「今の仕事を続けるべきでしょうか。それとも、新しい仕事を探したほうがよいでしょうか」
今回は、30代のAさんから寄せられたと想定した架空相談を、ルノルマンカードの組み合わせで読んでみます。
※相談内容とカードの並びは、鑑定の読み方をご紹介するために構成したものです。実在するご相談者の鑑定結果ではありません。
用いるカードは「錨」「道」「騎士」の3枚です。
「錨」は、仕事や安定、長く続いている状態を象徴します。Aさんが今の職場に残っているのは、単なる惰性だけではなさそうです。慣れた環境、一定の収入、これまで積み上げてきた経験。そこには、簡単には捨てられない現実的な価値があります。
中央の「道」は、選択の時期を示します。ただし、このカードは「転職しなさい」と命令するものではありません。いま必要なのは、正解を当てることより、何を基準に選ぶのかをはっきりさせることです。
最後の「騎士」は、知らせや新しい動きを表します。すぐ退職するのではなく、まず外から情報を入れることで、止まっていた物語が動き始める可能性があります。求人を見る、人に話を聞く、興味のある仕事に必要な技能を調べる。小さな偵察でも十分です。
3枚を物語としてつなぐと、「安定を捨てて飛び出す」ではなく、「足場を残したまま、次の道から届く知らせを確かめる」と読めます。
Aさんへの提案は、今週中に二つの表を作ることです。一つは「今の仕事で守りたいもの」、もう一つは「次の仕事で変えたいもの」。それぞれ三つずつ書き、求人を一件だけ見て条件を比べます。応募する必要はありません。比べてみて初めて、自分が恐れているものと、望んでいるものの輪郭が見えてきます。
もし条件を見ても心が動かなければ、それも大切な情報です。今の職場で役割や働き方を調整するほうが、自分の望みに近い場合もあります。外を見ることは、必ずしも外へ出る決意ではありません。
未来は、残るか辞めるかの二択だけでできているわけではありません。準備しながら残る道も、期限を決めて様子を見る道もあります。
カードは未来を一本に固定する答えではなく、選択肢の間に灯りを置くもの。物語の次章は、大きな決断より先に、求人を一件開くという小さな一歩から始まるのかもしれません。