こんなフレーズ、見たことありませんか?
そんなノウハウを買い、教材に書かれた手順どおりにChatGPTを使ってコンテンツを量産する。
・週に5本以上の記事を公開する
・毎日欠かさず原稿を作る
・売れなければ価格を下げる
それでも、1つも売れない。
私は、そんな人を何人も見てきました。
本人は決してサボっているわけではありません。むしろ、かなり行動しています。教材を読み込み、プロンプトも忠実に再現し、AIが出した文章を何度も整えています。
それなのに、なぜ売れないのでしょうか。
文章の質が低いからでしょうか。ChatGPTの性能が足りないのでしょうか。それとも、もっと高度なプロンプトが必要なのでしょうか。
私は、どれも本質的な原因ではないと考えています。
同じ教材からは、同じような記事しか生まれません
たとえば、「Brainで月5万円稼ぐ方法」という教材を3,000人が購入したとします。
その教材には、売れる記事の構成、タイトルの付け方、文章を作るプロンプト、販売ページのテンプレートなどが載っています。
購入者全員が、その手順を忠実に実践したらどうなるでしょうか。
3,000人が同じ型を使い、同じ例文を参考にし、同じ言葉をAIに渡すことになります。
もちろん、一字一句まったく同じ文章になるわけではありません。しかし、構成も切り口も言葉づかいも、驚くほど似たコンテンツが並びます。
「初心者でもできます」
「たった3ステップです」
「知らないと損します」
「誰でも月5万円を目指せます」
このような、どこかで見た表現ばかりになってしまいます。読者から見れば、「また同じような話か」と思われて終わりです。
プロンプトは指示であって、素材ではない
多くの人は、よいプロンプトさえあれば、よいコンテンツができると考えています。
しかし、プロンプトはあくまで「指示」です。
料理にたとえるなら、プロンプトはレシピです。どれだけ優れたレシピでも、全員が同じ食材を使えば、完成する料理も似たものになります。
教材に載っているプロンプトの中身を確認すると、次のようなものが多く含まれています。
・教材の見出し
・教材に載っている例文
・教材で使われている言葉づかい
・想定読者の一般的な悩み
・よくある成功パターン
ここに、あなた自身の経験やデータが入っていなければ、あなたらしさが反映されないのは当然です。
AIは、渡されていない経験を勝手に掘り起こすことはできません。
それでも多くの人は、教材に載っていた例文をそのままAIに渡し、
「もっと具体的にしてください」
「初心者にも分かりやすくしてください」
「魅力的な文章にしてください」
と指示します。
文章の見た目は整います。読みやすくもなります。しかし、材料が同じなら、出てくる原稿も同じようなものになります。
私が記事を確認するとき、最初に見るのは文章力ではありません。
そこを確認します。
名前を隠しただけで、誰の記事なのか分からなくなるのであれば、その文章はAIを使う以前に、素材の段階で差別化できていません。
AIに渡す素材を、自分の中からつくる
それでは、AIには何を渡せばよいのでしょうか。
私が素材を集めるときは、次の3種類に分けています。
1.自分が実際にやって失敗した方法
成功談よりも先に、失敗した経験を集めます。
たとえば、次のような経験です。
「毎日投稿すれば売れると思い、30日間連続で記事を出しましたが、売上は0円でした」
「1000円では売れなかったので500円に下げましたが、それでも購入されませんでした」
「AIに全文を書かせていた頃は、最後まで読まれる記事がほとんどありませんでした」
このような経験は、実際に行動した人しか持っていません。
大切なのは、「失敗しました」で終わらせないことです。何を期待し、何を実行し、どのような結果になり、そこから何に気づいたのかまで書き出します。
具体的な失敗には、その人だけの状況や感情が含まれています。だからこそ、一般論にはない説得力が生まれます。
2.自分なりの判断基準
次に使うのは、自分が何かを選ぶときの判断基準です。同じ経験をしても、何を大切にするかは人によって異なります。
たとえば、記事のテーマを決めるときに、検索数の多さを優先する人もいれば、自分が実際に試したことだけを書く人もいます。短期間で売上につながる内容を選ぶ人もいれば、時間がかかっても読者との信頼につながる内容を選ぶ人もいます。
「私は、実績のない方法は紹介しません」
「数字がよくても、読者を不安にさせる表現は使いません」
「誰にでも当てはまる話より、過去の自分一人に深く届く内容を選びます」
このような判断基準には、その人の経験や価値観が表れます。
AIは一般的な選択肢を並べることはできますが、何を選び、何を捨てるかまでは決められません。自分なりの基準を素材として渡すことで、文章に一貫性が生まれます。
「何を知っているか」だけではなく、「なぜそれを選ぶのか」まで言葉にしてみてください。それだけでも、ほかの人には書けない記事へ近づいていきます。
3.自分だけが取っている数字
最後は数字です。
「たくさん書きました」ではなく、「30日で26本書きました」
「ほとんど売れませんでした」ではなく、「閲覧数は1,240でしたが、購入数は0件でした」
「修正したら反応がよくなりました」ではなく、「冒頭を実体験に変えたところ、平均読了率が18%から34%になりました」
正確な数字がすべてではありません。しかし、自分の行動から取った数字には、借り物のノウハウにはない固有性があります。
売上だけでなく、投稿数、閲覧数、保存数、問い合わせ数、作業時間、修正回数なども材料になります。
数字を記録していないのであれば、今日から取り始めればよいのです。
未来の記事を強くする素材は、今日の行動から作られます。
使う順番を変える
決して、そのようなことはありません。
教材の型は使えます。ただし、使う順番を「最初」から「最後」に移してください。
最初に教材のテンプレートを置くのではなく、まず自分の材料を並べます。
失敗した方法、実際に言われた言葉、自分が取った数字です。
そこから、「この記事で何を伝えるのか」という切り口を決めます。その後で、教材の型に当てはめてください。
この順番が重要です。
型を先に置くと、型に合わない経験が削られます。
「この失敗談はテンプレートに入らないので省きましょう」
「この数字は地味なので使わなくてもよいでしょう」
「教材の成功例と違うので、一般的な表現に直しましょう」
そうしているうちに、その人にしか書けない部分が消え、どこかで見た記事になってしまいます。
反対に、材料を先に置けば、AIはその情報を整理し、不足している部分を見つけられます。
AIは、自動的に独自性を生み出してくれる機械ではありません。あなたの経験を整理し、伝わる形に変える編集者として使うものです。
売れる記事を作りたいのであれば、プロンプトを探す前に、自分の中にある素材を探してみてください。
同じノウハウを買った人が、同じプロンプトを入力しても作れない記事を目指してください。
そこまでできて初めて、そのコンテンツは「AIが書いた文章」ではなく、「AIを使って、あなたが書いた文章」になります。