彼と最後にお話しされたのは、ちょうど一年前のことだったそうです。
その日のことは、今でも鮮明に覚えていると、
ご相談者様は静かに語ってくださいました。
夕方の空は少し曇っていて、風が冷たく、
彼はどこか遠くを見るような目をしていたといいます。
ご相談者様が話しかけても、うなずきはするものの、
心は別の場所にあるように感じたそうです。
その違和感に気づきながらも、
問い詰めることが怖くて、何も言えなかったと。
そして突然、彼から距離を置きたいと言われた。
理由は曖昧で、
仕事が忙しい、自分の時間が必要、
そんな言葉が並んでいたものの、
本当の理由はわからなかったとおっしゃいました。
その日を境に、彼からの連絡は途絶えました。
最初は既読がつくのに返事が来ない日が続き、
やがて既読すらつかなくなった。
ご相談者様は毎日スマホを握りしめ、
来ない通知を待ち続けていたそうです。
どうして返事をくれないの?
どうして話してくれなかったの?
どうして自分ではダメだったの?
自分を責める日々が続き、
食事も喉を通らず、
眠れない夜が増えていったそうです。
友人からは
もう忘れたほうがいいよ、
そんな人やめたほうがいいよ、
あなたにはもっといい人がいるよ、
そう言われても、心は動かなかったそうです。
彼じゃないとダメだった。
彼じゃないと意味がなかった。
そんな状態で、
ご相談者様は私のもとへ来られました。
最初のメッセージには、
震えるような言葉が並んでいました。
もう限界です。
でも、諦めたくありません。
どうか助けてください。
私はその言葉を読んだ瞬間、
胸が締めつけられるような感覚になりました。
この方は、
本当に深く愛している。
そして、
本当に苦しんでいる。
私は丁寧に状況を伺い、
縁の状態を霊視しました。
その時、
ご相談者様と彼の縁は
完全に切れているわけではなく、
ただ深い霧の中で停滞している状態でした。
縁の停滞層に入っている。
心の流れが止まっている。
彼の心が自己防衛で閉じている。
そう視えました。
私はご相談者様にお伝えしました。
縁は切れていません。
ただ、今は動けない状態にあるだけです。
整えれば、必ず動きます。
そして縁結びの施術を行いました。
施術中、ご相談者様の胸の奥に
ずっと沈んでいた重たい石のようなものが
ゆっくりと動き始めるのを感じました。
施術が終わった後、
ご相談者様は静かに言われました。
胸が少し軽い気がします。
久しぶりになんか、思いっきり泣けそうです。
その夜、
ご相談者様は久しぶりに涙を流したそうです。
泣けなかった涙が、ようやく流れたと。
(夜中の2時に連絡が来ました)
翌朝、目は腫れていたものの、
心は少しだけ軽かったとおっしゃいました。
施術から数日後、
ご相談者様はふと気づいたそうです。
彼のことを考えても、
前ほど苦しくない。
あの頃のご相談者様は、
彼を失うことが怖くて、
嫌われることが怖くて、
自分を押し殺していた。
でも今は違った。
彼がどう思うかより、
自分がどう生きたいかを
少しずつ考えられるようになっていた。
縁が戻る時というのは、
自分の心が整った時だと、
その時はまだ気づいていなかったとおっしゃいました。
施術から一ヶ月が過ぎた頃、
ご相談者様はようやく
彼への執着がほどけた感覚になったそうです。
忘れたわけではない。
嫌いになったわけでもない。
ただ、
彼がいなくても生きていける自分を
少しだけ好きになれた。
そんなある日の夜でした。
スマホが震えた。
画面には、
見慣れた名前が表示されていた。
心臓が跳ね、
手が震えたとおっしゃいました。
しばらく開けなかったそうです。
興奮しながら部屋中を
走り回ったそうです。
落ち着いたところで
勇気を出してメッセージを開いた。
元気にしてる?
急にごめん。
ずっと話したいと思ってた。
その瞬間、
時間が止まったように感じたと
おっしゃっておりました。
涙が溢れ、
声にならない声が漏れた。
どうして今なのか。
どうして戻ってきたのか。
でも、理由なんてどうでもよかった。
彼が戻ってきた。
それだけで十分だった。
会う約束をした日、
ご相談者様は緊張で眠れなかったそうです。
待ち合わせ場所に向かう途中、
心臓がずっと早鐘を打っていたと。
彼は以前より少し痩せていたものの、
笑った顔はあの頃のままだった。
久しぶり。
元気だった?
その声を聞いた瞬間、
胸の奥がじんわりと温かくなったとおっしゃいました。
ふたりで歩きながら、
彼はゆっくり話し始めた。
あの時、仕事がうまくいかず、
自分に自信がなくなっていたこと。
ご相談者様と向き合う覚悟ができなかったこと。
傷つけたくなかったのに、
結果的に一番傷つけてしまったこと。
そして、
ずっと後悔していたこと。
離れてみて気づいた。
あなたがいないとダメなんだと。
ご相談者様は涙をこらえながら言われたそうです。
私も、ずっと待っていました。
その瞬間、
止まっていた時間が動き出した。
縁が戻る時というのは、
奇跡のように見えるけれど、
本当は奇跡ではありません。
心が整った時、
縁は自然に戻ってくる。
彼は言いました。
もう離れたくない。
ちゃんと向き合いたい。
付き合ってほしい。
ご相談者様は笑いながら頷いたそうです。
こちらこそ、よろしくお願いします!
その日から、
ふたりの時間はゆっくりと、
でも確実に進み始めました。
縁が戻る時、
それは突然やってきます。
でもその突然は、
あなたがずっと積み重ねてきた
心の変化の結果です。
縁は追いかけると逃げます。
でも、
心が整うと戻ってきます。
あなたの縁も、
まだ終わっていません。
むしろ、
ここから始まります。
☆Pito