AIからの流入割合はまだ少ないですが、AIを経由して流入したユーザーは質が高いと言われます。
では実際にどのくらい質が高いのか、今まで発表されたデータと私が運営しているサイトで確認しましょう。
AI経由のユーザーはCVRが約23%高い
AI経由ユーザーの質を示すデータとしてよく引用されるのが、SEOツール「Ahrefs」の自社サイト分析です。
2025年5月16日〜6月14日の30日間、ChatGPTやCopilot、GeminiなどのAI検索からahrefs.comに流入したユーザーは、全体のわずか0.5%でした。
ところが同じ期間の新規登録者を見ると、12.1%がAI検索経由でした。流入の0.5%が登録者の1割以上を占めている計算で、AI検索トラフィックのCVRは従来のオーガニック検索の約23倍になります。
サイト内の行動にも違いがあります。AI経由のユーザーはオーガニック検索のユーザーより直帰率が低く、1訪問あたりの閲覧ページ数は約1.5倍でした。
一方で、滞在時間はオーガニックより短い結果になっています。
AIとの対話の中で情報収集や比較検討をある程度済ませ、目的がはっきりした状態でサイトに来ているため、記事をじっくり読むよりも製品ページや登録へ直行していると考えられます。
https://ahrefs.com/ja/blog/ai-search-traffic-conversions-ahrefs/
AIモデル別に見ると、ChatGPT経由のCVRが突出
AIモデル別のCVRは、米国のデジタルマーケティング会社Seer Interactiveがクライアント1社のGA4データ(2024年10月〜2025年4月)で比較しています。
どのAIモデルもGoogleオーガニックを上回っていますが、特にChatGPT経由のCVRは約9倍と大きな差があります。ChatGPT経由のユーザーは1セッションあたり平均2.3ページを閲覧しており、Googleオーガニック(約1.2ページ)のほぼ2倍でした。
また、AIモデルによってコンバージョンが発生するページの傾向も異なります。ChatGPT経由ではサービス紹介ページから問い合わせフォームまで幅広いページでCVが発生していたのに対し、Gemini経由ではツールや計算機ページでのCVが中心でした。同じ「AI流入」でも、モデルごとにユーザーの目的が違うことがわかります。
ただし、流入量はまだ小さく、この期間のAI経由セッションは約1万1,000件で、Googleオーガニック(約1,400万件)の0.07%にとどまります。それでもAI経由のCVは1,370件あり、量は少なくても成果への貢献は無視できない規模です。
なお、AhrefsとSeer Interactiveのデータはいずれも単一サイトの分析であり、BtoB・SaaS領域の結果です。すべてのサイトで同じ倍率になるわけではない点には注意が必要です。
https://www.seerinteractive.com/insights/case-study-6-learnings-about-how-traffic-from-chatgpt-converts
業界別に見るとリテール分野がAIトラフィックの恩恵が大きい
業界ごとの違いを大規模データで分析しているのが、Adobe Digital Insightsの「AI Traffic Report」です。米国ショッピングサイトへの訪問記録1兆件以上と商品情報1億件以上を分析し、2026年3月には米国の消費者5,000人以上にAIの利用状況を調査しています。
2026年第1四半期のAI経由の訪問数は、すべての業界で前年から大きく増えました。
リテールではAI訪問者のCVRが通常訪問者を逆転
最も伸びたリテールでは、2025年12月に前年比1,151%増とピークに達しました。消費者調査でも、39%がオンラインショッピングでAIアシスタントを使ったことがあると回答しています。
注目すべきは「量」だけでなく「質」の変化です。1年前、リテールサイトでのAI訪問者のCVRは通常訪問者の半分程度でした。それが2026年3月には逆転し、AI訪問者のCVRが通常訪問者より42%高くなっています。
1訪問あたり売上も、1年前は通常訪問のほうが128%高かったのに対し、現在はAI訪問が37%上回っています。わずか1年で「AI経由の訪問者はあまり買わない」状態から「AI経由の訪問者のほうが買う」状態へ変わったことになります。
https://business.adobe.com/resources/sdk/2026-q2-ai-traffic-report.html
CVは分からずとも滞在時間は長い傾向にある
最後に私が運営しているサイトのアナリティクスを事例に紹介します。
店舗紹介型なのでCVはありませんが、滞在時間を見るとオーガニック流入とAI流入で大きな違いがありました。
2026年9月のChat GPT流入
2026年9月 Goole/Yahoo/Bing からのオーガニック流入
Chat GPTからの流入は4人しかいないので母数は少ないですが、滞在時間を見るとオーガニックと比較して長い傾向にあります。
ちなみに8月も同じくChat GPTから4人の流入があり滞在時間は5分を超えています。
まとめ
やはりAIから流入したユーザーはすでに興味があり、情報を得てから流入するので滞在時間も長くCVRも高い傾向にありますね。
ボトルネックとしては流入割合の低さでしょうか。なかなか会話の途中でリンクを踏む人はいないので、そこも注目の指標です。
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