第1編では「創業計画書のつくり方」について、説明させていただきました。
第2編では、公庫に申込み後、どのように『面談(調査)が進んでいくか』の
一般的な流れについて、お話させていただいております。
第1回では、「公庫申込前後の留意事項」について、
第2回では、「面談時の依頼資料」について、
第3回では、「 面談の流れトークスクリプト」について、ご説明しました。
今回は、『面談時の具体的質問内容』について、ご説明します。
(コロナ等の関係で、進め方が変更になっている部分もあると思われます。)
(👉は、富太郎の現場経験に基づく、個人的なコメントです。)
まずは、公庫(国民生活事業)のHPを抜粋した、簡単な流れの復習です。
(1) ご相談
(2) お申込 👉 第1回で説明済み
(3) ご面談
事業の計画などについてお伺いいたします。 👉 第3回と今回で説明
ご準備いただく書類は、計画についての資料や
資産・負債のわかる書類 などです。 👉 第2回で説明済
店舗や工場もお訪ねいたします。
事業計画などさまざまな角度から検討し、融資の判断をいたします。 * (4) ご融資
(5) ご返済
* 審査の結果、お客様のご希望に沿えないことがございます。
👉 と、最後に(必ず)書かれています。
面談では、どんな感じの質問がなされるかをお伝えしたいと思います。
文字にすると「取り調べ」調にも思えてしまうかもしれませんが、
担当者は言葉を選んでお聞きするはずですから、気にしないでください。
また、上手に答えられなくても、それだけで断られることはありません。
創業される方が、「金融機関に不慣れなこと」は、担当者は百も承知。
「上手く説明できないこと」も、織り込み済みです。
その点に、心配はいりません。
担当者が報告書を作るにあたり、『お客さまは、どう考えているか』の
確認だと、ご認識ください。
ポイントは、
〇 事業を始める準備は整っているか。
〇 計画の「実現可能性」はどうか。
です。
では、始めていきましょう。
質問は、「創業計画書の記入例」(国民生活事業「創業の手引き」P9)の
内容・数字を利用させていただいて、構成しています。
担当者の聞く内容・順番は、この通りとは限りません。念のため。
1 創業の動機 (に関して)
〇 いつ頃から準備を始めましたか。
〇 今回の創業について、ご家族の方は何とおっしゃっていますか。
〇 開業場所として、〇〇駅を選んだ理由は何ですか。
〇 付近にはどんなお店がありますか。
〇 競合しそうなお店は、近くにありますか。
規模や立地は、そのお店と比べてどうですか。
〇 仕入先でもある「前の勤務先」と、お客さんは被りませんか。
〇 お店は〇〇㎡ですね。(申込時提出を受けた、物件説明書で確認済み)
ご覧になった他の物件と比べて、条件はどうですか。
(👉 何をもって「良い物件」と判断したのかの確認)
2 経営者の略歴等 (に関して)
〇 お勤め先では、どんなお仕事を担当されていましたか。
(接客、仕入れ、経理、人材管理)
〇 今回の独立開業について、「お勤め先の社長さん」は、
何とおっしゃっていますか。
〇 お勤め先の仕入先(申込人の仕入先でもある)の担当の方とは、
どんな感じですか(良好な関係にあるか、単なる知り合い程度か)
〇 お金の管理は、どなたが担当される予定ですか。
3 取扱い商品・サービス
〇 お店のセールスポイントは、何ですか。
〇 〇〇駅には、メインのお客さん(子育て世代の30代前後の女性)が
多いですか。[👉 最近は、仕事をしている人も多い]
〇 メインのお客さんのニーズは、何だとお考えですか。
[👉 同じ服を着ている人には、会いたくないはず]
〇 営業時間、定休日は。(👉 メイン顧客のニーズと合っているか)
〇 平均単価は、(「事業見通し欄」のとおり)7,500円でよいですか。
〇 季節変動はありますか。ピークとボトムは何月ごろですか。
(👉 仕入れの手配をする時期と、商品がお店に並ぶ時期の乖離
→ お金の出ていく時期と、集金できる時期のタイムラグ
→ 資金繰りに関する認識の確認)
〇 春夏物と、秋冬物で単価の違いはありますか。
〇 店頭在庫は、常時80点ほどとのことですが、
店の広さとのバランスはどうですか。
〇 なかなか「売り切る」のは難しいと思いますが、
残った在庫はどうされますか。(👉 原価率への影響)
4 取引先・取引関係等
〇 お客さんは「一般個人」、即金販売とのことですが、『カード払い』は、
求められませんか。(今の勤務先はどうですか)(👉 カード手数料の要否)
〇 インターネツトでの販売は、考えていませんか
(考えているとすれば、ノウハウはあるか)
〇 「ユニクロ」や、「リサイクル店」との競合はどうでしょうか。
〇 仕入れの半分は「今の勤務先」ですが、今の勤務先は、何社くらいから
仕入れていますか。一社、間に入ると、原価率は上がりませんか。
〇 同じ仕入先で、「商品被り」は大丈夫ですか。
『ブランド名』は。知名度はどうですか。
インターネットでも買えますか。
〇 ターゲット顧客のニーズと『プランド』の整合性はありますか。
〇 他店と比べて、どの点に優位性がありますか。どこが違いますか。
(なぜお客さんは、あなたのお店を選ぶのでしょうか)
5 従業員 (パートを1人雇用予定)
〇 雇用の目途はたっていますか(いなければ、どのように募集しますか)
〇 時給800円(事業の見通し欄)で、求人は可能ですか[最低賃金との関係]。
*👉 仮に時給が1,000円かかるとなると、(1日5時間×26日なので)
月に人件費が26,000円余計にかかる計算になる。
6 お借入の状況
〇 他に、お借入は有りませんか。カードのリボ払いとかは、どうですか。
(あるとすれば、月にいくら位ずつ返済されていますか。)
[👉 小規模企業の場合、経営者の個人資産・負債と合算して検討する
のが一般的。家計一体での『資金収支』に加算して、検討される。]
7 必要な資金と調達方法
(1) 設備資金
〇 内装費の㎡単価は、高くないですか。高いとすれば、それは何故ですか。
相見積もりはしましたか。見積業者さんは、どうやって知ったのですか。
(2) 運転資金
〇 店の礼金、仲介手数料、前家賃は、算入されていますか。
〇 開業当初の仕入れ資金200万円は、何か月分相当の商品になりますか。
仕入れ条件、在庫数80点(3 取扱商品欄)と考えると、多くないですか。
(3) 調達の方法
〇 (👉 ポイントは「必要な自己資金」は、ちゃんと用意されているか。)
〇 他に『余裕資金』は、どの位残せそうですか。
〇 (自己資金250万円が通帳で確認できない場合)
不足分はどのように調達されますか。
〇 ご家族・ご身内の協力はどうですか。
(👉 別途収入の有無、資金不足時の融通の可否)
8 事業の見通し
(1) 売上
〇 客単価7,500円の根拠は。
いつの季節の設定ですか。(👉 季節により単価は異なる。)
〇 1日売上10人の根拠は。
(👉 1時間当たり売上1~2人計算→パートの要否検討)
(👉 担当者は「経営指標」で、従業者一人当たり売上高月1,373千円、
店舗面積3.3㎡当たり月売上高270千円を参考にしているはずです。)
(2) 原価 60% (勤務時の経験から)
〇 経営指標(56.7%)は参考にしましたか。
〇 勤務先と同じ条件で、仕入れは可能ですか。
(3) 経費
〇 人件費は、増える(前出)あるいは削減できる可能性は、ありますか。
〇 カード手数料(前出)は、入っていますか。
(👉 通常、販売額の4~5%)
(4) 利益
〇 計画 39万円 - 返済元金7万円 = 手元残32万円*
*32万円 - 車ローン2万円 = 生活費充当可能30万円
〇 月の生活費はどのくらいかかりますか。
家族構成、家賃・教育費等負担は、どうでしょうか。
30万円で、やりくり可能ですか。
〇 (当初の計画通りの利益が出ない場合等)
万一、不足が生じる場合の補填方法(例:家族の別途収入)は、
ありますか。 (👉 余裕資金で、何か月補填可能か計算される)
以上のようなヒアリングにより、
提出された『創業計画書』を補填、修正して、
修正後の資料に基づき、『事業を継続できるか』
を判断し(稟議により、何人もが目を通す)、
融資の可否が決められて行きます。
「こんなやりとり(質問)がされそう」ということを参考にしていただき、
あなたの『創業計画書』を何度も何度もブラツシュアップしてみてください。
創業の「夢」が、しっかりと『見える化』できていくと思います。
頑張ってください。
以上、富太郎でした。
過去に「ブログ」に投稿した内容の再掲示です。