タロットの「愚者」は、なぜ「0」なの?

タロットの「愚者」は、なぜ「0」なの?

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占い
1番の「魔術師」、2番の「女教皇」……。

ウェイト版の大アルカナには、それぞれ番号がついています。ところが、「THE FOOL(愚者)」は「0」。

どうして、このカードだけ1から始まる数字の列から外れているのでしょうか。

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■ もともとは、番号がなかった?


実は、愚者はどのデッキでも「0」とは限りません。伝統的なマルセイユ版の「LE MAT(愚者)」には、通常、番号がありません。

タロットは、もともとゲームに使われていたカード。愚者は、数字で強さの順位を示すほかの切り札とは異なる、特別な役割を持っていました。

つまり、「0のカードが最初からあった」というより、番号のない愚者の伝統があり、ウェイト版などでは「0」が与えられているのです。

[図:マルセイユ版とウェイト版の、番号欄を比較]

■ 「0」から、何を読み取る?

では、この0をどう受け止めればよいのでしょう。

一つの読み方は、「まだ何者にもなっていない状態」。1になる前の0に、これから始まる可能性を重ねる見方です。

ただし、これは象徴の解釈。歴史上、番号がなかった理由と、そのまま同じ話ではありません。

ウェイトは、愚者を「経験を求める精神」として説明しています。

絵を見ると、若者は小さな荷物を肩にかけ、崖の縁で顔を上げています。そばには犬。足元よりも、遠くの空に気持ちが向いているようです。

その姿は、自由でしょうか。無防備でしょうか。

まだ経験していないからこそ踏み出せる軽やかさと、先を知らない危うさ。その両方が、一枚の中にあるように感じます。

「0だから、何もない」と見るか。
「0だから、これから何かが始まる」と見るか。

数字を確かめてから、もう一度、若者の表情と足元を眺めてみてください。「始まり」という言葉にも、少し違う奥行きが見えてくるかもしれません。

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