【抱き締め合い・殴り合い】

記事
学び
 「他者の存在を認知している」、つまり、
 「あなたがそこにいることを私は知って
 います」、という意味の「ストローク」。
 3種類の「ストローク」で肌を触れ合う
 のが、「身体的ストローク」なのである。
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 肯定的な肌の触れ合いには、抱きしめる、
 撫でる、等、否定的な肌の触れ合いには、
 叩く、殴る、等がある。恋人と抱き合う
 のも、嫌な相手と殴り合うのも「身体的
 ストローク」だ。好いていようが嫌って
 いようが、「相手の存在を認知している」
 ことに何ら変わりはない。ただ、現在は、
 何かと言うと暴力だと騒ぎになり、昔で
 言うところの「教育的指導」もできない。
 だから、心理カウンセラー養成学校でも、
 「身体的ストローク」を教えてはいるが、
 否定的な「身体的ストローク」の実行は
 不可能ではないかと疑問を呈したものだ。
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 私自身、親しい友人から悩みを聴かされ、
 感情移入するようなことがあると、その
 相手が愛しく思えてきて、抱き締めたく
 なることがある。かと思えば、思い出す
 度に、殴ってやりたい、法律が許すなら
 殺してやりたいくらいに思うほど憎んで
 いる相手もいる。しかしながら、前者は
 セクハラと言われかねず、後者は犯罪だ。
 故に、どちらの「身体的ストローク」も
 実行できない。そしてストレスが溜まる。
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 人間、ストロークに飢えると心が荒れる。
 私自身、過去に職場で存在を認知されて
 いなかった時には、職場内の良くないと
 思うことを厳しく指摘しまくり、非常に
 嫌がられ、煙たがられていた。最後には、
 喧嘩両成敗の原則を踏みにじる理不尽な
 やり方でお払い箱にされた。そのことは
 今も許していないし、メンタルヘルスの
 大切さを私に再認識させ、カウンセラー、
 メンタルケア・アドバイザーへと向かう
 原動力となったものは正しくそれなのだ。
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 親しい者同士が抱き締め合い、誰にでも
 心をぶつけて殴り合える、数十年前には
 普通に見られたこうした光景が今はない。
 再放送の刑事ドラマを見てすら、刑事が
 犯人や容疑者、場合によっては直接的に
 犯人の犯行動機を作った一般市民にまで
 手を出しているのを拙いと思うくらいだ。
 人間同士が思いをぶつけ、抱き締め合い、
 殴り合う。そういう「身体的ストローク」
 が普通に交わせる世の中であってほしい。
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 駄文の御閲覧、心より感謝申し上げます。
抱き締め合い・殴り合い.jpg

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