金融庁 出身 伊藤公祐 と申します。
金融業界に長く関わっていると、「勢いのある会社」と「長く続く会社」は
必ずしも一致しないと感じることがあります。
もちろん売上を伸ばすことは重要です。新規顧客を獲得し、事業を拡大し
市場で存在感を高めていく。その挑戦自体は非常に価値があります。
ただその一方で、私は「キャッシュの流れ」をとても重視しています。
なぜなら、事業は利益だけでは続かないからです。
金融庁時代そして現在のコンサルティング業務の中でも、多くの企業を
見てきました。その中で印象的だったのは、安定している会社ほど
お金の流れが“静か”だということです。
派手な資金調達のニュースや急激な拡大戦略がなくても
日々の入出金が整っていて、無理のない資金繰りができている。
取引先との支払いサイトも整理され、無駄な固定費が少ない。
そういう会社は、表面上は地味に見えても、実は非常に強い。
逆に売上が伸びていても、キャッシュが常に苦しい会社は少なくありません。入金より先に支払いが発生し、資金繰りに追われる状態になると
本来考えるべき経営判断まで短期視点になってしまいます。
結果として営業も採用もサービス品質も、どこか無理が出てくる。
私は現在営業支援や事業支援を行う際にも
「この事業は、健全に回り続ける構造になっているか」を
見るようにしています。
特に中小企業やスタートアップでは、“売る力”だけでなく
“残す力”も非常に重要です。
いい商売というのは、派手な数字だけでは測れません。
取引先と無理のない関係を築き、適切な粗利を確保し
資金が自然に循環している状態。
その積み重ねが長く続く事業を作っていくのだと思います。
金融の知見というと難しく聞こえるかもしれませんが、本質はシンプルです。
「無理なく続けられる状態を作れているか」
今の仕事ではその視点を何より大切にしています。