満月に近づく夜は、カードを清めます。今夜開いた一枚にも、欠けかけた月が描かれていました。こんばんは、月詠ソラです。今夜は聖杯のスート6枚目、「聖杯の8」です。35弾「聖杯の2」・39弾「聖杯の9」・40弾「聖杯の10」・45弾「聖杯の4」・51弾「聖杯の6」に続く1枚になります。
もしあなたが、
・「聖杯の8=見切りをつけて去っていく、冷めきった別れの確定」と聞いて、覚悟を決めなければと身構えている
・最近あの人からの連絡が静かに減っていて、はっきりした理由も分からないまま距離だけを感じている
・別れ話をされたわけでも、何か悪いことを言われたわけでもないのに、心のどこかがもう離れてしまった気がしている
・このまま黙って見ているしかないのか、それとも何か変わる余地がまだ残っているのか、答えが欲しくてこのページを開いた
このどれかに心当たりがあるなら、今夜はこの絵柄を、一つずつ確かめていきます。
■「聖杯の8」は恋愛占いで「見切りをつけて去っていく・冷めきった終わり」と誤解されやすいカードです
タロットの「聖杯の8」は、赤い外套をまとった人物が、杖を手に夜の山道を奥へと歩いていく絵柄です。手前には黄金の杯が8つ、川べりにきちんと積まれたまま残されています。頭上には、欠けたように見える月が浮かんでいます。積み上げたものに背を向けて歩き去る後ろ姿と、欠けた月の組み合わせから、恋愛占いでは「これが出たら見切りをつけて去っていく」「気持ちが冷めきって、二度と戻らない別れのサイン」と、完全な決別を言い渡すカードとして読まれがちです。けれど積まれた杯を一つずつ数えていくと、そこには見過ごせない手がかりが残っています。
■「聖杯の8」が伝えているのは、完全な決別でも、冷めきった終わりでもありません
よく見ると、8つの杯はどれも倒れても割れてもおらず、きちんと積まれた形のまま残されています。すべてを投げ捨てて背を向けているのではなく、築いてきたものはそのまま置いていく形になっているのです。歩いていくこの人物も、勢いよく振り返らずに駆け出しているわけではなく、杖を頼りに一歩ずつ進む、静かな足取りです。羽織っている外套が赤いことにも意味があります。冷えきった心を示す色ではなく、去っていく本人がまだ温度を抱えたまま歩いていることを表しています。よく見ると3列に並ぶはずの杯のうち、1つ分の場所だけが空いたままになっていることにも気づきます。すでにある8つに満足できずに全部を投げ出したのではなく、まだ足りていない何かを探しに、自分の意志で少し離れた場所へ向かっている、という読み方の方が、この絵にはしっくりきます。51弾「聖杯の6」でも人が立ち去っていく姿を扱いましたが、あちらは杯を差し出す二人という主役の背後で、脇役がそっと退場していく構図でした。今回の「聖杯の8」では、杯を積み上げてきた張本人そのものが、自分の足で歩き出しています。連絡が静かに減っていくあの人にも、これと近い構図が視えることがあります。それは冷めて見切りをつけたというより、いま積み上げただけでは満たしきれない何かを、少し離れた場所で探している最中、ということが少なくありません。
■ 聖杯の8が示す、二つの色
聖杯の8を鑑定していると、次の2色が重なって視えることがよくあります(どちらか一方だけのこともあります)。
燠色(おきいろ)が、去っていく背中ににじんでいるとき
くすんだ、深みのある朱色です。洗朱の「誰に見られていようといまいと変わらず続いている、手元の熱そのもの」とは違って、燠色は持続している熱ではありません。外へ向けて示すのをやめて、いま内側に抱えたまま静かに運ばれていく熱を表す色です。
藍白(あいじろ)が、積まれた杯の輪郭に差しているとき
月明かりに近い、ごく淡い青みがかった白です。常磐色の「まだ受け取られていないだけで、差し出されたもの自体は消えていない」とは違って、藍白は差し出されている途中のものではありません。すでに積み終えて静止している形そのものが、ただそこに置かれている状態を表す色です。
■ 実際の鑑定で視てきたパターン
聖杯の8のご相談では、こんな声を聞くことがあります。「理由を聞いても『別に、何かあったわけじゃないよ』としか返ってこないのに、前より確実に連絡の頻度が減っている」。そう打ち明けてくださる方は、少なくありません。聖杯の4のように、まだ手元のものから視線が向き直っていないだけの没頭とも、聖杯の6のように、脇役が過去として退場していく構図とも違って、聖杯の8では、積み上げてきた張本人自身が、自分の足ではっきりと別の場所へ向かって歩き出しています。ただ、その歩みは杯を壊して逃げ出す動きではなく、杖を頼りにした一歩ずつの移動として視えることが多く、去っていくことと、それまでの関係をなかったことにすることは、必ずしも同じ意味ではないようです。
■ 今夜のあなたへ
「聖杯の8」は、気持ちが冷めきって二度と戻らないと言い切るカードではありません。ただ、静かに距離を置こうとしているその足取りも、目の前にあるものを壊して立ち去っているわけではなさそうです。積まれたままの杯が崩れていないという事実だけは、いまのところ確かにそこにあります。この先そこへ戻ってくるのか、もっと遠くまで進んでいくのか、それはこの一枚だけでは分かりません。それでも何もかも終わったと急いで決めつけるより、まだそこに残っているものへ、そっと目を向けておくくらいの心の置きどころで、今夜は十分だと思います。
聖杯のスートも6枚目まで来ました。次に開いてみたいのは、しばらく間が空いている金貨のスートに戻って、「金貨の6」です。
まだ崩れていないものを、自分の手でも確かめてみたい方には、コンテンツマーケットに置いている入門記事に手順をまとめてあります。
聖杯の8では、杯の並びに一つ分だけ、まだ埋まっていない場所が残っていました。連絡が静かに減っていくときも、その理由がはっきりとした形では見えてこないことがあると思います。それがいまどんな時期に差し掛かっているのか、一人で見極めるのは難しいこともあります。鑑定メニュー「既読が止まる理由と、彼の心が動く時期を視ます」では、1,500字ほどの鑑定書にして24時間以内にお届けしています。8月31日までは先着2名様限定のモニター価格500円で受けられ、9月1日からは通常価格3,000円に戻ります。
欠けかけた月が、また少しずつ満ちていきますように。
月詠ソラ