「怒り」の秘密

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あなたは最近怒りましたか?
「喜怒哀楽」と言われるくらい、怒りというのは身近な感情ですよね。
でもその一方で、「怒る」というのはとてもエネルギーが必要です。
怒った後にとてつもなく疲れを感じたり、「あぁ、またイライラしてしまった」と落ち込んでしまったり...。
感情の後処理がとても大変なのが、この“怒り”というもの。

今日はそんな怒りについてのお話です。
自分は少し怒りっぽいかも…という方、いつも怒っているあの人の心を知りたい方は、良かったら読んでみて下さい。

それでは 「怒り」のしくみを一緒に見ていきましょう!



◆「怒り」の根底にあるもの

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“怒り” の根底にあるものは、
「分かってもらえなかった」「受け入れてもらえなかった」という【悲しみの感情】です。


●相手に自分のミスを指摘されて怒る
(相手に否定されたような気持ち。自分を受け入れてもらえなかった...)

●子供が言うことを聞いてくれなくて怒る
(何で言うことを分かってくれないの...)

●注文したメニューと違うものが来て、店員さんに怒る
(何でちゃんと言った通りにしてくれないの...)

いずれも「分かって欲しい」「受け入れて欲しい」「自分の思うようにして欲しい」という期待が叶わなかった時です。

期待通りにならない=悲しい・残念。
つまり「怒る」という感情の根底には、必ず「悲しい」という感情が隠れているのです。



◆2つの違いとは?

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例えば、飲食店で注文したメニューと違うものが来た時。

「頼んだのはこれじゃないのになぁ...」と残念に思い、店員さんに「これじゃないんですけど...」と伝えられる人もいれば、中には「何で頼んだものを持ってこないんだ!」と店員さんに怒る人もいます。

「頼んだのはこれじゃないのになぁ...」と残念に思うのは、悲しみの感情。
「何で頼んだものを持ってこないんだ!」と怒る人も、根底には「何で言った通りにしてくれないんだろう」という悲しみの感情があります。
両者とも悲しみの感情は共通しているのです。

ですが、ここで一つ疑問が出てきます。
悲しみの感情のまま終わる人と、悲しみだけでなく「怒り」も伴ってしまう人。この違いはいったい何なのでしょうか?




◆コントロール欲求

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その違いは「コントロール欲求」にあります。
コントロール欲求とは、相手を自分の思い通りにしたい、自分の思い通りの行動をして欲しいという、相手をコントロールをしたいと思う気持ちのことです。

さっきの飲食店の例で言うと、「何で頼んだものを持ってこないんだ!」と店員さんに怒ってしまうのは、 “相手に謝らせたい・自分が悪いと自覚させたい・きちんと反省させたい・すぐに新しい料理を持って来て欲しい” など、自分の思うように相手をコントロールしたいという気持ちが隠れているからなのです。


例えば、子供がごはん前にお菓子を食べたがったとします。
「もうすぐご飯だから、お菓子はちょっと我慢してね」と親が言っても、「そっか我慢するか...残念だな」と、悲しみの感情だけで終わることは、ほとんどありません。
子供は「どうにかしてお菓子を食べたい!親に自分の言うことを聞いてもらいたい!」と思った時、「ワーッ!」と泣き怒るのです。

なぜなら「お菓子を我慢するか...残念だな」と悲しんでいるだけでは、なかなか親は言う事を聞いてくれません。
「悲しみ」だけで終わらせず、さらに「怒る」という表現をすることにより、親が反応してくれるのです。
すると親は「うるさいから、ちょっとだけあげるか...」と折れてくれる。
子供は怒ることによって、親を自分の思い通りにコントロールすることに成功するのです。
言い方を変えれば、「怒り」とは相手をコントロールするための手段であるとも言えます。


このように、「悲しみ」という感情のみでは「怒り」にはならず、悲しみにコントロール欲求という要素がプラスされないと、怒ることはできません。
【悲しみ+コントロール欲求】で初めて「怒り」という感情が生まれるのです。
このコントロール欲求が高いほど怒りっぽくなり、逆に低い人は比較的怒りにくい傾向であるということになります。




◆怒りっぽい自分にサヨナラしよう!

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このように考えていくと、「怒り」とは感情ではなく、悲しみの表現であるという捉え方をすることもできます。

怒りっぽい・イライラしやすいと自覚のある方も多く、コントロールのできない怒りの感情に実は結構悩んでいたりもします。
イライラしたくないのにイライラして、落ち込んで...というループから中々抜け出せず、自己嫌悪に陥ってしまうことも多いのです。

私の母も昔は、四六時中怒っているような人でした。
学生時代はそんな母によく反発していましたが、ある日タンスの引き出しに、イライラや興奮感を鎮める市販薬が入っているのを偶然見つけてしまいました。
「この人はいつも怒ってばっかりだ」と思っていましたが、母も母なりに悩んでいたんだな...ということに気が付いた思い出があります。
何だか今も書いていて、胸がきゅっと締め付けられます。



もし、毎日の生活の中でイライラしてしまったら「今自分の中にどんな悲しみの感情が隠れているのかな」「~して欲しいと、相手をコントロールしようとしていなかったかな?」と、一旦考えてみてください。

「人って自分の思うようにならないんだなぁ」「人ってなかなか自分の思うように動いてくれないんだなぁ」ということを繰り返し認識していくうちに、コントロール欲求が薄れていき、少しづつ怒りの度合いが下がってきたり、怒る頻度が減っていきます。


もし「怒り」という感情が、今の自分に良くない影響をもたらしているとしたら、少しづつ変化させていき、風通しのいい穏やかな気持ちを手に入れたいですね。

この記事が、誰かの何かのヒントになれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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