「足りないもの」ばかり見ていた頃

「足りないもの」ばかり見ていた頃

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コラム

恋をしていると、
いつの間にか「足りないもの」ばかりを数えてしまうことがあります。

もっと連絡がほしい。
もっと会いたい。
もっと優しくしてほしい。
もっと私のことを考えてほしい。

最初は小さな願いだったはずなのに、
その思いが大きくなるほど、心は少しずつ苦しくなっていきます。

連絡が来ないだけで不安になったり、
返信が短いだけで「嫌われたのかな」と考えたり、
相手の態度ひとつで一日の気分まで変わってしまったり。

そんな自分を見て、
「どうして私はこんなに弱いんだろう」
と思うこともあるかもしれません。

でも、それはただ
心がずっと「誰かに満たしてほしい」と願っていただけなのかもしれません。

ある時から私は、
「ないもの」ではなく
「もう自分のそばにあるもの」を見るようになりました。

温かいご飯を食べられること。
好きな飲み物をゆっくり飲めること。
自分の好きな空間で過ごせること。
お気に入りの場所へ出かけられること。
大切な人との思い出が、自分の中にちゃんと残っていること。

そんな一つ一つは、とても小さなことです。

けれど、その小さなものを丁寧に感じていると、
不思議なくらい心が静かになっていきます。

「彼から連絡が来ないから寂しい」

ではなく、

「今日は自分のために何をしようかな」

そう考えられる時間が少しずつ増えていきます。

恋愛が人生のすべてになっていた頃は、
相手の気持ちを追いかけることに夢中で、
自分の毎日の中にある幸せを見落としていたのかもしれません。

本当は、幸せは誰かが運んできてくれるものだけではありません。

自分の好きなものを選ぶこと。
疲れた日は休むこと。
会いたくない人とは無理に会わないこと。
心地よい場所に身を置くこと。
自分のお金や時間を、自分が本当に大切だと思うものに使うこと。

そんな小さな選択の積み重ねも、
自分を満たしていく方法の一つなのだと思います。

そして、自分の中が少しずつ満たされてくると、
恋愛の見え方まで変わってきます。

「この人がいないと幸せになれない」

ではなく、

「私は私で幸せ。
その上で、この人と一緒にいられたら嬉しい」

そんなふうに思えるようになる。

恋は、心の穴を埋めるためのものではなく、
すでにある自分の人生に
そっと彩りを加えてくれるものなのかもしれません。

今、誰かのことで心がいっぱいになっている方へ。

今日は少しだけ、
相手ではなく自分の方を見てあげてください。

「私は今日、何をしたら少し嬉しい?」
「今、私のそばにある幸せは何だろう?」

ほんの小さなことで大丈夫です。

温かい飲み物でも、
好きなお菓子でも、
お気に入りの音楽でも、
静かに眠れる時間でも。

その小さな幸せを見つけるたび、
心は少しずつ自分のところへ戻ってきます。

誰かに愛されることも素敵。

でもその前に、
自分の人生を自分で大切にできること。

それが、いちばん穏やかな恋への近道なのかもしれません。

月乃こころ🌙





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