パニック障害と「やりたいことが分からない」

記事
ライフスタイル
「やりたいことが見つからない」
「自分のやりたいことが分からない」
「自分がどうしたいのか分からない」

こんな風に思ったことはありませんか?
実はパニック障害 (不安障害系) の方は、このようにおっしゃる方がとても多いのです。


何かしたいけれど、自分が何をしたいのか分からない。どうしたいのかが分からない。
「自分の楽しいと思うことをやりなよ」なんて友達や家族に言われても、その “楽しいと思うこと” が分からない。
そんな経験はありませんか?


今回は、なぜパニック障害の方がそのような傾向になりやすいのかという事について、書いてみようと思います。





◆「やりたいことが分からない」の正体

23053182_s.jpg

以前の記事「パニック障害の方の家庭環境 “3つ”の傾向」でも触れていますが、「やりたいことが分からない」というのには、主に幼少期の生育環境 (家庭・学校など) が大きく関係しています。

パニック障害の方の生育環境には、大きく分けて3つの傾向があります。


①大声で怒る・暴力的な親
→両親のどちらか (または両方が) 大声で怒ったり怒鳴ったり、ヒステリーになることがある。
または、子供の精神や肉体を暴力的にコントロールしようとする。


②心配性の親
→心配性の親は元々不安感を感じやすいため、不安を抱えながら子育てをしています。
「これは危ないよ」「あれはやめたほうがいいよ」「これをするとこうなってしまうよ」などと子供に言うことも多く、(精神的に)自分の安心できる範囲に子供がいるようにします。
自分のコントロール外に子供がいると、自分自身が不安になるからです。


③甘やかしてしまう親
→本当は子供が自分で判断したり、自分の力で行動ができることも「ああしなさい」「こうしなさい」とついつい口出ししてしまうことが多かったり、何でも先回りをして子供の代わりにやってしまう。



これらの生育環境には、【子供の主体性が育ちにくい】という共通した問題が隠れています。

主体性 (しゅたいせい) とは、周りの意見や指示に頼らず、自分の意思や判断に基づいて行動すること。
つまり、「何をするべきか自分自身で考え、自分で行動すること」なのです。


では、なぜそれぞれの生育環境で主体性が育ちにくいのか。
その理由を一つずつ考えていきます。


①大声で怒る・暴力的な親
→親の機嫌を損ねてしまうと、精神的・肉体的な暴力を受けてしまう可能性があるため、自分の意思や判断で自由に行動をすることが難しい。

②心配性の親
→「これは危ないよ」「あれはやめたほうがいいよ」「これをするとこうなってしまうよ」と言われた経験が多ければ多いほど、子供は「この世界は怖くて危険な場所なんだ」という価値観を持ちやすくなってしまう。
その結果、自分で考え行動することや、何かにチャレンジする・取り組むことが怖くなってしまう。

③甘やかしてしまう親
→子供が自分で判断をしたり、自分の力で行動できることを先回りしてやってしまうと、判断力・自分の力で行動する機会を奪ってしまう。
するとチャレンジする機会が減る=自分の力で行動した成功体験が少なくなる。
子供からすると面倒なことをやってもらったり楽な面もあるが、裏には主体性が育たないという問題が隠れている。



・・・3つとも経緯は異なるかもしれませんが、共通していることは、それぞれの理由から幼少期に主体性がうまく育たなかったという点です。

つまり、主体性が育っていない=自分の人生を自分で切り開く力が弱いため、大人になってから「自分はどうしたらいいのか?」「自分は本当は何をやりたいのか?」と悩むことが多くなってしまうのです。



◆あなたの目的地はどこですか?

3512212_s.jpg

では、今まさに「やりたいことが分からない」という場合はどうしたらいいのでしょうか?
そんな時は、まず “目的地” を考えてみましょう。


ちょっとイメージしてみて下さい。
あなたはタクシーの運転手さんです。手を挙げているお客さんが見えたので、ドアを開けて乗せました。
あなたが「どちらへ向かいますか?」と聞くと、お客さんは「・・・ちょっと分かりません」と答えました。
「えっと、目的地がないとどこへも向かえません」
「でも、どこへ向かったらいいのか分からないんです」
・・・結局そのタクシーが発車することはありませんでした。



この例から分かることは、
自分がどこへ向かいたいのか=「目的地」が定まっていないということは、自分自身は動けない・どこに行けばいいのか分からない状態だということです。

まずは、1年後、3年後、5年後...【どんな自分になっていたいのか?】をよくよく考えてみてください。
その「こんな自分になっていたい!」「こんな人生を送りたい!」というのが、あなたの目的地です。

主体性とは、その目的地に向かって自分自身がタクシーを動かしていくこと。
目的地が決まって初めて、そのタクシーのハンドルを動かすことができるのです。


目的地は北?南?西?それとも東?
目的地が決まるということは、今向くべき方角が分かります。
あなたの心がその目的地を知ることができれば、きっと少しづづ今やりたいこと・自分がどうしたいのかが見えてくるはずです。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す