獣医師が解説!犬にチョコレートは絶対にダメ!中毒の怖さとは?!

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チョコレート中毒は、飼い主様の中でもかなり有名で、ご存知の方も多いかもしれません。
犬がチョコレートを食べると、場合によっては中毒を起こし、様々な症状が出ることがあります。

本記事では、犬のチョコレート中毒の病態、症状、中毒量、治療法に至るまでを獣医師が徹底解説します。

この記事を読めば、犬にチョコレートを与えていけない理由と対処法が分かります。

犬にとって危険な物を知りたい飼い主必見です。

限りなく網羅的にまとめましたので、チョコレートが犬に与える影響をご存知でない飼い主は是非ご覧ください。

✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、
論文発表や学会での表彰経験もあります。

今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。

臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!

記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m

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✔︎本記事の内容

犬にチョコレートは絶対にダメ!チョコレート中毒の怖さとは?!

犬がチョコレートを食べてしまった時に起こる病態

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犬がチョコレートを食べて中毒を起こす物質は、チョコレートの原料であるカカオに含まれる物質「メチルキサンチン誘導体」のテオブロミンです。

カフェインやテオフィリンもメチルキサンチン誘導体の仲間です。

メチルキサンチンの過剰摂取により生じる中毒で急性の消化器症状、循環器症状、神経症状などを呈します。

メチルキサンチンの含有量はチョコレートの種類により異なり、ときには少量でも中毒を起こし死に至る可能性もあります 。

犬は珍しい食物を素早く大切に摂取することが多く、テオブロミンの半減期が17.5時間と長いこともあり、少量でも繰り返し摂取することで罹患しやすく病的兆候を長引かせます。

体重に対するチョコレートの量の問題から小型犬の方が重篤となることが多いです。

人間の場合、体の中に入ったテオブロミンは肝臓で代謝されてメチル尿酸という物質に変わります。

犬や猫も同じように肝臓でテオブロミンが代謝されるのですが、代謝にかなり時間がかかります。

そのため、血清中に長くテオブロミンが残り、さまざまな中毒症状を引き起こす可能性があるため、犬にチョコレートを与えてはいけないのです。

チョコレートに含まれる中毒性物質の量

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製品        メチルキサンチン含有量(mg/g)
カカオ豆           14-53
料理用チョコレート      14-16
ダークチョコレート       5
ミルクチョコレート       2
ホワイトチョコレート     0.05

犬がチョコレートを食べてしまった時の中毒の症状

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チョコレート中毒の症状は、通常チョコレートを食べてから4~12時間で現れるといわれています。

メチルキサンチンは中枢神経の興奮作用、強心作用、利尿作用、骨格筋収縮増強作用、平滑筋弛緩作用を示します。

その他下痢、嘔吐、発熱、興奮、頻脈、不安、不整脈などの症状を呈します。

軽度ですと嘔吐、下痢、水をよく飲む、興奮して落ち着かないなどが出ます。

重度ですと、ぐったりする、震える、けいれんが認められます。

落ち着きの消失、活動性の亢進、反射亢進が早期に起こる(摂取後1-2時間)
尿失禁、利尿促進、嘔吐、下痢(摂取後2-4時間)
多呼吸、頻脈
高体温は一般的
重度の場合、硬直、筋肉の痙攣、痙攣発作が生じ死に至ることもあります。

犬がチョコレート中毒を起こした時の治療

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対処法は3つに大別されます。
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