まずは『企業概要・事業概況の整理』です。社長!
今回から、認定支援機関が、「経営改善計画策定支援」をする場合の、
主な作業内容・プロセスに沿って、ご説明を進めていきます。
支援機関は、経営者の方へのインタビュー等で内容を把握していきますが、
御社、もしくは社長ご自身のことなので、社内でもある程度まとめることは、
可能と思われます。(ただし、あくまでも、客観的に。)
最初に、当初インタビューの内容である「ご教示頂きたい事項」リストです。
1 会社概要について
2 ビジネスモデルについて
(何を、誰から、どのように調達し、誰に、どのように販売する
ことにより、利益を獲得しているのか)
3 経営者として重視している指標について
4 現状に至った経緯、認識している窮境原因について
5 認識している経営課題について
6 これまで実行してきた施策について
7 各部門等のキーパーソン、中心人物の有無、組織について
8 足元の資金繰りについて
9 金融機関との取引状況、金融機関の取組姿勢について
10 現状考えている経営改善の方向性について
個人的には、このような内容のインタビューをするのは、
① 経営者の考え、思いを尊重できるのであれば、その方向で改善計画を
立てるほうが、その後の取組姿勢(協力)が期待できるから。
(ただし、方向性を修正しなければならないケース、多々あり。)
② 誠実性、体力、分析力・論理性、技術力、企画力、計数能力、人脈、
リーダーシップ、コミュニケーション能力等、経営改善のために必要な、
「経営者の資質」が備わっているか、
経営者としての決意・覚悟、強い意思を持っているか。を把握するため
だと考えます。
これらの把握は、『事業の持続可能性』の暫定的判断に、不可欠です。
STEP 1 経営課題の把握
(1) 企業概要の把握
(資本関係、資金関係、経営者、組織等を調査します。)
① 沿革 設立から現在までどのようなイベントがあったのか、業績
好調・不調期はいつからいつまでか等を把握します。
② 業種・事業内容 御社の事業は、どの市場に属しているのか、
属する市場は成長市場か、縮小市場か、一般的な利益率はどの程度
なのか、等を把握します。
③ 取引金融機関 メイン・準メイン行はどこか、残高・シェア、
保全状況、融資姿勢、直近の状況等を把握します。
④ 財務ハイライト 過去の営業成績、財政状態の推移、資金繰りの
状況等を把握します。
〇 事業規模によっては、⑤ グループ会社、 ⑥ 株主構成、
⑦ 役員構成 も確認します。
(2) 事業概況の把握
(企業の外部と内部の両方からの分析が必要となります。)
① 外部環境分析 (企業を取り巻く外部環境の状況を分析すること)
ア マクロ環境分析 (マクロ環境とは、企業にとって新たな市場
機会が創出されたり、脅威を与えたりと、企業に間接的に影響を
与える外部環境要因のこと。それが変化した場合、業績にどのよ
うな影響を及ぼすことになるか認識するために必要となる情報)
⇒ 代表的分析手法 PEST分析~「①Politics(政治的要因/法的
規制、税制)」「②Economics(経済的要因/金利、景気動向)」
「③Social(社会的要因/人口、ライフスタイル)」「④Technology
(技術的要因/技術革新、IT環境)」の4つの視点から、外部
環境を分析し、企業に影響を与える要因を網羅的に把握します。
イ 業界分析 御社の事業の属する業界の「①競合企業」、
「②新規参入者の脅威」、「③代替品・サービスの脅威」、
「④買い手の交渉力」、「⑤売り手の交渉力」を把握し
[5フォース分析]、その業界が儲かっているか、将来性・成長性
があるかどうかを分析することです。
⇒ 策定する損益計画の売上高をどのように置くか(右肩上がりと
するか、右肩下がりとするか、横ばいとするか等)の目線とする
上でも、重要な分析となります。
ウ 3C分析 市場・顧客(Customer)、競合他社(Competitor)、
自社(Company)の3つの視点から企業を分析して、経営課題を
明らかにする方法です。
⇒ 市場/顧客のニーズと競合他社の状況を踏まえて、自社の製品や
サービスが差別化できているか、また今後も競争力を維持できる
のか等を分析することが重要になります。
② 内部環境分析 (企業の内部の状況を分析すること)
ア 企業活動の分析 企業活動は、製品及びサービスが開発されて
から、市場に出るまでの一連のビジネスの流れで構成されており、
バリューチェーンにおける企業の主活動(購買/物流、製造、出荷/
物流、販売/マーケティング、サービス)を意味します。
(注:支援活動には「全般管理」「人事・労務管理」「研究開発」
「調達」等があります。)
⇒ 企業活動分析の目的は、企業活動を構成する各要素が、
どのような構造によって、最終的な製品やサービスの付加価値を
創出しているかを分析することで、企業の強みや弱み、経営課題
を把握することにあります。
イ 採算性分析 企業のどの製品・サービスで、どの程度儲かって
いるのか、儲かっていないのか。なぜ儲かっているのか、儲かって
いないのか等、利益の源泉を把握する必要があり、そのために
収益構造やコスト構造を確認します。
⇒ 収益又はキャッシュフローは、借入金返済原資の中で最も重要と
なるものなので、企業の利益の源泉を見極めるために、採算性
分析を行う必要があります。
◎ 分析実施の留意点
① 分析の視点 (企業の業績をどのような視点から切り分けて分析するか)
⇒ 企業の状況に適した視点を選択することが重要
例 「事業」「製品」「顧客」「拠点、地域、組織」
② 分析のメッシュ (各分析の細かさ)
⇒ どこまで細かく分析するかは、時間・費用・手間のバランスを
勘案して決定します。
★ 今回のまとめ
「外部環境分析」は、御社に影響を与える脅威と機会を意識して分析し、
「内部環境分析」は、御社の強みと弱みを意識して分析する
必要があります。
ここから、「SWOT分析」につなげ、「窮境原因や経営課題の把握」、
さらには、「今後の戦略や施策の考察」が可能となります。
次回は、「財務概要の把握」について、ご説明する予定です。
以上、富太郎でした。
参考資料・文献
〇 中小機構 『中小企業経営改善計画策定支援研修』テキスト、資料
〇 『金融機関が行う 経営改善支援マニュアル』
日本政策金融公庫中小事業本部企業支援部[著] (きんざい)
☆ 過去に「プログ」に投稿した内容の再掲示です。