以前、「創業寺子屋」として、全文一括で掲載しましたが、
『創業のためのメソッド』として、
テーマごとに再投稿させていただいています。
第1編は「創業計画書作成」編です。
第6回『創業計画のつくり方④』
日本政策金融公庫 国民生活事業 の
「創業の手引き」に沿って、説明しています。
手引きは、公庫のHPから入手できます。
今回は、「5 従業員」「6 お借入れの状況」を説明します。
(「創業の手引き」には、詳細の記載はありません。
なお、31ページに『従業員の採用 』に関する説明があります。)
まず、『従業員』に関する項目です。
「役員数(法人のみ)」「従業員数(うち家族従業員数)(うちパート従業員数)」を 記入するようになっています。
この従業員の人数等が何と関係するかというと、
①『8 事業見通し』の売上高に整合性があるかということにつながります。
→ 公庫のホームページにある「業種別経営指標」という資料に、
『従業者1人当たり売上高』という指標があります。
例えば、パン小売業(製造小売)だと、13,922千円 と出ています。
これに、実際にフル稼働する人数相当数をかけたものが、年商の目安となり、
計画の妥当性検討の材料になります。
(因みに、以前参考資料としてお勧めした「Jnet21の業種別開業ガイド」
「ベーカリー」では3人で38,220千円、1人当たり12,740千円です。)
② 同様に『8 事業見通し』の「経費の中の人件費」の計算に関連します。
→ 上記と同様「業種別経営指標」では
『従業者1人当たり人件費』 4,571千円
Jnet21では、3人で13,300千円、1人当たり4,433千円です。
なお、パート・アルバイトを雇用する場合で注意が必要なのは、
都道府県ごとに「最低賃金」が決められていることです。
東京都では1,013円です。
計画をたてるときには、予定の単価で人を集められるかの検討も必要です。
また、" くれさんの店 (注)"のように、店の運営が従業員への依存が
高いケース(許認可業種で、経営者が必要な資格を持っていないケースも)、
人件費は多めに見積もる必要あります。
③ 家族がいれば、家族従業員になるのか否かも
チェックポイントになります。
→ まずは、家族の理解と協力状況の確認。
従業員になるということであれば、「人件費の節約」になりますし、
外で働いて、資金面で側面からサポートするということであれば、
それはそれで、資金収支の面でプラスになります。
いずれにしても、「創業者を支える存在」がいれば、プラス要因です。
続いて、『お借入れの状況』に関する項目です。
まず申しあげたいのは「借入が多くて不利になりそうだから、
一部隠しておく。」とうのは、止めたほうがよいでしょう。
公庫で言えば、申込書の裏面を見てもらうとわかりますが、
「個人信用情報機関」の利用の同意が申込みにあたって必要となっています。
つまり、記入しなくてもほぼ借入の内容を担当者は把握できています。
また、不動産をお持ちであれば、登記事項を確認することで、担保の設定状況
(例えば、住宅ローン)も、わかります。
どのくらいの借入れがあるかを確認するのはもちろんのこと、
「何に使ったか」で、創業の準備状況や熱意。
「月々の返済額」で、創業後の資金収支見込計画の妥当性
の検証材料にもなっていくわけです。
もちろん、お借入れをきちっと返済していることも
重要なポイントとなります。
金融機関に申込をされるかなり前。創業の準備を始められる時から、
自己資金の準備とともに、お借入れ関係にも注意を払いましょう。
今日からでも、遅くありません。
今回のポイント
「業種別経営指標」等、客観的な資料でご自身の計画書を検証してみる。
「お金の準備」は、開業後の資金繰りまで視野に入れて、早めに始める。
次回は、「7 必要な資金と調達方法」を説明します。
以上、富太郎でした。
(注) 『真夜中のパン屋さん』
作者: 大沼 紀子 ポプラ文庫 全6巻