「お店の紹介を入力してください」
Googleマップの登録画面やInstagramのプロフィール欄でそう聞かれて、手が止まったことはないでしょうか。
「アットホームな雰囲気のお店です」と打って、消して、また打つ。そのうち空欄のまま閉じてしまう。
紹介文が書きにくいのは、文章が苦手だからではないと思います。書きたいことが多すぎて、どれを先に出すかが決まらないのです。
スマホでお店を探している人が紹介文に目を通すのは、ほんの数秒です。最初に目に入る数行で「自分に関係がある」と思えなければ、指は次のお店へ動きます。
では、その数行に何を置けばいいのでしょうか。
■ 1行目:だれのためのお店か
「どなたでもお気軽に」は親切な言葉ですが、読む人の目には引っかかりません。
「小学生の子どもと通えるピアノ教室」「仕事帰りの19時から開いている整体院」のように、来てほしい人の姿をひとつ書きます。
来てほしい人を絞ると、ほかのお客さんが来なくなる気がするかもしれません。けれど絞ったからといって、ほかの人が入れなくなるわけではありません。入口がひとつはっきりしているほうが、読む人は自分に当てはめやすくなります。
■ 2行目:ほかと何がちがうか
「こだわりの」「丁寧な」は、どのお店も使う言葉です。ちがいは形容詞ではなく事実で書きます。
・「丁寧なカット」→「カットの前に10分、髪の悩みを聞きます」
・「新鮮な野菜」→「朝、隣町の畑から届く野菜を使います」
事実で書くと、読んだ人の頭の中に場面が浮かびます。
■ 3行目:次に何をすればいいか
読んだ人が動けるように、一歩だけ案内します。「体験レッスンは予約制です」「予約なしで入れます」。
行っていいのか、連絡が要るのか。ここがわからないと、気になっても動けません。
■ 架空のパン屋さんで書いてみる
直す前はこうです。
「こだわりの素材で焼いた、やさしい味のパンのお店です。ぜひお気軽にお立ち寄りください。」
3行の形にするとこうなります。
「朝7時から開いている、通勤前に寄れるパン屋です。
生地は前の晩から12時間かけて寝かせています。
駅の東口から歩いて2分、予約なしで入れます。」
「やさしい味」は消えました。それでも12時間寝かせる話を読めば、その先の味は読む人が想像してくれます。
■ 同じ3行を、場所ごとに少しずつ
Googleマップ、Instagram、ホームページ。どこにも同じ文を貼りたくなりますが、読む人の状況は少しずつ違います。
地図で見る人は近くにいて「今から行けるか」を知りたい。Instagramで見る人は写真を見たあとで「どんな人がやっているか」が気になる。
3行の骨組みはそのままにして、1行目の言い方だけ場所に合わせると、無理なく使い回せます。
ただ、自分のお店の「ちがい」は、自分ではいちばん見えにくいものです。毎日あたりまえにやっていることほど、書くほどのことではないと思えてしまいます。
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お店や教室の紹介文を、ホームページ・Googleマップ・Instagram用に書く出品をしています。8つの質問に答えてもらい、その答えからちがいを拾って文にします。答えにないことは書きません。文章の下書きにはAIを使い、仕上げと確認は人が行います。
3ページまでの小さなホームページを作る出品もしています。
こまりごと編集室