「カード占いは当たりますか?」
占い師をしていると、とてもよく聞かれる質問です。
私の答えは、
「未来を予測することはできる。でも、未来を保証するものではありません。」
というものです。
カードは、今この瞬間のエネルギーや流れを映し出します。
だから、今のまま進んだ場合に起こりやすい未来や、その時点で最も可能性の高い未来を読むことはできます。
けれど、人生には本人の自由意志だけではなく、相手の自由意志もあります。
さらに、偶然の出来事や環境の変化など、私たちにはコントロールできない要素がたくさん存在しています。
だからカードは、未来を「決定」するものではなく、「可能性」を示すものなのです。
でも、私は長年カードと向き合う中で、もう一つ不思議なことに気づきました。
それは、
カードは、ときどき「愛のある嘘」をつくことがある。
ということです。
もちろん、本当に嘘をついているわけではありません。
これは私なりの表現です。
実は私自身、この「愛のある嘘」を二度経験しています。
一度目は好きな人ができたとき、カードに尋ねました。
「告白したらどうなりますか?」
カードは、希望の持てる未来を示してくれました。
その言葉を信じて、私は勇気を出して告白しました。
でも、結果は失恋。
当時は本当にショックで、
「カードなんて当たらない。」
そう思い、一度カード占いそのものを手放したことがあります。
それから約20年が経ち、私は再びカード占いを始めました。
何十回とカードを引く中で、自分の適職として「セラピスト」という結果が何度も出たり、一つの質問につき間をおいても何度も同じカードがでてきたり、人を占っても驚くほど的確なメッセージが返ってきたりして、私は少しずつカードへの信頼を取り戻していきました。
そんなある日、生活のためにアルバイトの面接を受け、その合否をカードに尋ねました。
カードの答えは、「採用される可能性が高い」というものでした。
ところが結果は、不採用。
私は再び、自分のカードリーディングに対する自信を失いました。
「やっぱりカードは当たらないのではないか。」
そう思いました。
でも時間が経って振り返ると、一つのことに気づいたのです。
私は本当は、そのアルバイトに行きたくありませんでした。
お金がないという不安から、「働かなければ」という思いで応募していただけだったのです。
そして私は、この経験を通して、自分なりに一つの学びを得ました。
不足感や恐れから選んだ道は、たとえ一時的にうまくいったとしても、心から望む人生にはつながりにくいということです。
そしてもう一つ。
「カードは未来を保証するものではなく、『魂に必要な経験』を後押しすることがあるのではないか。」
そう考えるようになったとき、私は20年前の失恋も、まったく違う景色として見えるようになりました。
当時は「どうしてカードは当たらなかったのだろう」としか思えませんでした。
でも今では、あの時振られて本当に良かったと思っています。
当時は気づきませんでしたが、その人は私が進むべき人生の道とは違う方向へ向かう人でした。また顕在意識では好きでも潜在意識ではその人とは合わないことを本当は当時すでに分かっていたのに外側の条件の良さから頭で選んでいた人でした。
もし恋が実っていたら、私はもっと遠回りをしていたかもしれません。
そう思える今だからこそ、あの失恋もまた、魂にとって必要な経験だったのだと受け止められるのです。
自分自身の人生も振り返る中で、一つの考え方にたどり着きました。
もしカードが見ているのは、
「人間の願望」ではなく、「魂の願い」だとしたら。
私たちは顕在意識では、
「振られたくない。」
「傷つきたくない。」
「成功したい。」
そう願います。
でも、ハイヤーセルフは、もっと長い時間軸で人生を見ています。
魂は、幸せだけを求めている存在ではありません。
成長すること。
器を広げること。
愛を学ぶこと。
執着を手放すこと。
自分を信じること。
人生には、自分では選びたくない経験の中にこそ、大切な学びが隠れていることがあります。
もしかしたら、その時の私のハイヤーセルフは、
「告白して失恋する」という体験そのもの
を望んでいたのかもしれません。
振り返れば、その恋が実らなかったからこそ、私は別の道を歩むことができました。
もし告白せずに終わっていたら、
「あの時言っていたら違ったかもしれない。」
そんな思いを何年も抱え続けていたかもしれません。
人生には、
結果よりも、経験すること自体に意味がある出来事
があります。
そしてハイヤーセルフは、その経験を魂が受け取れるように、私たちの背中を押しているのかもしれません。
だからカードは、
「成功するよ。」
という言葉で勇気を与えたのではなく、
「あなたは、この一歩を踏み出したほうが魂は成長するよ。」
というメッセージを、私に伝えていたのではないか。
今ではそんなふうに思っています。
もちろん、これは証明できることではありません。
カードをどう受け止めるかは、人それぞれです。
一見すると悪い出来事が、その人の人生を大きく好転させることもあります。
逆に、望み通りになったことで、かえって成長の機会を失うこともあります。
魂の視点から見ると、「成功」と「失敗」の意味は、人間が考えるものとは少し違うのかもしれません。
だから私は、カード占いを未来の当て物とは考えていません。
カードは、魂が今どこへ向かおうとしているのかを映し出す鏡。
そして、ときには私たちが怖くて踏み出せない一歩を、そっと後押ししてくれる存在です。
その先に待っているのが成功か失敗かは、実はそれほど重要ではありません。
その経験を通して、魂が何を受け取り、どんな自分へと成長していくのか。
カードは、そこを見つめているのだと私は感じています。
だからこそ、「カードは愛のある嘘をつくことがある」という考え方を受け入れられる人ほど、カードの本当の恩恵を受け取れるのではないでしょうか。
カードは未来を保証するものではありません。
けれど、魂が望む人生へと私たちを導く、とても優しく、そして時には厳しい道しるべなのだと、私は信じています。