※Webサイトに掲載している記事のダイジェスト版となります。
■『シグナリング効果』とは?
『シグナリング効果』とは、特定の「シグナル(信号)」を発信することで、意図した情報やイメージを間接的に伝える現象のことです。
ミクロ経済学の概念として知られていて、直接的に情報を伝えるよりも、「シグナル」を用いて伝えることで説得力が高まるとされています。
ビジネスシーンにおいては、企業イメージを高める(ブランディング)、セールストークなどで意識的・無意識的に活用されている効果です。
◆提唱したのは?
『シグナリング効果』を提唱したのは、2001年にノーベル経済学賞を受賞した、アンドリュー・マイケル・スペンス 氏(画像:Wikipedia)です。
アメリカ生まれの経済学者であるアンドリュー・マイケル・スペンス 氏 は、ハーバード大学での博士論文として「シグナリング理論」を発表し、1974年に出版した著書の中で改めて言及しています。
■『シグナリング効果』のビジネスシーンでの活用例
ちなみに、以下のどのケースも『ハロー効果』のような作用を生じさせています。
◆就職活動で「学歴」をアピール
イメージしやすいのが就職活動の場面です。
企業が新卒採用する際には「学歴」を重視する傾向があるため、志望者が自身の学歴を『シグナル』として伝えることが挙げられます。
つまり、志望者が「自分は優秀です」と直接述べるのは難しいため、間接的に「学歴」という『シグナル』を発信することでアピールします。
人材を採用したい企業側としては、志望する学生が優秀かどうかを正確に把握することは難しいため、「高学歴である」ことと「仕事ができる」ことは直結しないとはいえ、一定の相関性があるとして参考にするというわけです。
◆圧倒的なスピード感でお客様の要望に応える
『シグナリング効果』は、営業にも活用することができます。
セールスマンは営業先の商談相手や顧客から「信頼を得る」ことが求められます。
信頼を得るためには「業界や商品・サービスに関する豊富な知識」や「高いコミュニケーション能力」などが挙げられますが、『シグナリング効果』を活用する際には、以下のような手法が考えられます。
例えば、見込み客と商談した際に、1か月後を期限にした再提案資料の作成を依頼されたとします。
そんな場合に「当日中に提案資料を作成する」ことで、「他のセールスマンと違って信頼できる」と思われやすくなるはずです。
つまり、「圧倒的なスピード感で依頼された資料を作成し送付する」という『シグナル』を送ることで、見込み客から信頼を得ることにつながりやすくなるということです。
◆「気に入らなければ返品OK」
通信販売においても『シグナリング効果』は用いられています。
通信販売の多くは返品のハードルは高いと言えますが、「気に入らなければ返品OK」と謳い商品を販売している場合、「返品OK」という『シグナル』が、間接的に「販売する商品には絶対の自信があります」というアピールにつながっていると言えます。
◆「一等地」に店舗を構える
マーケティング領域においても『シグナリング効果』は用いられています。
例えば、知名度があり人通りや集客力が高いとされる「一等地」に店舗を構える場合、「一等地に店舗を構える」という『シグナル』が、間接的に「良い店に違いない」、また広告に有名人を起用する、といった場合には、「有名人を起用する」という『シグナル』が、「良い商品・サービスなのだろう」と思わせる効果を狙ったケースと言えます。
◆高い価格帯に設定する
商品やサービスの「価格」にも『シグナリング効果』は活用することが可能です。
顧客の多くは「価格」という『シグナル』によって、「その商品・サービスの質」を推測しています。(例:低価格の商品よりも、高価格の商品の方が良い)
ちなみに、こういった心理を利用して「あえて高い価格帯に設定する」ことによって販売数を増やす戦略のことは「トレーディングアッププライシング」と呼ばれています。