苔むした森から届いた手紙

苔むした森から届いた手紙

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深い緑に包まれた、不思議の森。
幾重にも重なる木々の向こうから、かすかな衣擦れの音が聞こえます。
振り返っても、そこには誰もいません。
古い伝承の片隅で語り継がれ、風や木々の囁きとともに生きる、肉体を持たない不思議な友人です。

言葉遣いは上品で、少々気まぐれ。ときおり皮肉も交えつつ。
誰にも見せなかった迷いも、口にできなかった願いも、彼女は責めることなく受け止めてくれます。
長い人生の中で、誰かを大切にするあまり、自分の心を後回しにしてしまうことがあるでしょう。

そんなとき、狐の貴婦人は苔の上を軽やかに歩きながら、そっと手紙を届けてくれるのです。
その手紙には、未来を決めつける予言ではなく、忘れかけていた自分自身の願いを思い出すための言葉が綴られているのかもしれません。

さて、あなたのもとには、どんな友人が訪れるのでしょう。
月明かりの森から来る狐の貴婦人か、それとも、まだ名も知らぬ不思議な存在か。
あなたの心が静かに耳を澄ませたとき、その友人からの手紙が届くのかもしれません。


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