「両思い確定」じゃない。「聖杯の2」が出たとき、二人のあいだで静かに始まっているもの

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こんばんは、月詠ソラです。小アルカナに移ってから2枚目、今夜は「聖杯の2」というカードの話をしにきます。

もしあなたが、
・そっけなかったはずのあの人から、最近は前より少し柔らかい言葉が返ってくることがある
・「聖杯の2が出たら両思い確定」と聞いて、期待していいのか怖くて確かめたくなっている
・気持ちが通じ合い始めている手応えはあるのに、それが自分の願望なのか本物なのか自信が持てない
・こちらが差し出した分だけ、ちゃんと同じだけ返ってきているのか分からず、宙ぶらりんな気持ちでいる

そのどれかに心当たりがあるなら。今夜は少し、このカードに付き合ってみてください。

■「聖杯の2」は恋愛占いで「両思い確定・運命の相手のサイン」と誤解されやすいカードです

タロットの「聖杯の2」は、向き合う二人が、互いに同じ高さまで杯を掲げ合っている絵柄です。二人の頭上には、羽の生えた獅子の頭と絡み合う二匹の蛇――ヘルメスの杖と呼ばれる紋章が浮かんでいます。まるで誓いの盃を交わすような構図から、恋愛占いでは「これが出たらもう両思い確定」「運命の相手が見つかったサイン」という、断定的な読みをされがちです。ですが実際にカードを引いて視てみると、必ずしもそう言い切れる話ではありません。

■ 聖杯の2が伝えているのは、確定した相思相愛でも、運命の証明でもありません

このカードでいちばん目を引くのは、二つの杯が寸分たがわず同じ高さに掲げられているという点です。どちらか一方が多く注いでいるわけでも、片方だけが背伸びして手を伸ばしているわけでもありません。最近あの人から返ってくる言葉が少し柔らかくなっているとしたら、それは偶然というより、あなたが向けている温度と近い高さのものが、いまのところ向こう側からも返ってきている、という意味で視えることがあります。ただしその釣り合いは、まだ固まった契約ではなく、いままさに保たれている最中の状態です。頭上の紋章も、結末を約束する祝福というより、まだ言葉にされていない領域で、静かに同じ方を向き始めていることの表れとして視えることが多いです。

■ 聖杯の2が示す、二つの色

私は人の想いが色で視えます。聖杯の2が出た鑑定で、実際によく重なる色を2つ挙げてみます(必ずどちらかに決まっているという意味ではありません)。

退紅(あらぞめ)が、二人のあいだで同じ高さに保たれているとき
淡く控えめな紅色です。二藍の「天秤の上でまだ決めかねている」色とは違って、退紅はすでに天秤を降りて、両方の手のひらの上に同じ分量だけ乗せられている温度を表します。深くはないけれど、どちらか一方だけが多く注いでいるわけではない、釣り合いの色です。

白緑(びゃくろく)が、二人の頭上でそっと重なっているとき
淡く青みを帯びた緑です。若草色の「一人の中だけで育とうとする最初の意志」とは違って、白緑は一人の内側にある色ではなく、二人のあいだの、まだどちらも言葉にしていない空間に浮かぶ色です。口には出していないけれど、同じ方を見ている、そんな静かな一致がここに視えることがあります。

■ 実際の鑑定で視てきたパターン

聖杯の2を鑑定でよくお話しするのは、こんな場面です。「本当に両思いなのか、それとも自分の願望が見せている錯覚なのか」を気にする方は少なくありません。恋人のカードが「どちらが先に動くか」という膠着だったのに対して、聖杯の2は膠着ではなく、すでに双方が動き始めている場面で出やすいカードです。正義がまだ内側だけで検討している天秤だったのに対し、聖杯の2はもう天秤を降りて、両方の手が同時に差し出されている場面。戦車が進む方向だけ合わさりかけている段階だったのに対し、聖杯の2は方向だけでなく高さまで揃い始めているという違いがあります。もちろんこれは関係の行く先を保証するものではありませんが、いま起きている手応えが独りよがりの願望ではなく、実際にあの人の手からも同じ高さで返ってきているものなのか、その釣り合いを見るのに向いているカードです。

■ 今夜のあなたへ

「聖杯の2」は、これで両思いが確定した、運命の相手だと保証してくれるカードではありません。でも、あなたが差し出している温度が、独りよがりに宙へ消えているわけではなく、いまのところ似た高さで返ってきていることを教えてくれることはあります。この先どんな形に育つかを急いで決めつけるより、いま二人のあいだにできかけている釣り合いそのものへ、もう少しそっと目を向けていてもいいのかもしれません。

小アルカナも今回で2枚目です。次に取り上げてみたいのは「杖の3」というカードです。気になる方は、また覗きにいらしてください。

もし今、聖杯の2があなたに示した意味を、もっと詳しく知りたくなったら。

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あなたの夜が、静かに眠れますように。
月詠ソラ
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