国家資格キャリアコンサルタント取得の投資額を計算してみたら ~お金と時間の投資~

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今年も早12月に入り、1年を振り返る時期になりましたね。みなさまにとってどのような2023年でしたでしょうか。私は、本業に従事しつつ、国家資格キャリアコンサルタント(以下、国キャリ)やAFPを取得し、今後の複業の足掛かりを構築していった年となりました。

現状は複業体制が十分に稼働しているとは胸を張って言える状態ではないですが、直近で最も多くの投資をしたと思われる国キャリの初期投資について、私個人のケースではありますがキャリアプランにもファイナンシャルプランにも通ずる話ですので、振り返りをしてみようと思います。これから国キャリを目指す方の参考にもしていただけたら幸いです。

国キャリの試験を受けるには、一般的なコースとしてまず養成講習を修了する必要があります。私の受けた養成講習は約3カ月で、12日間計84時間のオンラインスクーリングと計69時間の在宅eラーニングをこなしました。

【養成講習の費用(某協会)】
養成講習330,000円-会員割引33,000円=297,000円
専門教育訓練給付金の適用を受けたため、実質費用89,100円 ー①
(養成講習修了時148,600円給付、資格取得時59,400円給付、審査要す)
某協会入会登録料7,000円+年会費10,000円=17,000円 ー②
①+②=106,100円 ー③

養成講習は、初心レベルのキャリアコンサルタントを育成するものであり、国キャリの試験対策を目的とした指導は許されていません。したがって、養成講習で国キャリの受験資格を獲得し、その後試験対策の勉強をスタートする流れとなります。試験対策には別に費用と時間がかかるということです。私は約3カ月、1日平均3時間の学習+講座受講で約120時間を費やしました。

【試験対策の費用】
試験対策本の購入 14,608円(下記のものを主に使用しました)ー④
・国キャリ学科テキスト
・国キャリ学科問題集
・キャリアコンサルティング理論と実際
・新版キャリアの心理学
・働く人の心理学
・国キャリ学科過去問題(公開分ダウンロード)
・2級キャリコン技能士学科過去問題(公開分ダウンロード)
試験対策講座   34,500円(合計30時間分)ー⑤
・ロープレ練習(18時間)
・論述試験対策(6時間)
・面接試験対策(6時間)④+⑤=49,108円 -⑥
※これらに加え、さらに模擬試験を受ける方もいますが私はパスしました。試験対策の内容は受験する人それぞれの任意選択となりますので、あくまでも参考です。

受験にかかる費用は以下のとおりです。

【受験料】
学科試験 8,900円 ー⑦
実技試験 29,900円 ー⑧
⑦+⑧=38,800円 ー⑨

さて、養成講習と試験対策を約半年かけてこなし、学科試験と実技(論述・面接)試験を受験し、ようやく国キャリに合格となりました。国キャリは新規登録申請をして初めて国家資格の認定がされキャリアコンサルタントを名乗れますので、ここで以下の費用がかかります。

【新規登録申請の費用】
登録免許税9,000円 ー⑩
登録手数料8,000円 ー⑪
⑩+⑪=17,000円 ー⑫

これで、国キャリ取得の初期投資額が出ました。

③+⑥+⑨+⑫=211,008円(専門教育訓練給付金適用済み)ー⑬

ただし、気を付けていただきたいのは、専門教育訓練給付金はいずれも後からの振り込みになるので、養成講習申込時の資金は全額用意が必要になります。(教育ローンを組んで支出を分散する方法もあります。)
ここまではあくまでも支出面のみを見ておりますので、加えて「時間価値」も試算してみようと思います。(東京都の1時間当たり最低賃金を適用します)

【養成講習の時間】
計153時間×1,113円=170,289円 ー⑭
【試験対策の時間】
計120時間×1,113円=133,560円 ー⑮

国キャリの初期投資に関する費用支出と時間価値の総計を下記に示します。
⑬+⑭+⑮=514,857円(専門教育訓練給付金適用済み)ー⑯

いかがでしょうか、決して安くはない投資をしていることが明らかになりました。もし同様の試算をする方がいらっしゃいましたら、時間価値については実際のご自分の時給換算を当てはめてみることをおすすめします。

ここまでを振り返ると、自分に投資することの重さについて考えさせられます。自己の支出や時間の捻出はもちろんのこと、ここに書かれていないことのひとつに「周囲の協力をいただく」という大事な要素もあるからです。私はこの投資を本業と複業という視点で付加価値を生み出すことにつなげ、回収してゆかねばならないなあ、と改めて実感しました。自分が積み上げているスキルを組み合わせ、みなさまのライフキャリアデザインのお役に立つこと。この一点です。

スキル獲得の前にこのような試算をすることがモチベーションアップにつながる方もそうでない方もいらっしゃると思いますが、今回この振り返りをしてみて、ライフキャリアデザインの相談を受ける際にこのような情報をご提供できることもひとつのお役立ちになろうかと思いました。

おまけの試算となりますが、国キャリは5年ごとの資格更新に更新講習を受講する条件がありますので、「スキル維持のための投資」として以下に示します。

【更新講習(某協会)】
・知識講習(8時間)12,000円 ー⑰
・技能講習(30時間)1回6時間16,000円×5回=80,000円 ー⑱
【更新講習の時間価値】
計38時間×1,113円=42,294円 -⑲

初回更新までの費用支出+時間価値の総計
⑰+⑱+⑲=134,294円 ー⑳

国キャリの取得と初回更新までの費用支出+時間価値の総計(専門教育訓練給付金適用済み)  
⑯+⑳=649,151円

ちなみに、国キャリの5年の更新期間内にさらなるスキルアップで2級キャリアコンサルティング技能士(熟練レベル)の試験に合格の場合は更新講習が免除されますので、そちらの道を歩む方もいらっしゃいます。その際は改めてそのための投資について把握することをおすすめします。

他にも、自己研鑽のための書籍購入や各種講座への参加、スーパーバイズを受ける際の費用など、試算に入っていないものが様々ありますが、付加価値の高い提案の実現のためにスキルを活かし、維持発展させるべく必要かつ出来る投資を続けてゆこうと私自身は考えております。

今回は国キャリ取得の投資額についてお話しました。私は2023年9月からライフキャリアデザインカウンセラーを名乗り、個人や世帯の職業生活設計や資産設計のお手伝いをしようと決意し、今の会社での仕事を続けながら複業をすることにしました。保持資格としては国家資格キャリアコンサルタントとAFP(日本FP協会会員)をコアスキルとして、これまでの会社生活や人生経験で学んできたことを活かして会社内や地域社会に向けた価値創造につなげようと考えています。

私は来談者の方に今回お話ししたような支援でお役に立つことを使命とするライフキャリアデザインカウンセラーでありたいと思っています。ご関心を持っていただいた方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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