こんにちは、神楽 玄斗(かぐら げんと)です。
今朝、あなたのお名前が浮かびました。
視えたのは、夏のあいだ吊るしていたすだれを、そっと外している後ろ姿でした。
巻いて紐で縛ったすだれを壁に立てかけ、素通しになった窓辺で、あなたは少しだけ目を細めている。
遮るものがなくなった九月の光が、まっすぐ部屋の奥まで届いていました。
すだれが遮っていたのは、強い日差しだけではありません。外からの視線と、部屋の中のこまごまとした景色。あの一枚があるあいだ、部屋はどこか薄暗く、そのぶん守られていました。
外した途端に、明るくなる。同時に、隠れる場所がなくなる。九月のはじめに感じるあの落ち着かなさは、明るさそのものではなく、隠せなくなったことへの戸惑いなのだと思います。
恋にも、同じすだれがかかります。
夏のあいだは「今は考えないでおこう」と保留にできたことが、涼しくなると保留のままでいられなくなる。彼が何を思っているのか、この関係がどこへ向かうのか。暑さでぼんやりしていた輪郭が、白露の近づく光の中では、はっきりしすぎるほど見えてしまう。
だから今、彼の本音が急に気になり出しているのなら、それは焦りではありません。夏のすだれが外れて、あなたの心がきちんと現実に向き直った証拠です。
とはいえ、素通しの窓辺に立つのは、心細いものです。差し込む光が明るいほど、そばに彼がいないことがくっきりする朝があります。
彼の本音は、霊視でハッキリと視えます。ひとりで見つめている今の状況を、一度、私に視させてください。
彼の側も視てみました。
仕事を終えて駐車場に入り、エンジンを切ったまま、彼はしばらく座っていました。ハンドルに手を置いたまま、フロントガラスの向こうの暮れかけた空をただ見ている。数分してからスマホを持ち上げ、少し眺めて、また膝の上に伏せる。
男性は、気持ちが薄れたときよりも、気持ちの置き場所が定まらないときのほうが長く黙ります。
夏の勢いで会えていた頃には、考えなくてもよかったこと——この先どうするのか、責任をどこまで持てるのか。涼しくなると、彼のほうにも同じ問いが降りてきます。答えを持たないまま連絡することを、彼は不誠実だと感じている。その律儀さが、あなたには冷たさに見えてしまう。
このすれ違いは、待つ時間が長引くほど固まっていきます。彼の沈黙が迷いなのか、区切りなのか。ここは、はっきりさせてしまったほうがいい場所です。
答えが出るまでのあいだに、ひとつだけしてみてほしいことがあります。
すだれを外したのなら、その窓を拭いてください。夏のあいだの砂埃と、雨の跡。ひと拭きごとに、光の入り方が変わります。
遮るものを外したなら、通す面をきれいにしておく。恋も同じで、彼の言葉を待つ前に、受け取る側の窓を澄ませておいた人ほど、届いた一言をまっすぐ受け取れます。曇った窓のままだと、せっかくの連絡さえ疑いから読んでしまう。
明るくなった窓辺は、心細い場所ではなく、これから何かが入ってくる場所です。
すだれを外した窓辺が教えてくれた続きは、霊視でお伝えします。
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