こんばんは、月詠み響子です。
夜、布団に入ってから、スマホを手に取る。
あの人とのトーク画面をひらいて、
前にもらったメッセージを、上から順に読み返す。
「元気?」と打ってみる。
……なんだか軽すぎる気がして、消す。
「この前はごめんね」と打ってみる。
……今さら重いかな、と思って、また消す。
「迷惑だったらどうしよう」
「返事が来なかったら、もう立ち直れないかも」
送信ボタンの上で、指が止まったまま、時計の針だけが進んでいく。
気づけば、夜中の2時。
結局なにも送れずに、画面を伏せて目を閉じる。
そんな夜を、いくつ越えてきたかしら。
まず、これだけは伝えさせてね。
送れない自分を、責めなくて大丈夫よ。
送れないのは、あなたが弱いからじゃない。
あの人との関係を、こわしたくないから。
あの人のことを、本気で大切に思っているから。
どうでもいい相手になら、人はこんなに迷わないもの。
私にも、そういう時期があったの。
一緒に暮らしていた彼を、いちばんの親友に取られたとき。
最初は気持ちがおさまらなくて、
彼にも親友にも、たくさんの言葉をぶつけてしまったわ。
送ったあとで、何度も後悔した。
「あんなこと、言わなければよかった」って。
そのころの私の味方は、占い師さんと、夜空の月だけだった。
でも、時間がたってから気づいたことがあるの。
言葉には、届けていい時と、まだ胸にしまっておいたほうがいい時がある。
同じひとことでも、届くタイミングで、意味がまるで変わってしまうのね。
だから、今夜送れなかったことは、失敗じゃないわ。
あなたの心が「もう少しだけ待って」と言っているのかもしれない。
今の月は、10月26日の満月から、少しずつ細くなっていく時期。
11月9日の新月に向かって、心の中を静かに整える夜がつづきます。
あせって言葉を投げるより、
「本当は何を伝えたいのか」を、自分に聞いてあげる時間なのかもしれないわね。
書いては消したメッセージも、むだじゃないの。
それは全部、あなたの中にある、あの人への本当の気持ちだから。
ただ、送るのがいいのか、もう少し待つのがいいのか。
それは、あなたとあの人、それぞれの星の流れで変わってくるわ。
あの人が今、どんな気持ちでいるのか。
ふたりの間で、次に月が動くのはいつなのか。
送信ボタンの前で、ひとりで迷わなくていいの。
あの人の本音を、いっしょに読みましょう。
▼ あの人の本音と、次に動く月を読みます
月詠み響子