AIで映像をつくることが、少しずつ現実的な選択肢になってきました。
数年前までは、AI映像というと実験的な表現や短い生成動画が中心でした。今は、広告、SNS、ブランドムービー、イメージ映像など、実際の制作でも使える場面が増えています。
その一方で、AIなら何でもできるわけではありません。得意なこともあれば、まだ不安定なこともあります。
だからこそ、依頼する前に「AIで何ができるのか」だけでなく、「どこはAIに任せないほうがいいのか」を知っておくことが大切です。
AI映像は、できることが一気に増えている
現在のAI映像で特に強いのは、現実には撮ることが難しいイメージを、短い時間で形にできることです。
存在しないブランドの世界観、幻想的な風景、商品のコンセプト映像、過去や未来を感じさせるシーンなど、撮影だけでは大きな予算が必要になる表現も選択肢に入ります。
また、一つの企画に対して複数のビジュアル案を試しやすいのも大きな強みです。完成形を想像しながら方向性を比較できるため、企画段階の検証にも向いています。
AI映像の強みは、何でも自動でつくれることではなく、これまで選べなかった表現を選べるようになることです。
特に相性がいいのは、短尺とイメージ表現
現時点では、AI映像は長編を丸ごと生成するよりも、数秒から数十秒の印象的なカットを組み合わせる制作と相性がいいと感じています。
たとえば、SNSショート動画の冒頭、広告のキービジュアル、ブランドムービーの象徴的なカット、Webサイトの背景映像などです。
短い尺の中で世界観を強く見せたい場合、AIはかなり有効な手段になります。実写素材とAI映像を組み合わせる方法もあります。
まだ苦手なことも、はっきりある
一方で、同じ人物を長時間、完全に同じ状態で出し続けることや、細かな商品の形状を毎カット厳密に維持することは、まだ難しいケースがあります。
手や指、文字、細かなロゴ、複雑な動き、物理的な整合性も、生成する内容によっては不自然さが出ます。AIモデルは進化していますが、毎回100%同じ結果を再現できるわけでもありません。
そのため、企業の商品紹介や正確性が重要な映像では、実写や3DCG、通常の編集と組み合わせたほうが安心な場合があります。
AIを使わないほうがいい場面もある
制作では、AIが使えるかどうかではなく、AIを使う意味があるかどうかを考えます。
実際の人柄を伝えたいインタビュー、店舗の空気感、職人の手仕事、リアルな商品そのものを見せたい映像は、実写のほうが強いことがあります。
逆に、まだ存在しないものを見せたい、撮影できない世界をつくりたい、限られた素材から世界観を広げたい。そういう場面ではAIが大きな力になります。
大切なのはAIを使うことではなく、伝えたいものに合った制作方法を選ぶことです。
AI映像でも、最後は人の判断が必要になる
AIから出てきた映像をそのまま使えば、制作が完成するわけではありません。
どのカットを使うのか。どこまで生成し直すのか。色や動きは自然か。ブランドの雰囲気に合っているか。音楽や編集と組み合わせたときに、きちんと伝わるか。
この判断は、従来の映像制作と同じように人が行います。むしろ生成できる選択肢が増えた分、選ぶ力は以前より重要になっています。
AI映像は、目的に合わせて使うと強い
AI映像制作は、従来の映像制作をすべて置き換えるものではありません。
実写が向いているもの、AIが向いているもの、両方を組み合わせることで良くなるものがあります。目的によって、その答えは変わります。
マッタ創作所では、AIを使うこと自体を売りにするのではなく、伝えたい内容を形にするための一つの手段として考えています。
できることと、できないことを理解したうえで使う。そのほうが、AIという新しい技術を、もっと自然に制作へ取り入れられると思っています。