家や外構を考える時、土留めをどうするかはかなり大きな問題になる。
土地を安く買っても、土留めが高額になることがある。
平らな土地は使いやすい。
だが、擁壁で囲み、平地にすることを当たり前にして欲しくない。
崖のままにしておくと崖から離して家を建てなくてはいけない。
だが、崖から離れているという安心感がある。
擁壁を建てて家を建てる。
擁壁の寿命は長いが、いつまでも安全なわけではない。
擁壁をやり直すことは、かなり大変だ。
崩れる心配のない斜面なら、斜面のまま使った方が良いと思う。
1.土留めの主なやり方と高さの目安
①自然石・割栗石積み:約 0.4 m 〜 0.8 m 程度 (安価。和風・ナチュラルな庭に人気)
②コンクリートブロック積み:約 1.0 m 〜 1.2 m 以下 (最も一般的)
③型枠ブロック(間知ブロックなど):2.0 m 程度まで
④RC(鉄筋コンクリート)L型擁壁:2.0 m 超〜
2. 自然石・割栗石積みの奥行きと注意
①奥行き(ベースの厚み)の目安
・奥行きは、「積む高さの 1/2 〜 2/3 程度」必要
・例:高さ 60 cm の土留めを作る場合、底面の奥行きは約 30 cm 〜 40 cm以上
②水抜きと裏込め(水平方向の構造)
・石と背面の土の間に「裏込め栗石」や砕石をしっかり詰め、水平方向に一体化させる必要がある。
・一定間隔で水抜きパイプを設けるか、隙間から水が抜ける構造にすることが不可欠。
3. コンクリートブロックを「階段状」にする場合の工夫とコストの比較
①圧迫感を和らげながら立体的な植栽スペースを作ることができる。
②型枠ブロック(高さ2.0m)と、コンクリートブロック(高さ1.0m)を組み合わせて階段状(ひな壇状)に2つ作った場合では「コンクリートブロック1mを2段(階段状に)並べたもの」のほうが安く済む。
③上段の底面から下段の背面へ向かって、「高低差の 1 倍〜1.5 倍以上の水平距離」を空けるのが構造上安全とされている。
・例:高さ60 cm の段差をつける場合、水平方向の離れは約 60 cm 〜 90 cm 以上
4.寒冷地での注意点
①「凍上(とうじょう)」への対策
・地面に含まれる水分が凍って膨らむ「凍上」という現象が起き、
土留めが崩壊を引き起こす原因になる。
・地面が凍結する深さ(凍上深度)よりも深いところまで基礎のコンクリートを、しっかりと打ち込む必要がある。
②凍結による破損(凍害)
・吸水率の高い自然石や劣化しているコンクリートブロックを使うと、染み込んだ水分が凍結・融解を繰り返すことで、石やブロック自体がボロボロに砕ける「凍害」を起こすことがある。
・寒冷地では吸水率の低い硬質な石や、寒冷地仕様の資材を選ぶ配慮が求められる。
5.家と崖の距離
擁壁や深基礎・杭打ちを施工しない場合、崖(傾斜角度が30度・高さが2m以上)から決められた距離を離さないと家は建てられない。
①崖の下に家を建てる場合
・崖の上端から、崖の高さの「2倍(または1.5倍〜2倍)」以上の水平距離を離す。
・例:崖の高さが3mの場合、崖の上端から6mほど
②崖の上に家を建てる場合
・崖の下端から、崖の高さの「2倍(または1.5倍〜2倍)」以上の水平距離を離す。
・例:崖の高さが4mの場合、崖の下端から6m〜8m以上
6.最後に
高低差が1.0mを超える場合は、自治体の建築基準条例を確かめ、専門業者(外構・土木業者)の構造チェックを受けておくこと。
昔ながらの石垣は、法律上つくること自体は可能だが、そのままの仕様では新しい建築基準法や安全基準を満たせなくなるケースが非常に多く、実質的に新設が困難だという。
構造計算の数値化が難しいため、そのままでは確認申請が通らないケースがほとんどだなんて、寂しいな。
奥行き5m、高さ2.5m崖の下の庭を描いてみた。
芝の部分も少し傾斜をつけてある。
①2.5mのRC(鉄筋コンクリート)L型擁壁
②1.8mの型枠ブロックとコンクリートブロック2段
③0.8mのコンクリートブロック3段
③は、階段が大変そうだ。
私は、②が一番好きだ。