非正規社員の怒り(同一労働同一賃金の弊害)

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コラム

現在、私は大学のキャリアセンターで非正規社員として働いている。 
そこでは、非正規社員であるがゆえ、感じてしまう悔しさがたくさんある。
今日は、私が感じる2つの悔しさについて書きたいと思う。

【悔しさ1:成長の機会が全くない(期待をされていない)】
① 目標管理面談がない
② 研修を受けさせてもらえない
③ 業務範囲が限られている

【悔しさ2:信用がない】
・緊急事態宣言後の在宅勤務の割合が少ない

そもそもの話であるが、私が現在の大学に勤めることを決めたのは、
キャリアカウンセリングの経験が積めると思ったからだ。
採用試験を受けた当時は、国家資格キャリアコンサルタント受験のため、勉強中であった。

そんな時、現在の家の近所で、給料はとても安いけれど、学生相談の業務ができる仕事があったので、応募した。それが、今の職場だ。

その後、私は国家資格キャリアコンサルタントの資格を取り、学生相談も数多く経験させていただいた。その時は、職場の雰囲気も「やりたいことがあればどんどん手をあげてくださいね」という感じで、非正規社員でありながら、私もいろんな経験をさせていただくことができた。

しかし、入社してちょうど1年が経とうとしているころ、同一労働同一賃金の考えが、私が勤める大学にも導入されることになった。その結果、私の職種では、学生相談の業務ができなくなってしまった。本来の私の職種は、事務職である。学生相談の業務ができなくなってしまったのは、他の課の同じ職種の方と比べて、業務量や業務範囲が多いと判断されたからだ。もともと、学生相談の業務をやりたくて入社した私にとっては、それはとてもとても悔しい出来事だった。その報告をされた人事面談の際には悔し涙を流してしまったくらい。だからといって、大きい組織のため、私だけ賃金を上げて特別に学生相談の業務をさせてもらうことはできず、その後は受付対応や事務作業をもくもくとやっている。

そういう経緯もあり、私は、もしかしたら、同じ職種の他の方より成長意欲があるのかもしれない。それゆえ、悔しいと感じているのは、もしかしたら私だけなのかもしれない。けれど、こういう悔しさを感じている非正規社員もいるということを知ってもらいたいため、私が感じる悔しさについて、今日は詳しく書いてみたいと思う。

【悔しさ1:成長の機会が全くない(期待をされていない)】
①目標管理面談がない
正社員時代は、目標管理面談なんて、ただただ面倒な作業であった。しかし、目標管理面談をされなくなるとそれはそれで寂しいものがある。目標管理シートの記入が面倒だといっている正社員の方を横目に「私は、目標管理面談すらないんですよ」と思いながら、もくもくと業務をこなしている。

②研修を受けさせてもらえない
同一労働同一賃金の考えが導入される以前は、希望する研修は比較的受けさせてもらえた。しかし、今は業務に関係ありそうな研修でさえ、受けさせてもらえない。最近も、課内メールで、とある研修の受講希望者を募っていたので、手を挙げてみたが、受理されなかった。研修受講希望者は申し出てくださいって書いてあったのに。それは、私以外の職種の方に向けてのメッセージだったのね。上司は懲りずにまた言ってと言ってくれるけれど、どうせまた言っても同じ結果だろうと思ってしまう。意欲があるっていいことだと思うけれど、その意欲がまったく求められていないことに寂しさを感じる。

③業務範囲が限られている
たとえ、学生相談が込み合っていても手伝うことが許されない。職場の人の役にも、学生の役にも立てないはがゆさ、以前はやらせていただいていた業務ができないはがゆさを感じながら、何か私にできることはないかと探している。
上記に挙げた①②③で、何が一番悔しいかというと、私の立場では、何も期待されていないことが一番悔しい。

【悔しさ2:信用がない】
・緊急事態宣言後の在宅勤務の割合が少ない

これはとてもタイムリーな話題であるが、昨日(2021年1月8日)から緊急事態宣言の期間に入っている。私の勤める大学も、緊急事態宣言の対象地域であるので、来週より在宅勤務の割合が増える。
正確にいうと、私の職種以外の方の在宅勤務の割合が増える。

そもそも、他の課の私と同じ職種の方々は在宅勤務が認められていないらしい。そんなこともあるので、私の職種で週1でも在宅勤務をさせていただけること自体に感謝をしなければいけないことだとは思う。そこは、現在の職場の方々に感謝をしつつも、ふと旦那の職場の話などを聞くと、旦那の職場では、在宅では業務のない派遣社員の方々は自宅待機になっているという。そんなことを聞くと、うちの大学もまだまだだなと思ってしまう。正社員にはとてもやさしい企業だが、非正規社員にはとても厳しい企業だと思う。

在宅勤務ができない理由として、在宅でできる仕事がないからだという。確かに、私たちの業務は雑用が多い。特に今の時期は採用活動も本格化してくるため、郵便物も多くなり、郵便物の処理に追われて一日が終わることもしばしば。でも、だからといって、他の職員より在宅勤務の数を減らしていい理由になるのだろうか。私は、職場が近いのでまだいいかもしれないが、職場が遠い人はその分、コロナの脅威にさらされる危険があるのには変わりない。これは、正社員でも非正規社員でも同じこと。4月の緊急事態宣言時は、私の職種でも在宅勤務で業務がない人は自己研鑽が認められていた。認められていたものが認められなくなったこと自体、おかしいと思う。うまく言えないが、要するに非正規社員は信用がないということだと私は感じた。昨年4月よりも、コロナの状況は悪化しているのに、出勤数が増えるのはなぜか。社員の健康ではなく、業務重視。正社員の健康は守るが、非正規社員の健康は二の次、どうしてもそんな感じがしてしまうのは、否めない。

以上が、非正規社員の私が感じている悔しさだ。

悔しさを通り越して、怒りかもしれない。

正社員時代にできたことがなぜできないのか。
もちろん正社員時代から職場も変わっているし、立場も変わっているので仕方はないことだとはわかっている。
しかし、私自身は何も変わっていないのに、むしろ人間としては成長しているはずなのに、
雇用形態が変わるだけで、立場が変わるだけで、なぜこんなに悔しい思いをしなければいけないのか。

こんなことなら転職すれば?と思う方もいらっしゃるかもしれないが、子どもが3人もいるとそういうわけにはいかない。なんだかんだで、今は、仕事の負担が少ないため助かっている部分もたくさんある。なので、今何かをどうこうしたい気持ちはないのだが、ただ、私はこういう悔しい思いを感じている。そのことは誰かに知ってもらいたいと思う。

すべての人の完全かつ生産的な雇用と、働きがいのある人間らしい労働の達成を目標としているSDGs。非正規社員でも生き生きと働ける社会がいつかくることを祈りつつ、私は私で自分の道を切り開いていきたいと思う。

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