どうもです!
作曲家、サウンドクリエーターのCielo Sound Works 仔猫いこです。
今回は私が普段行っている「ボーカル修正」について、簡単な手順と併せて書いてみようと思います。
◯お知らせ◯
ボーカルのピッチ修正、タイミング修正等のご依頼も受け付けております!
●はじめに●
・この内容は「ピッチ修正」および「タイミング修正」のみとし、ボーカルの「MIX」や「音作り」、「ノイズ除去」等には触れません。
・技術的、ノウハウの部分より、心構えや自分の考え方が中心になります。
・賛否あると思いますので、「こういうやり方もあるのかぁ」程度に、参考になるところが少しでもあらばと思い、記します。
・ノリと勢いで書いているので、粗文失礼いたします…。
●フローチャート●
大きく分けて、下記の工程で進めます。
後述にて一つずつ説明いたしますが、内容は「ピッチ修正のみ」や「ピッチ修正を含めたMIX依頼」等を想定しております。
自作曲やご自身の歌を修正する場合は、適宜読み替えていただければ幸いです!
素材と依頼内容の確認
対象曲の理解
BPM取りとメロディーの視覚化(データ化)
波形上での大まかなリズム修正
ピッチ修正ソフトを用いた修正
最終確認と納品
1,素材と依頼内容の確認
ご依頼をいただいたり素材を受け取ったら、下記の通り作業前に確認し、必要に応じて依頼者に確認、相談をします。
確認内容は大きく以下になります。
・素材を確認する
「録り漏れがある可能性がある」「素材の始め、終わりが不自然に切れている可能性がある」「そもそも指定の素材がない可能性がある」等々があることは稀によくあります。
少しでも疑問、懸念に感じたことは、作業前にまとめて依頼者に確認することで、事故を少なくすることができます。
・依頼内容やオーダーを確認する
また、依頼内容についても同様に、オーダーや納期を入念に確認します。
ここでも疑問点があらばまとめて確認します。
・納期を確認する
初手のやり取りから納期が変更になっていることもあります。
現実的に作業可能な日程になっているか確認し、適宜相談します。
・ファイル形式や納品方法、ファイル命名規則を確認する
ファイル形式(wavやaiff等)やピットレート、周波数レート等は不明であれば依頼者に必ず確認します。
場合によってはファイル名の命名規則(どういうファイル名にしてほしいか)がありますので、こちらも併せて聞いておくとよいと考えます。
そして最終的にどういう納品がよいかもまとめて確認しておくと安心かと考えます。
*至急等の場合、私は一旦下記で一時納品をします。
・ファイル形式:48khz / 24bit / wave形式
・ファイル名 :トラック名(Vo等)
・フォルダ名 :日付_曲名_Vo
・納品方法 :ストレージサービス
素材が問題なく揃っており、依頼内容にも疑問点がない状態で、次に進めます。
2,対象曲の理解
自作曲やご自身の歌を修正される場合は不要ですが、ご依頼の場合は対象曲をしっかり理解しておく必要があります。
特にボーカルの歌い方やメロディー(音程やピッチやリズム)に注意して聴き、目安としては「オケがなくても自分で鼻歌で歌える程度」までは聴き込みます。
「リズムが揺れている曲」などの場合は、そのリズム感(ノリ)をしっかり自分で掴んでいないと修正できず、「ピッチはあってるけどなんかかっこよくないボーカル」になります。
できれば「歌のアクセントはどこにあるのか」「音価(音の長さ)はどれくらいか」など、細かいニュアンスまで把握できると良いです。
実際にここで理解したものをそのまま修正に適応するかどうかは、オーダーや歌い手さん自身の持ち味、希望によります。
ただ、ここで感覚的にメロディーを掴めているかどうかは、クオリティーに直結すると私は考えています。
普段から「歌やメロディーに注意して曲を聴いてみる」ことを心がけると、耳が育って掴みやすくなると考えます。
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「音価(音の長さ)」は曲全体のノリやニュアンスにつながります。
タイミングをキッチリ合わせたとしても音価が微妙だと、キレの悪い間延びしたような歌になります。
これは歌唱時も同様なので、自分が意図している音価があればそれを、ないのであれば原曲の音価に合わせることを考え、「切るところはしっかり切る、伸ばすところはしっかり伸ばす」を意識すると、ぐっと曲ノリのいい歌になると考えます。
3,BPM取りとメロディーの視覚化(データ化)
楽曲の理解が進んだら、その確認と修正のガイドライン、キーの検出のために、私は必ずMIDIでメロディーラインをデータ化し、視覚的に見えるようにしています。
この場合もダダ打ちではなく、特に音価(音の長さ)はキッチリ原曲に合わせて調整します。
これをするにあたりBPMの検出が必要なので、こちらも併せて行います。
私の場合はこの段階で、マーカートラックなりで曲のセクション(Aメロ等)を打っておきます。
BPMやメロディーを取りつつ、自分が作業しやすい情報をDAW上に揃えていくターン、と考えています。
4,波形上での大まかなリズム修正
準備が整ったらいよいよ修正作業に入ります。
まずはピッチ修正ソフトに流し込む前に、波形上で合わせられる範囲でタイミングを合わせていきます。
「全体的にちょっと走ってる」みたいなことはよくあるので、そういう部分をここで修正していきます。
この場合の注意点は「無理はしない」ことです。
しっかり音の切れ目があって、動かしても不自然にならないところのみを大きく修正し、難しいところや細かいところは後の工程に任せます。
「いや、最初からソフトで直せばよくね?」というところではありますが、個人的には「できるだけソフトでの修正工程は音質的にも減らしたい」と考えているので、波形で直せるところは波形で直しています。
(まぁ読み込ませた時点で意味はないかもですが…w)
5,ピッチ修正ソフトを用いた修正
大きくタイミングを合わせたら、いよいよピッチ修正ソフトを用いて修正をします。
ここでピッチとより詳細なタイミング、必要に応じて音価の調整をします。
具体的な修正の仕方はお使いのソフト等にもよるので割愛しますが、大切にしているチェックポイントが3点あります。
・小音で確認する
これはMIXにも通づることですが、ある程度大きな音で作業していると耳が気持ちいいと錯覚しがちで、微妙なニュアンスや最適なピッチを掴めていなかったりします。
ピッチの聴こえ方も音量で違ってくると私は考えているので、大音量でも小音量でもしっかり意図した音になっていることを確認しながら作業します。
・ヘッドホン、スピーカー、どちらでも確認する
前述同様、再生環境でもピッチの聴こえ方は変わってくると考えるので、適宜切り替えて確認します。
・ボーカルソロで確認する
最終的にはオケと一緒にするので不要だと思われガチかなと思いますが、ソロで聴くことで気づく修正点は多くあります。
丁寧な作業を心がけるなら、念には念を入れてソロでもしっかり「聴かせられる」ものにしたいと考えています。
このソロで聴いた時の判断力が、上述の「楽曲理解」や「旋律理解」の深さや熟練度と直結すると考えます。
6,最終確認と納品
すべての修正が終わったら再度上述のチェックポイントに従って入念に確認し、問題ないと判断したら納品準備をします。
納品する前に必ず納品素材をDAWに読み込ませ、書き出しに不備がないかを確認します。
上述にて確認したファイル形式等にし、しっかり確認してから納品をします。
●おわりに●
お預かりする素材を大切に、とにかく手を抜かずに丁寧に処理すれば、楽曲はぐっと良くなると考えています。
ピッチ修正がご入用の方、ピッチ修正の機会がある方に少しでも糧になれば幸いです!