AIが書いた告知文、言い過ぎだけ直そう|手元の事実で言い直す練習

AIが書いた告知文、言い過ぎだけ直そう|手元の事実で言い直す練習

告知
IT・テクノロジー
AIに告知文を頼むと、明るくて、それっぽい文章がすぐ返ってきます。

そのまま投稿したくなる。でもその中に、自分では一度も確かめていない一文が混ざっていることがあります。

この記事では、架空の焼き菓子店の告知文を1枚使って、出す前に「税関」を通す練習をします。AIの下書きを、根拠が分かる一枚に整えるところまで、一緒に進めます。

※登場する店・商品・数字はすべて練習用の架空のものです。

■ 宇宙船で書いて、税関で出す

AIとの付き合い方を、2つのモードに分けて考えます。

・宇宙船モード:アイデアを広げる時間。大げさな表現も、ノリも歓迎
・税関モード:SNSや記事など、外に出す前に荷物を調べる時間

税関は宇宙船を撃ち落とす場所ではありません。外へ持ち出す言葉に、正しいラベルを貼る場所です。

今回は、この税関を告知文1枚で実際にやってみます。

■ 手順1:荷札を書く(出してよい事実)

AIに頼む前に、自分が確かめられる事実だけを書き出します。これが税関で照らし合わせる「荷札」になります。

【練習用の架空資料:焼き菓子店の荷札】
・10月1日から、秋限定「かぼちゃのパウンドケーキ」を販売
・価格は580円(税込)、1日20本限定
・かぼちゃは近くの農家さんから仕入れている
・常連さん5人に試食してもらい、4人が「また食べたい」と回答
・他店との味の比較はしていない

■ 手順2:宇宙船で下書きする

荷札をAIに渡して、楽しい告知文を頼みます。練習用に、AIが返しそうな下書きを用意しました(実際の出力記録ではありません)。

①10月1日から、秋限定「かぼちゃのパウンドケーキ」が登場します!
②近くの農家さんのかぼちゃを使って、1日20本限定、580円(税込)でお届けします。
③試食した常連さんからは「また食べたい」の声をいただきました。
④どこよりも美味しい、自慢のパウンドケーキです。
⑤きっとあなたも、ひと口で秋が好きになります。

さて、税関で止めるのはどれでしょう。

■ 手順3:税関を通す

1文ずつ、荷札と照らし合わせて4つに分けます。

・荷札と一致:荷札に書いた事実と合っている → そのまま通す
・気持ち・呼びかけ:事実の主張ではなく、店の気持ちや誘いの言葉 → 通してよい(事実に見えないか一度だけ確認)
・荷札にない:荷札にも書いていない。今回の資料では確かめられない → 確かめてから足すか、外す
・荷札より言い過ぎ:荷札の事実より強く、広く言っている → ここを直す

答え合わせです。

①②③は、荷札の内容と一致しています。

⑤は、店の気持ちを伝える呼びかけです。今回は、読む人が事実の約束として受け取りにくいと判断して残しました。ただ、「きっと」などの言葉があれば通る、という決まりではありません。呼びかけの形でも、結果を約束する内容(例:「誰でも満足します」)なら、荷札と照らして直します。

④の「どこよりも美味しい」は、荷札に「他店との味の比較はしていない」とあります。荷札より言い過ぎです。

直し方は、言い過ぎを消すだけではありません。手元にある確かな事実に置き換えます。

④(直した文)常連さん5人に試食してもらったら、4人が「また食べたい」と言ってくれました。

できあがった一枚がこちらです。③と④は内容が重なったので、一つにまとめました。

10月1日から、秋限定「かぼちゃのパウンドケーキ」が登場します!
近くの農家さんのかぼちゃを使って、1日20本限定、580円(税込)でお届けします。
常連さん5人に試食してもらったら、4人が「また食べたい」と言ってくれました。
きっとあなたも、ひと口で秋が好きになります。

「どこよりも」より具体的で、聞かれても答えられる一文になりました。

荷札に書いた事実そのものや、価格・日付の表示などは、別に確かめてから出します。

■ 気をつけたいこと

「荷札と一致」は、荷札に書いた内容と合っているという意味です。荷札そのものが正しいかは、書いた人が確かめる部分です。

「確実に」「No.1」のような強い言葉は、分かりやすい目印です。ただ、強い言葉がなくても荷札にない内容なら確認が必要ですし、強い言葉でも呼びかけなら通せることがあります。判断の基準は言葉の強さではなく、荷札と合っているかです。

■ 使える道具①:荷札と税関のシート

(以下をコピーして使えます)

【荷札】出してよい事実(自分で確かめたもの)
確かめていないこと(書かない、または「予定」「未確認」と書く)

【税関】AIの下書きを1文ずつ
番号|文|分け方|対応する荷札の行|今回確認できていない点

分け方:荷札と一致/気持ち・呼びかけ/荷札にない/荷札より言い過ぎ

【直す】
元の文:
直した文:
置き換えに使った荷札の行:

■ 使える道具②:AIに確認を手伝ってもらう「確認プロンプト」

(以下をコピーして使えます)

次の【対象文章】を、【荷札】と照らし合わせて確認してください。

【対象文章】
(ここにAIの下書きを貼る)

【荷札】
(ここに自分で確かめた事実を貼る)

手順:
1. 対象文章を1文ずつ番号付きで分けてください。
2. 各文を「荷札と一致」「気持ち・呼びかけ」「荷札にない」「荷札より言い過ぎ」のどれかに分けてください。
3. 各主張について、根拠となる荷札の該当行を示してください。
4. 荷札に書かれていることと、現実に正しいことは分けて考えてください。荷札そのものの正しさは判断しないでください。
5. 荷札がない、または該当行がない主張は「荷札と一致」にせず、確認が必要な箇所として示してください。
6. あなた自身の前の回答を、その回答の根拠にしないでください。
7. 強い言葉があるかどうかだけで判断しないでください。慎重な言い回しでも、荷札にない内容は確認が必要です。
8. 直すのは必要な文だけにしてください。荷札の事実へ置き換えられる場合は、その案を出してください。
9. 文章全体への合格・不合格の判定は不要です。

AIの確認結果にも誤りが混ざることがあります。最後に判断するのは、荷札を書いた人です。

■ 使える道具③:見せたくなったときの投稿テンプレート

AIの下書きを、出す前に税関に通してみた。

元の文:「   」
直した文:「   」
理由:荷札(手元の事実)に「   」とあったため
これは:□ 実際の文章 □ 練習用の架空の例

やり方と例題:本記事の練習用の例をご参照ください。
#出す前の税関

仕事の文章をそのまま載せる必要はありません。自分で作った例や、AIに作らせた練習用の例でも大丈夫です。

■ 荷札を書くところから整えたい人へ

SNS投稿の依頼を「目的・使ってよい事実・頼みたい作業・人が確認すること」に分けて整理し、手元のAIへ渡す依頼文を作るツール「SNSのAIしごとマップ」を、ココナラで販売しています。しごとマップで書く「使ってよい事実」が、そのままこの記事の荷札になります。

ツール本体に、AIへの自動接続やSNSへの自動投稿の機能はありません。正確性や集客・売上の効果を保証する商品ではありません。現在価格・受付状況は商品ページでご確認ください。

■ この記事で言っていないこと

・税関を通せば誤りがなくなる、とは言っていません
・例の店・商品・数字は練習用の架空のものです
・「気持ち・呼びかけ」の線引きは、業種や媒体によって変わります

ノリは全力、主張(Claim)は冷静に。
次にAIへ告知文を頼むときは、先に荷札を3行だけ書いてみてください。

制作:MORI × Claude/照合:ChatGPT
表紙は、過去に公開したMORIのAI生成表紙を参照して制作したAI生成イメージです。実際の作業を撮影した写真ではありません。
※本記事には、筆者が販売する商品の紹介を含みます。
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