風は道を示す――Ventus viam ostendit.

風は道を示す――Ventus viam ostendit.

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今回、手紙を届けてくれた友人は、一頭の馬でした。
……とはいえ、私たちが思い浮かべるような草原を駆ける馬というより、その姿は風そのもの。

耳を澄ませると聞こえる木々のざわめきや、頬をかすめる優しい風に、そっと蹄の音を重ねながら歩く、不思議な存在です。
とても気さくで、おしゃべり好き。
どこか人間くさく、それでいて風のように掴みどころがありません。

不思議だったのは、この友人が決して先を歩かなかったことです。

少しだけ後ろを歩き、ときどき蹄の音を響かせながら、「ちゃんとついてきていますよ」とでも言うように、静かに寄り添っていました。

風向きをそっと教え、歩幅を合わせ一歩を選ぶのを待っていてくれるのです。

そして最後に、この友人が運んできた手紙には、ある「奇跡」について書かれていました。
奇跡とは、世界が突然変わることではなく、自分でも気づかなかった大切なものに、ふと目を向けられた瞬間に始まるものなのだと……。



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