では、設備や備品の保証書の記録が、購入したときの納品書の束、箱の中に入ったままの保証書、販売店の会員ページ、取扱説明書の最後のページ、担当の手帳、会計ソフトの固定資産の一覧に分かれて残ります。どの設備が、いつ買ったもので、保証がいつまで続き、どこまでが保証の範囲なのかを一枚に並べて見たことがある会社は、ほとんどありません。
その結果、何が起きるか。設備が壊れた日に、保証書を探すところから始まり、修理の手配が半日遅れる。保証の期間内だったのに、保証書が見つからず自費で直してしまう。逆に、とうに保証の切れた古い設備に修理代を重ね、買い替えたほうが安かったと後から気づく。保証の本当の問題は、保証の内容や販売店の対応ではなく、設備ごとに買った日と保証の期限と範囲を並べたことがないため、保証で直せる修理と、自費になる修理を分けられないことです。
この記事では、Anthropic社の公式AIコーディングツール Claude Code を使って、納品書の束、箱の中の保証書、会員ページの画面、取扱説明書、固定資産の一覧に散らばった保証の記録を一つの一覧にそろえ、設備の向きと保証の種類の向きで並べ、保証で直せる修理と自費になる修理を見分ける材料を整えるまでの手順を、非エンジニアの方向けに整理します。壊れた設備を直すか買い替えるか、延長保証に入るか、どの販売店から買うかを決めるのは人の判断です。固定資産や修繕費の帳簿上の扱いは、税理士などの専門家と確かめます。機械に任せるのは、散らばった記録を集めて、設備ごとにそろえて、買った日と保証の期限と範囲と修理の履歴を並べる作業です。
保証が「見えない」3つの理由
見えないのは、総務の担当の手間や几帳面さの問題ではありません。見えない構造が、仕事の側にあります。
1. 保証書が、物の側にしか残らない
保証書は、買った設備の箱や取扱説明書と一緒に保管されます。つまり、保証の記録は物のそばにあって、帳簿や台帳の側にはありません。設備を置いた場所と保証書をしまった場所が別になると、壊れた日に探すものが二つになります。箱を捨てた設備は、保証書も一緒に消えていることが少なくありません。
2. 保証の期限が、設備ごとに違う数え方で始まる
ある設備は購入日から一年、ある設備は設置日から二年、延長保証に入った設備は購入日から五年、販売店の会員になった設備は登録日から三年と、期限の数え方が設備ごとに違います。同じ会社の中に、始まりの日も長さも違う保証が何十と混ざっているので、期限を頭の中で数えることができません。
3. 修理代が、帳簿では修繕費に混ざって消える
保証で直した修理は帳簿に出てきません。自費で直した修理は修繕費や消耗品費として帳簿に残りますが、どの設備の何回目の修理なのかは書かれません。保証で直せたはずの修理を自費で払っていても、帳簿を見ているだけでは一生気づけません。
保証が見えないのは、保証書が物の側にしか残らず、期限の数え方が設備ごとに違い、修理代が帳簿の修繕費に混ざって消えるからです。この三つは、いずれも機械に任せて軽くできる種類の問題です。
機械に任せる範囲と、人が決める範囲
大前提として、壊れた設備を直すか買い替えるか、延長保証に入るか、どの販売店から買うかは会社の運営の判断であり、人が決めることです。保証の範囲に当たるかどうかの最終の答えは保証書の約款と販売店の見解によって決まり、固定資産や修繕費の帳簿上の扱いは税理士などの専門家と確かめます。機械に任せるのは、散らばった記録を集めて設備ごとにそろえ、買った日と保証の期限と範囲と修理の履歴を横に並べ、比べられる形にするところまでです。
工程担当内容記録の収集機械納品書・保証書の写真・販売店の会員ページの画面・取扱説明書・担当の手帳・固定資産の一覧から、設備の名前・型番・買った日・販売店・保証の長さ・保証の範囲を拾い出す一件ごとのまとめ直し機械同じ設備の納品書と保証書と会員ページの記録を、型番と製造番号を手がかりに一件の下にまとめる一覧化機械設備の名前・置き場所・型番・製造番号・買った日・販売店・保証の始まりの日・保証の期限・保証の範囲・延長保証の有無を一行にそろえる種類づけ機械メーカーの保証・販売店の保証・延長保証・リース契約に含まれる保証・保証なしに分ける日数の計算機械今日から保証の期限までの残りの日数と、買ってからの経過年数を出す修理の履歴の突合機械帳簿の修繕費と修理の伝票を設備ごとに結びつけ、保証で直した修理と自費で直した修理を分けて並べる設備ごとの集計機械設備ごとに、修理の回数・自費で払った合計・保証の期限内に起きた故障の回数を並べる気になる点の検出機械保証の期限まで三か月を切った設備、期限内に自費で直した修理、保証書が見つからない設備、修理代の合計が買い値の半分を超えた設備に印をつける直す・替える・入るの判断人壊れたら直すか買い替えるか、延長保証に入るか、どの販売店から買うかを決める
境界線は「並べる」と「決める」の間にあります。機械が出すのは、設備ごと保証ごとの期限と修理の並びと、気になる点の印までです。その先の、この設備は次に壊れたら買い替える、この種類の設備は延長保証に入る、という線は人が引きます。
実務5ステップ
ステップ1:社内の設備と備品の保証書を全部洗い出す
直近三年分の納品書と固定資産の一覧を集め、設備のそばに置いてある保証書と取扱説明書を撮影し、販売店の会員ページに登録してある製品の画面も保存して、Claude Codeに「設備を一台ずつ一覧にし、買った日と保証の期限と保証の範囲を並べてほしい」と頼みます。紙の保証書は写真に撮るか読み取り機で取り込んでから渡すと早く進みます。保証書が見つからない設備は、空欄のまま残させます。その空欄が、保証書のしまい方に穴がある場所を教えてくれます。
ステップ2:一件ごとにまとめ、種類と期限をつける
同じ設備が、納品書では金額と買った日、保証書では保証の長さ、会員ページでは登録日と、三つの書き方で残っています。型番と製造番号を手がかりに三つを結びつけ、一台の設備を一行にまとめます。あわせて、メーカーの保証、販売店の保証、延長保証、リース契約に含まれる保証のように種類をつけ、始まりの日と長さから期限の日を書き添えます。納品書はあるのに保証書が見つからない設備には、保証書なしの印をつけさせます。
ステップ3:設備の向きと、保証の種類の向きで並べる
一覧ができたら、二つの向きで並べます。設備の向きでは、設備ごとに期限までの残りの日数と修理の回数と自費で払った合計を並べ、保証に守られている設備と、守られていない設備を分けます。保証の種類の向きでは、種類ごとに期限内に起きた故障の回数と自費になった修理の割合を並べ、入っていてよかった保証と、使う場面のなかった保証を分けます。設備の向きで見えるのが次に壊れたときの身の振り方、保証の種類の向きで見えるのが次に買うときに延長保証に入るかどうかの材料です。
ステップ4:気になる点に印をつけ、動き方の候補を分ける
保証の期限まで三か月を切った設備、期限内に自費で直した修理、保証書の見つからない設備、修理代の合計が買い値の半分を超えた設備に印をつけさせます。印がついたものは、設備の使われ方と並べ、どんな動き方が合うかを見ます。期限の近い設備は不具合がないか今のうちに点検する候補、期限内に自費で直した修理は販売店に保証の扱いを尋ねる候補、修理代のかさんだ設備は次に壊れたら買い替えを考える候補として、理由を書き添えます。
ステップ5:決まりをつくり、月に一度確かめる
ステップ1から4は最初に一度行えば終わりです。その後は、設備を買うたびと修理をするたびに、その一回を一行ずつ足していきます。決まりは三つで十分です。設備を買ったらその日のうちに保証書を撮影して一覧に一行足すこと、修理をしたら保証で直したか自費かを書き残すこと、保証書の原本は設備のそばではなく一つの引き出しにまとめること。月に一度、Claude Codeに「保証の期限まで三か月を切った設備と、修理代の合計が買い値の半分を超えた設備を出してほしい」と頼めば、一覧は自然に育っていきます。
頼み方3原則
原則1:どの設備を含めるかを、こちらから指定する
「保証の一覧をつくって」だけでは、機械は文房具や消耗品、ソフトウェアの年間契約まで混ぜてしまうことがあります。機械や車両のような大きな設備だけにするのか、パソコンや工具のような備品も含めるのか、リースの設備を分けるのかを、最初に言葉で伝えます。含めるものと含めないものを決めるのは人の仕事です。
原則2:保証の期限は書類にある日で書かせ、推測させない
保証書に始まりの日が書かれていないとき、機械は納品書の日付から「この日から一年のはず」と推測しがちです。期限は保証書や会員ページに書かれている日だけで出させ、分からなければ空欄にさせます。推測の期限で埋めると、実際には切れていた保証を当てにしてしまいます。空欄の数と場所そのものが、保証書のしまい方を見直す材料になります。
原則3:修理の履歴を、帳簿の修繕費と突き合わせる
一覧から出した自費の修理の合計を、帳簿の修繕費と突き合わせさせます。一覧の合計が帳簿より少なければ、修理の記録が抜けています。多ければ、保証で直したはずの修理に代金を払っています。差の出どころを探すことが、記録の抜けと払いすぎを見つける近道になります。設備ごとの修理代の合計は、直すか買い替えるかを税理士などの専門家と話すときの材料にもなります。
つまずきやすい5つの型
型1:大きな設備だけを見て、備品を見ない
保証の一覧は、機械や車両のような高い設備から始めがちです。けれども、台数の多いパソコンや工具は一台あたりは安くても、修理や買い替えの合計では大きな設備を超えることがあります。保証の数字は、一台の値段ではなく、台数と修理の回数を掛けた合計で見ます。
型2:保証書を集めることが目的になる
記録を整えようとして、全部の保証書の原本をそろえてから始めようとすると、見つからない一枚のせいで何週間も止まります。原本が見つからなくても、納品書と型番から一行は書けます。まずは全部の設備を一覧に載せ、保証書なしの印をつけたまま進めます。
型3:期限を一覧に書いて、確かめる日を決めない
期限の日を書き入れると、安心して見なくなります。けれども期限は、見なければ知らないうちに過ぎます。月に一度、期限まで三か月を切った設備を出させる日を決めます。期限の前に点検しておけば、保証のうちに直せる不具合が見つかることがあります。
型4:切れた保証の設備を、全部買い替えようとする
一覧で保証の切れた設備が多いと分かると、まとめて買い替えたくなります。けれども、保証が切れていても故障の少ない設備は、そのまま使うほうが安く済みます。保証の有無だけで決めず、修理の回数と自費の合計を並べて、一台ずつ人が決めます。
型5:一覧をつくって、買い方を一つも変えない
一覧を眺めて「けっこう自費で払っていたな」と納得して終わると、次に買う設備も同じことになります。月に一度、印のついた設備を一つ選び、延長保証に入る、販売店を変える、修理の前に保証を確かめる手順を決めるなど、一つ変えて、変えたことと結果を一覧に書き足します。書き足した結果が、次の見直しの根拠になります。
業種別の効きどころ
業種効きどころ製造・加工機械ごとに保証の期限と修理の履歴を並べ、保証のうちに点検する機械と、次に止まったら買い替える機械を分ける建設・改修工具と車両を台数ごとに並べ、現場で壊れやすい工具の自費の修理代の合計と、延長保証の値段を比べる飲食・小売冷蔵庫・製氷機・レジの保証を店舗ごとに並べ、期限の近い機器を繁忙期の前に点検する事務所・士業パソコンと複合機の保証を一人ごと一台ごとに並べ、保証書の見つからない機器を次の買い替えまでに整える医療・介護・サロン施術や検査の機器を保証の種類ごとに並べ、修理代のかさむ機器の買い替えの時期を前もって見る
どの業種でも共通するのは、納品書や箱の中や会員ページや帳簿に散らばっていた保証の記録を、設備の向きと保証の種類の向きという二つの物差しで並べ直すことです。並べ直すと、今のうちに点検する設備と、次に壊れたら買い替える設備と、人が扱いを決める設備が分かれて見えてきます。
よくあるご質問
設備は十数台ほどですが、必要ですか
台数が少なくても、設備の向きと保証の種類の向きで並べると、自費で払った修理代の半分近くが、まだ保証の期限内だった設備のものだったと分かることがあります。最初の一覧は半日で終わり、その半日で、販売店に保証の扱いを尋ねる候補が見えてきます。
固定資産の台帳を見れば足りませんか
固定資産の台帳は、買った日と金額と減価償却を残すことは得意です。一方で、保証の期限と範囲、修理の回数、保証で直したか自費かを設備ごとに並べることは、台帳の一画面からは分からないことがほとんどです。この記事の手順は、今ある台帳と納品書を出発点にして、設備ごとの並べ直しを機械に任せるものです。
保証の範囲に当たるかどうかまで機械に任せてよいですか
機械に任せるのは、並べることと、気になる点に印をつけることまでです。この故障が保証の範囲に当たるかどうかは、保証書の約款と販売店の見解によって答えが変わるため、人が確かめます。固定資産や修繕費の帳簿上の扱いは、税理士などの専門家と確かめます。一覧があると、販売店とのやり取りも社内の話し合いも短く、具体的になります。
どれくらいの時間がかかりますか
納品書と保証書の写真を取り込んで最初の一覧が出るまでは、台数にもよりますが一時間ほどです。保証書の見つからない設備を担当に確かめるのに数日、そのあとは買うたびと修理のたびに一行足し、月に一度、期限の近い設備と修理代のかさんだ設備を出させて確かめるだけです。
まとめ
保証が見えないのは、保証書が物の側にしか残らず、期限の数え方が設備ごとに違い、修理代が帳簿の修繕費に混ざって消えるという構造の問題
直すか買い替えるか、延長保証に入るか、どの販売店から買うかは人の判断。集めて、設備ごとにそろえて、買った日と保証の期限と範囲と修理の履歴を並べるのは機械の仕事
実務は、設備と保証書の洗い出し、一件ごとのまとめ直しと種類づけ、設備の向きと保証の種類の向きで並べる、気になる点に印をつけて動き方の候補を分ける、決まりをつくって月に一度確かめる、の五つ
どの設備を含めるかをこちらから指定し、期限は書類にある日で書かせ、修理の履歴を帳簿の修繕費と突き合わせる
台数と修理の回数の合計で見る。原本がなくても一行は書く。期限を確かめる日を決める。切れた保証の設備は一台ずつ決める。月に一度、買い方を一つ変える
Claude Code導入サポートのご案内
「自社の納品書と保証書を、この記事の手順で一覧にしてみたい」「どの記録を渡せばよいか分からない」という方向けに、Claude Codeの導入サポートを承っています。
Claude Code導入サポート 税込3,000円
Claude Codeのセットアップから、最初の設備ごと・保証ごとの一覧づくりまでを一緒に進めます
自社の設備の種類や買い方に合わせた分け方と、頼み方の言葉をその場で整理します
月に一度、期限の近い設備と修理代のかさんだ設備を確かめる運用を回すための、簡単な形をご提案します
ご希望の方は、このページの購入画面に進むボタンからお申し込みください。ご不明な点は、ココナラのメッセージ機能からお気軽にお尋ねください。
これまで多くの中小企業や一人社長の方の業務自動化をお手伝いしてきた経験をもとに、保証の記録に限らず、日々の事務の中で「並べていないから見えない」「見えないから決められない」仕事を減らすお手伝いをしています。