インターネットで「検索順位 上げ方」と検索窓に打ち込むと、判で押したように同じようなノウハウが並んでいるのを目にするはずです。
おおよそ、次の4つに集約されるでしょう。
① 視覚的な工夫を凝らして、読みやすい記事を作ること
② 被リンクを獲得すること
③ 検索者のニーズを満たす、良質な記事を作成すること
④ 適切にキーワードを選定すること
④のキーワード選定については、この後の章でじっくりと解剖するとして、まずは他の3つについて考えてみましょう。
確かに、導入部分で読者が離脱してしまえば滞在時間は劇的に減少し、Google AdSenseなどの広告収入を頼りにしているサイトにとっては致命傷となります。読者の悩みに寄り添う記事を作ることも、もちろん大切です。ブログを少しでもかじったことのある方なら、首がもげるほど頷くことでしょう。
また、被リンク、つまり外部のサイトから自分のサイトへ向けられた「推薦状」のようなリンクも、確かに重要な要素の一つであることに間違いはありません。
しかし、これらにはそれぞれ、ある致命的な弱点が存在します。聞こえの良い正論の裏に隠された罠について、詳しく解説していきましょう。
①と③「良質な記事の作成」に潜む罠
ユーザーの滞在時間を延ばし、記事を隅々まで読んでもらうことは、サイト内の回遊率を高め、ユーザーのニーズを満たし、結果として運営者の収益も増加させるという、まさにWin-Winの関係を築くための必須スキルです。これを否定するつもりは毛頭ありません。
しかし、この工程には、ある一つにして「最も重要なフェーズ」が欠落しています。
それは、「記事を見つけてもらう」というフェーズです。
どんなに魂を込めて素晴らしい記事を書いても、その記事を見つけてもらえなければ、それは存在しないのと同じです。
「良い記事を書けば、自然と人が集まってくるはずだ」
そんな幻想を抱いている方もいるかもしれませんが、現実は非情です。単に良質な記事を作成するだけでは、人は来ません。理由はあまりにも単純で、「誰の目にも留まる機会がないから」です。
正しい戦略に基づき、多くの人の視線が行き交う場所に適切に記事を配置し、認知され、クリックされる。
この「発見される」という工程を正しく踏んで初めて、あなたが苦労して書いた「良質な記事」に命が吹き込まれるのです。
②「被リンク獲得」という名のギャンブル
Googleで被リンクの意義について調べれば、「外部サイトからのリンクは信頼の証であり、検索順位を押し上げる強力なトリガーである」といった定義が出てくるでしょう。
確かに、権威ある公的機関やドメインパワーの強い大手サイトからリンクを貰えれば、それは強力な追い風となります。
しかし、特に個人のブログ運営において、これをSEOの主軸に据えることには致命的な弱点があります。
それは、「高いギャンブル性」と「気の遠くなるような時間」です。
まず、ギャンブル性についてです。
先述の通り、優良なサイトからのリンクはアドバンテージになります。しかし、テーマが全く無関係のサイトやリンクファーム、低品質なサイトからの被リンクは、サイトの信頼性を損なうばかりか、ペナルティという名の罰を受けるリスクすらあります。
つまり、被リンク狙いで記事を書くという行為は、高品質なサイトから評価される可能性を追う一方で、意図せず低品質なサイトからの被害を受けるリスクも背負い込む、一種の賭けなのです。
次に、時間がかかりすぎるという点です。
すでにある程度の知名度があり、アクセスも安定している強豪サイトであれば、放っておいても高品質な被リンクが集まる確率は高いでしょう。
しかし、個人でブログを開設して間もない、PVも認知度も皆無に等しいブログの場合、状況は全く異なります。
そもそも存在を知られていないのですから、被リンクを獲得するためには、まず「認知度を高める」「検索上位記事を量産して人の目に触れさせる」という工程を、ゼロから積み上げなければなりません。
通常、PVが数万単位で安定し、記事のストックも十分な量になるまでには、どんなに早くても数ヶ月から1年はかかります。
その長い下積み期間において、いつ得られるかも分からない被リンクを当てにして検索順位を上げようとするのは、あまりに無謀で、愚策と言わざるを得ないでしょう。
では、検索順位の獲得に必要な「たった一つのスキル」とは何なのか。
これまで、「良質な記事」や「被リンク」がSEOという観点から見ると、特に個人ブロガーにとっては決定打になり得ないという冷酷な現実をお話ししてきました。では、それらを凌駕し、ブログの成否を分ける要素とは一体何でしょうか。
それは、キーワード選定です。
キーワード選定という言葉を聞いて、単に「記事のタイトルに入れる単語を選ぶ作業」だと思っているのなら、その認識は今すぐ改めてください。キーワード選定とは、ブログ運営におけるマーケティングそのものです。
名著『金持ち父さん 貧乏父さん』の中に、この本質を突いた非常に有名なエピソードがあります。
著者のロバート・キヨサキ氏がある時、素晴らしい才能を持ちながらも伸び悩んでいる女性作家から「どうすればあなたのようにベストセラー作家になれるのか」と相談を受けました。キヨサキ氏は彼女に「セールス(販売)とマーケティングを学ぶこと」を勧めましたが、彼女はプライドを傷つけられたように激昂し、「私は執筆のプロ(ベスト・ライティング・オーサー)であって、セールスマンではない」と言い放って席を立ちました。
しかし、キヨサキ氏が指摘した現実は残酷なまでに真実でした。本屋のランキングは「ベスト・ライティング(最も文章が優れた本)」ではなく、「ベスト・セラー(最も売れた本)」の順位なのです。
これはブログの世界でも全く同じことが言えます。
どれほど文章が美しく、内容が濃密で、涙を誘うような「ベスト・ライティング」な記事を書いたとしても、市場である検索ユーザーのニーズを捉えたマーケティング、すなわち「キーワード選定」ができていなければ、その記事は誰の目にも触れることなく、広大なインターネットの海の底へと沈んでいきます。
逆に言えば、キーワード選定さえ適切に行われていれば、検索順位は劇的に変わり、結果としてブログの収益も桁違いに跳ね上がります。「いい記事を書いているのに読まれない」という嘆きは、単に「マーケティングをしていない」、つまり「客のいない砂漠で店を開いている」ことに他なりません。
では、具体的にどうすればいいのか。
一般的にキーワード選定というと、「特定の悩みを持つユーザーが、解決策を求めて検索窓に打ち込む言葉を予測すること」と定義されがちです。しかし、この定義はあまりにも広大すぎて、雲を掴むような話に聞こえるかもしれません。
私たちが目指すべきキーワード選定とは、そんな漠然とした予測ではありません。
膨大な言葉の海の中から、ライバルが不在で、かつ需要がある「自分が勝負できそうな隙間」を執念深く探し出す作業のことです。
この工程は、ブログを書く作業の中で最も地味で、最も時間がかかり、そして最も泥臭い作業です。しかし、こここそが勝負の分かれ目であり、最も重要なフェーズです。ここで手を抜けば、その後の執筆時間はすべて無駄になると言っても過言ではありません。
では、どのようにしてその「勝てるキーワード」を見つけ出し、確実に検索上位を狙っていくのか。その具体的な手順と探し方については、次回の記事で余すところなく解説していきます。
1/27日に公開予定ですので、楽しみに待っていただけると嬉しいです。