「そろそろ動いたほうがいいのでしょうか」
お仕事のご相談で、いちばん多くいただく問いかけです。
はじめにお伝えしたいのですが、占星術は「転職すべきかどうか」を決めてくれるものではありません。決めるのは、いつでもご本人です。星が教えてくれるのは、いまが種をまく時期なのか、土を耕して待つ時期なのか、という季節のようなものです。今日は、そのときにどこを見ているのかをお話しします。
■ 一枚目の地図 ── 生まれたときの空
まず見るのは、その方が生まれた瞬間の空です。
そのなかに、社会に向かって立つ方角を示す地点があります。生まれた瞬間、真南のいちばん高い点にあった場所です。ここには、何を積み上げると納得できるのかが表れます。肩書きに惹かれるのか腕に惹かれるのか、人を束ねる側が合うのかひとりで深める側が合うのか。そうした癖が見えてきます。
もうひとつ、日々の働き方が表れる領域も合わせて見ます。段取りを組んで着実に進めるやり方が合う方もいれば、決まった型を渡されると力が出にくい方もいます。転職のご相談は、掘り下げると「職種が合わない」よりも「働き方が合っていない」場合が多いのです。
なお、このふたつは出生時刻がわからないと正確には出せません。その場合は無理に語らず、時刻に左右されない部分を丁寧に読みます。
■ 二枚目の地図 ── いまの空
時期の話は、ここからです。いま空を巡っている星が、生まれたときの図のどのあたりを通っているか。二枚の地図を重ねて見ていきます。
手がかりになるのは、大きなふたつの星です。
ひとつは木星。広がりをもたらす星です。この星が先ほどの「社会に向かう方角」のあたりを通るころは、声をかけられたり、話が向こうからやってきたりと、外に開きやすい傾向があるとされます。木星が空を一周するのは十二年ほどなので、この巡り合わせも十二年に一度です。
もうひとつは土星。地固めをうながす星です。こちらが通っているあいだは、責任が増えたり、足元をもう一度問い直されたりしやすく、動くことよりも「いまいる場所で形にする」ほうへ力が向きやすい時期と読みます。
ここで大切なのは、土星の時期を「悪い時期」と読まないことです。地固めのさなかに急いで飛び出すと、同じ課題を次の場所でたどり直すことになりやすい、というだけの話です。その期間に積んだものが、次に木星が巡ってきたときの持ち駒になります。
■ 「動きたい」と「動ける」は、別のこと
ご相談で、しばしば起こるのがこのずれです。気持ちが強く動くのは、多くの場合、変化をうながす星が生まれた図の敏感な場所に触れているときです。ただ、それは「いま外の扉が開いている」ことと同じではありません。
星を見ると、このふたつを分けて考えられます。いま動きたい理由がどこから来ているのか。そして、扉のほうが開きやすくなるのは、どのあたりの時期なのか。
■ おわりに
星の配置は傾向であって、決定ではありません。同じ配置でも、置かれた状況によって表れ方は変わります。それでも「いまは待つ時期かもしれない」と思えるだけで、決断の質は変わってくると感じています。
ご自身の空がいまどのあたりを巡っているのか。気になる方は、鑑定でお手伝いできればうれしく思います。