褒め言葉を受け取れない夜に

褒め言葉を受け取れない夜に

記事
占い
九月の終わりになると、日が落ちるのが急に早くなります。夕方の五時にはもう空の端が薄い橙になり、六時にはすっかり夜です。それでいて昼のあいだは汗ばむほどの日もあり、季節はきちんと順番に進むのではなく、行ったり戻ったりしながら少しずつ入れ替わっていくのだと感じます。金木犀の香りも、ある朝ふいに届いて、次の日にはもう遠のいていたりします。

自然は、受け取り方を急かしません。木々は日が短くなったことを疑いませんし、「まだそんな季節ではない」と言って色を変えるのをためらったりもしません。ただ、来たものをそのまま受け取って、静かに次の姿になっていきます。

そのことを思うとき、私はよく、褒め言葉を受け取れないでいる方のことを考えます。

「すごいですね」と言われて、「いえいえ、全然です」と反射のように返してしまう。「助かりました」と言われても、「たいしたことはしていないので」と打ち消してしまう。そして、ひとりになってから、なぜあんなふうに返してしまったのだろうと少し落ち込む。そういう夜を、何度も過ごしてきた方がいらっしゃるように思います。

波動を見ていて感じるのは、受け取れないことと、自信がないことは、必ずしも同じではないということです。むしろ受け取ることに慎重な方は、言葉の重みをよく知っている方が多いのです。褒められたぶんだけ、次も同じようにできなければならない気がする。期待に応えられなかったときのことを、先に想像してしまう。だから、受け取る前にそっと置き場所を探して、置くところがないまま返してしまいます。

もうひとつ、「自分で見えている自分」と差がありすぎると、言葉は体に入りません。うまくできたと思っていない仕事を褒められると、褒められたことよりも、相手が勘違いしているのではないかという不安のほうが大きくなります。これは謙虚さというより、自分の内側の物差しのほうを信じている状態だと思います。

すぐに変えようとしなくてよいと思います。褒められて嬉しいと思える自分になろうと頑張ることは、また新しい課題を増やすことになりますから。

かわりに、ひとつだけ試してみていただきたいことがあります。否定を返す前に、ほんの一拍だけ置いて、「ありがとうございます」で終える練習です。同意でなくてかまいません。相手が言ってくれたという事実だけを受け取って、その中身の正しさは保留にしておきます。「いえいえ」は、相手の言葉を消してしまう言い方です。そこを「ありがとうございます」に替えるだけで、言葉が自分の内側に少し残るようになっていきます。

そしてもうひとつ。受け取れなかった言葉を、その日の終わりに書き留めておかれるのもよいと思います。その場で受け取れなくても、あとから読み返して受け取れることはあります。季節の変わり目のように、届いたその日にすべてを受け取らなくてもよいのです。何度か行ったり来たりしながら、いつのまにか、自分の中に入っている言葉があります。

あなたが打ち消してきた言葉は、なくなってはいません。まだ、あなたのそばに置かれたままです。

ご自身の波動や、受け取ることをためらう理由についてもう少し知りたくなられたときは、プロフィールページをのぞいてみてくださいね。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す