HP担当者が辞める前に。社員12人の会社で、更新を止めない引き継ぎ

HP担当者が辞める前に。社員12人の会社で、更新を止めない引き継ぎ

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ビジネス・マーケティング
「ホームページのことは、あの人に聞けば分かる」。小さな会社では、そんな頼り方が自然に続いていることがあります。ところが担当者の退職が決まると、次の更新を誰に頼むかだけでなく、契約先も、請求の届く場所も、急に心配になってきます。

今回は、社員12人の法人で、HP担当者の退職を前に引き継ぎを任された総務担当者を想定します。総務の仕事は普段どおりあり、Web専任者が新しく入る予定もない。何を聞いておけばよいかを整理したい方に向けた記事です。人数や状況は架空の想定で、実在の支援事例ではありません。

このとき急いで新しいHPを発注しても、今の契約や素材、会社側の管理権限が分からなければ、途中で判断が止まることがあります。退職前の限られた時間で、会社が次の更新を続けられる状態から確かめていきましょう。

掲載画像はこの記事のための説明図・イメージです。実在の会社、契約、管理画面、導入実績を示すものではありません。

■ 1.引き継ぐ仕事を、次の更新から考える


退職前に全てを教わろうとすると、説明する側も受ける側も大変です。まず、「来月、会社概要の文章を一か所変えることになったら、誰が何をするか」をたどってみてください。

原稿を用意する人、直してよい内容を判断する人、管理画面で操作する人、公開後に見る人。これまで一人が兼ねていた役割を、次は誰が受け持つかを考えます。ページを編集する操作だけ教わっても、公開してよいか分からなければ止まってしまいます。

普段の更新も、会社概要、営業日、お知らせ、採用情報などに分けます。自分たちでできる変更と、制作会社へ依頼する変更があれば、その境目を聞いておきます。前任者が毎回どこまで判断していたのかが、引き継ぎの出発点です。

担当者に頼ってきたことを責める必要はありません。現場を知る人が、忙しい中で調整してきたのだと思います。その人の頭の中にある判断を、次の人が使える形へ少しずつ移していきます。

■ 2.ホームページを、五つに分けて確かめる


確認するものは、契約と支払、ドメイン、サーバー、CMS、原稿や素材の五つに分けると整理しやすくなります。用語を全部覚えるより、それぞれの窓口を一枚に並べるところから始めて構いません。

契約と支払は、どの会社と何を契約し、誰の名義で、いつ更新するか。ドメインは、HPのアドレスに使う名前をどこで管理し、手続きを誰へ相談するか。サーバーは、公開するデータの置き場所を含む契約について、どこまでを誰が担当するかです。

CMSは、文章や画像を更新する管理画面です。誰が入れて、どのページを変更できるかを確かめます。原稿や素材は、元の文章・写真・ロゴなどがどこにあり、どの範囲で使えるものとして受け取ったかを確認します。

全部が同じ制作会社にまとまっている場合も、一部を自社で契約している場合もあります。実際の書類や連絡先を見て、分かっていることと未確認のことを分けます。社内で確認する担当も添えておくと、分からない項目があっても、次に誰へ聞くかが見えます。

01-HPの契約と管理を五つに分ける.png
説明図:契約・支払、ドメイン、サーバー、CMS、原稿・素材を分けて整理します。一つのログイン情報だけで引き継ぎ全体を済ませないようにします。

■ 3.ログインできることと、決められることは違う


管理画面に入れると、ひとまず安心します。ただ、それでサーバーの契約変更も、写真の再利用も、別の制作会社への移行も、全て判断できるとは限りません。それぞれの契約内容や、会社側で確認できる範囲を確かめる必要があります。

例えばWordPressでは、ユーザーに割り当てられた権限によって、実行できる操作が異なります。公式ドキュメントでも、その仕組みが説明されています。参考:WordPress公式「Roles and Capabilities」
https://wordpress.org/documentation/article/roles-and-capabilities/

画面に入れることと、その中で必要な更新ができることも別です。次の担当者が自分に認められた権限で作業できるかを、実際の画面で確かめます。足りない場合は、権限を持つ社内担当者や契約先へ正規の手続きを相談します。

退職者の個人アカウントへ入ったり、パスワードをメールへまとめて転送したりする形には寄せません。引き継ぎ表には秘密情報そのものを置かず、管理する担当、会社で認めた保管方法、困ったときの連絡先を記録します。

■ 4.操作手順には、判断と戻し方も残す


手順書があっても、「このボタンを押す」とだけ書かれていると、いつ押してよいか分からないことがあります。原稿が未承認のままなのか、画像を差し替えてよいのか。次の担当者が迷うのは、操作より判断の部分かもしれません。

一つの更新について、使う原稿と画像、確認する人、公開してよい条件、公開後に見る場所を残します。毎回書類を増やすのではなく、実際の更新に必要な順番を短くまとめます。

変更を間違えたときの連絡先も大切です。どこまで自分で戻せるか、復旧を誰に頼むか、保存してあるデータを誰が管理しているかを確かめます。復旧の手順が未確認なら、できるつもりで書かず、確認が必要な項目として残しておきます。

外部の制作会社が担当する部分は、依頼方法と依頼時に必要な情報を聞きます。「以前の担当者なら分かる」というやり取りから、ページの場所、変更前後の文章、希望する時期を伝えれば相談できる状態へ整えます。

■ 5.今のHPを続けるか、変えるかを分けて選ぶ


選択肢は大きく三つあります。今のHPを引き継ぐ、必要な部分を整える、全体を作り直す。退職が決まったことだけで、全面刷新に決めなくても大丈夫です。

内容が今の事業に合い、次の担当者でも更新できるなら、今のHPを続ける方法があります。権限、資料、手順、相談窓口を整えることに時間を使います。継続する場合も、契約や素材の確認は必要です。

お知らせの更新だけが難しい、会社概要の修正に毎回時間がかかる、といった場合は、その部分を整える方法があります。変更する場所と、既存の仕組みに関係する範囲を確認してから、必要な作業を決めます。

内容や構造も事業と合わなくなっているなら、全体の作り直しを検討します。その場合も、元のURL、写真、原稿、メールや契約との関係を先に整理します。作り直した後も担当者が一人で全てを抱えるなら、同じ困りごとが残ります。今回どこまで変えるかと、次に誰が続けるかを一緒に考えます。

02-HP引き継ぎと部分整理と全面刷新.png
説明図:引き継ぎ、部分整理、全面刷新を、向く状況と作業範囲で比べます。担当者の退職だけで変更範囲を決めないようにします。

■ 6.退職前は、期限と窓口から優先する


退職まで時間が少ないときは、見栄えの改善より、先に確認が必要な期限と窓口を押さえます。契約の更新はいつか、請求や大切な通知は誰に届くか、前任者が不在になった後にどこへ相談するか。まずここを確かめます。

次に、会社側で必要な管理を続けられるかを確認します。前任者にしか届かない連絡や、本人しか説明できない契約があれば、契約先へ何を確認するかを整理します。名義や担当の変更は、権限のある人と契約先の正規の手続きで進めます。

その後に、原稿や素材の場所、制作会社との分担、普段の更新手順を残します。会社のメールが同じ契約に関係しているかなど、HPの外へ影響しそうな点も、思い込みで触らず確認します。

最後に、次の担当者が一度動かしてみます。未確認の項目には、確認する人と期限を添えます。退職後に残す連絡先と、前任者のアクセスの扱いも社内で決めておきます。全部の資料を完璧に揃えるより、誰が何を確かめるかが曖昧なまま残らないことを優先します。

03-HP担当者の退職前に確かめる順番.png
説明図:窓口と期限、会社側の権限、元資料と分担、更新の試行、今後の変更という順で確かめる例です。

■ 7.一ページの更新を、次の担当者がやってみる


引き継ぎの最後に、一ページだけ更新のリハーサルをしてみてください。練習に使う内容は、社内で確認できる小さな変更を選びます。実際に公開できる変更がなければ、下書きや確認できる範囲までで構いません。

操作するのは次の担当者です。前任者には、横で見守ってもらいます。前任者がさっと操作して完成した画面を見ることと、自分で場所を探して進められることには差があります。

原稿を受け取り、編集するページを開き、文章や画像を直し、表示を確認する。公開が必要なら承認を受け、公開後のページを見る。この流れを一度通します。分からなかったところだけ、手順書へ書き足します。

途中で、確認を頼む人、元に戻す方法、困ったときの連絡先も確かめます。スマートフォンでの表示やリンクなど、いつも前任者が気にしていた点を聞ける機会にもなります。

ここで大切なのは、間違えずに終えることより、どこで助けが必要かを退職前に見つけることです。一つの更新が通れば、その手順をほかのよくある更新へ広げやすくなります。

04-HP一ページ更新の引き継ぎリハーサル.png
説明図:次の担当者が編集し、表示確認、承認、公開後の確認まで試します。公開できない場合は下書きまで。連絡先と戻し方も確かめます。

■ 8.費用を聞く前に、依頼する作業を分ける


引き継ぎの整理と、HPの作り直しでは、依頼する仕事が違います。契約や担当の確認、資料整理、更新手順の作成、権限の確認、ページ改修、移行を分けて、どこまでを頼みたいか伝えます。

例えば説明用の仮定として、前任者と次の担当者が、30分の確認を4回行うとします。会議の時間は30分×4回=120分、2時間です。二人が参加するので、参加者全体の担当時間は120分×2人=240分、4時間になります。資料を探す時間や契約先とのやり取りは、別に見込む必要があります。

これは実際の支援時間や費用を示すものではありません。二人の予定が必要な仕事だと分かるように、仮の時間で考えた例です。退職直前にまとめて時間を取るより、未確認の項目を早めに見つける方が相談しやすくなります。

制作会社へは、今ある契約と資料、更新したいページ、退職までの期間、会社側の担当を伝えます。未確認の項目は未確認のまま知らせて構いません。一式の価格だけを先に比べず、調査と引き継ぎに含める範囲を合わせてから見積りを取ります。

■ 9.明日、最後の更新を一件たどってみる


明日は、最近行った更新を一件だけ選んでみてください。原稿は誰が作り、誰が確認し、誰が操作したでしょうか。次に同じ更新が来たら、前任者がいなくても進められるでしょうか。

合わせて、契約先と更新時期、大切な通知の届く先、困ったときの連絡先を一枚に書きます。パスワードや認証コードは載せず、社内で認めた管理方法を確かめます。

明日の確認用チェックリスト
□ 最後の更新について、原稿・承認・操作・公開確認の担当を説明できる
□ 契約先、更新時期、通知の届く先を確認できた
□ 次の担当者が自分に認められた権限で作業できる
□ 元資料、戻し方、困ったときの窓口が分かる
□ 未確認の項目に、確認する人と期限が付いている

分からないものが見つかることは、引き継ぎを始められたということです。一人で答えを出そうとせず、会社側で判断する人と、契約先へ確認する項目を分けて、退職前の予定へ入れていきましょう。

担当者が交代しても、会社の案内は続きます。誰か一人が頑張れば更新できる状態から、必要な人が判断し、必要な場所へ相談できる状態へ。今のHPを続ける場合にも、作り直す場合にも、その整理が次の担当者を助けてくれます。

石井DXスタジオでは、事業の目的に合わせたホームページ制作をご相談いただけます。担当者の交代をきっかけに見直したい方も、まずは今のHPと、次に誰がどの更新を続けたいかをお聞かせください。分かっている範囲から、確認が必要なことと制作の範囲を一緒に整理します。


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