【詩】ティータイム

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ティーカップに手を当てて 伝わる微熱
火照る水面が回す三半規管 移ろう景色を反射する
艶(つや)やかな銀色スプーンで
自分で揺らしたはずだった
それでも栗色の円流に
つられ つられて
ぐるりぐるりと流れの中心
私こそが目まぐるしく回っているように
ぐるり ぐるり
ぐるり ぐるり

宙にさらされたスプーンに残った二雫
微かに震えてあなたを映す
頬にかかる白い香りは
私の手を取り誘わせた
「あなたと二人 どこか遠いところへ」
くっきりと澄み切られた空気に ミルクは混ざって
白い濃霧がもやもやと 私の雑踏を迷わせる
目を細めて飲み干せば
ざわめきは温かく心の中に

あなたとの居場所が
苦いものをまろやかにしてくれる



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