集中的グループ体験から学んだこと ~Tグループに参加して~

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コラム
11月下旬に3泊4日の「集中的グループ体験」の場に身を置いてきました。私が参加した「Tグループ」と呼ばれる場は、非構成的なラボラトリー方式の体験学習を4日間かけておこなうものです。グループでの出来事は守秘義務がありますので、具体的な内容は書けないのですが、私が学び取ったことをお話ししようと思います。

Tグループは少人数(6~10名程度)のグループを形成し、1回あたり75分でおこなわれるグループセッションを繰り返し、グループセッションで起こったことを都度振り返り、体験学習のサイクル(体験→意識化→思考→仮説化→試行→再体験)を実践するものです。体験を振り返り、そこから学び、新たに試みてみる、といった営みを繰り返します。

グループにおいて予め決まったテーマや手続きはありませんので、グループセッションは「無」から始まるような感じです。(グループで集まっている瞬間に、実は無ではないのですが、これは実際に体験しないと理解し難い感覚だと思います。)

時が経つにつれて、自分自身の中やグループのメンバーとの間に様々なことが起こります。私は自分自身の課題として「心を開き、グループの今ここに素直であり、言動、行動を試みること」を決めていました。しかし、なかなか思ったようには動けないもので、自分の中に様々な葛藤が生まれました。そのこと自体が「体験している」ということになります。

私が意を決して行動を起こせば、場に影響を及ぼします。それはさざ波のようにグループの中に広がり、グループの誰かの感情の起伏や行動を引き起こしました。例えば、私の発言に対してメンバーが思ったことを私に直接フィードバックしてくれる、といったようなことにつながりました。そして、翻って、メンバーの誰かの行動は私の内面に何らかの影響を及ぼしました。そのことも全て「体験」なのです。そして、そのようなひとつひとつの出来事、やりとりに対する感受性はグループセッションが進むにつれ次第に研ぎ澄まされ、思考は巡り、場に融け込んでゆくような感覚を得ながら、自らの行動の選択を繰り返してゆきました。

その過程で私自身が実感したことは、私は「今ここにおいて素直であることを試みることができる」「一方で試みることを避けている」「どちらも全て私であり、これまでの自分、これからの自分、今の自分を受け入れる」という気づきでした。

ある環境においては自分からの発信ができているのに、また別の環境ではできなくなっている。何故か?遠慮?恐れ?恥ずかしい?信じていない?迷い?無?・・・いろいろ心当たりが出てきます。苦しくもなります。そのような自分のクセのようなもの、自然と従ってしまっている枠組みのようなものに、体験学習のサイクルを通じてかかわってゆくと、新しい自分を発見する行動に向かうエネルギー、一歩踏み出す意欲が不思議と生成されてきました。

今思えば、ある場面で「試みることができる自分」でいられたのは、グループのメンバーのあたたかいまなざし、態度、かかわりがあり、それを自分が信じていたからだと思います。グループセッションの積み重ねで場に流れるエネルギーは濃密なものになっていきました。それが深まれば深まるほど、対人関係、場への貢献において自分ができること、すべきことが何かがクリアーになってゆく感覚がありました。一方で、「試みることを避けている自分」である時は、自分自身に向き合うこと、人に向き合うことに、今ここの真実を受け入れない自分がいるような感覚でした。しかし、そのような、今ここの真実を受け入れていない自分に「気づくこと」が、いかに「試みることができる自分」に変わるために必要なことであるか、それも大切な学びだと実感しました。

Tグループのグループセッションにはトレーナー(またはファシリテーター)が入ることが通常のスタイルとされていますが、今回のグループセッションはトレーナーが入らず、全員にグループのメンバーとしての公平性が担保されていたことがひとつの特徴でありました。そのような場の形成があったことも「今ここで起こること」に大きく影響していると思いました。

そのような「集中的グループ体験」を通じて、私が人にかかわる時に大事にしたいことが新たに発見され、または再認識し、自分の中に取り込まれてゆきました。これを成長と表現するには少し気恥ずかしい感じがありますが、このことを素直に捉え、今後のカウンセリングを始めとした対人支援に必ず生きることだと思っています。今回、約5年ぶりのTグループ参加でありましたが、やはり学びは大きかったと実感しました。

「集中的グループ体験」で体験することは、あくまでその時その場で起こることの体験なので、なかなか人には伝わりづらいですし、再現性が保証されるものでもないのですが、私が書くことでご関心を持っていただける方の目にとまるといいな、と考え、思い切って書いてみました。特に、対人支援・対組織支援をおこなうプロフェッショナルとして自らを位置付けるには集中的グループ体験における学びの継続は必須の素養となる、とすら私自身は考えています。ご関心がある方は、一度ぜひそのような場をキャッチアップいただき、ご自身の身を置いてみることをおすすめします。 

今回は集中的グループ体験から私が学んだことについてお話しました。私は2023年9月からライフキャリアデザインカウンセラーを名乗り、個人や世帯の職業生活設計や資産設計のお手伝いをしようと決意し、今の会社での仕事を続けながら複業をすることにしました。保持資格としては国家資格キャリアコンサルタントとAFP(日本FP協会会員)をコアスキルとして、これまでの会社生活や人生経験で学んできたことを活かして会社内や地域社会に向けた価値創造につなげようと考えています。

私は来談者の方に今回お話ししたような支援でお役に立つことを使命とするライフキャリアデザインカウンセラーでありたいと思っています。ご関心を持っていただいた方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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