こんにちは!石田大顕です。
川辺を歩いているときに、ふと足元の水面を覗き込むと、何年もの歳月をかけて丸みを帯びた小石たちが、清らかな流れの中で静かに身を寄せ合っている姿に出会います。
角が取れて滑らかになったその石たちは、かつてはどこかの険しい山の上にあったはずの荒々しい岩の一部でした。
それが長い年月をかけて水流にもまれ、周囲の環境と対話を繰り返すうちに、今の美しい形へと変化していったのです。
私たちは日々の生活の中で、自分の意見やスタイルを強く主張しようとするあまり、どうしても心の角を尖らせてしまいがちです。
しかし、本当に周囲に馴染み、人々の心に自然に溶け込むような表現やカタチというものは、案外そうした日々の流れの中で余分なものが削ぎ落とされた先に見えてくるものなのかもしれません。
デザインという仕事も、まさにこの川の流れと小石の関係に似ているところがあります。
依頼してくれた人が抱えている複雑な想いや、事業が直面している課題の数々は、最初は誰もがどう扱っていいか戸惑うような鋭いトゲを持っていることが多いものです。
私たちはその生硬な素材と真摯に向き合い、言葉の裏側にある本質を丁寧にすくい上げながら、誰にとっても心地よく響く形へと翻訳していきます。
表面的な装飾をただ付け加えるのではなく、本質的ではない部分をそぎ落とし、本当に伝えるべき核心だけを残していく。
そうして磨き上げられたデザインこそが、見る人の心にスッと染み入り、長く愛される存在になっていくのだと実感しています。
世の中のスピードがどれほど速くなろうとも、自分の内側にある感覚を大切にしながら、目の前の課題とじっくりと対話する時間を忘れたくないものです。
急ぎすぎて大切な何かを見落としてしまうよりは、せせらぎの音に耳を傾けるように、立ち止まって物事を根本から見つめ直す余裕を持っていたいと思います。
今日という一日の中で、あなたの心にある小石は、どんな川の流れに洗われているでしょうか。
たまには自分の足元を流れる時間や感情に意識を向けて、その手触りを確かめてみるのも悪くないかもしれません。