承認欲求について知っておくべきこと【2】

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以前書いた「承認欲求について知っておくべきこと」の記事が、とても有難いことに思った以上の反響がありました。(本当にありがとうございます!)


実はこの記事、文字数の関係で削った部分があったため、いつか続編という形で書きたいなと思っていました。
今回はこの「承認欲求」を、前回とはまた違う角度から考えてみたいと思います。


◆「欲」の対義語って何?

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初めにちょっとだけ、前回の内容のおさらいです。

承認欲求の【欲求】とは?

・欲→自分の欲 。周りに対してこうして欲しい、こうなって欲しいを
・求→相手に求めること。自分の欲しいものを相手から貰おうとするイメージ

承認欲求のルーツは赤ちゃんの頃にあり、赤ちゃんは “生きるため” に泣いて、親に “生” への承認欲求を満たしてもらう。
赤ちゃんにとって承認欲求は不可欠で、本能的に必要なもの。
そして本来は大人になるにつれて、少しづつ不要になっていくもの。

承認欲求自体は基本的にみんなが持っているものですが、その持っている承認欲求の大きさや強さは人それぞれです。
問題なのは、承認欲求が強く生きづらさなどの心理的困難をもたらしてしまう状態です。


ここでひとつ質問です。
“欲”の対義語は何?」と聞かれたら、皆さんはどんな言葉をイメージするでしょうか?
もしかしたら “無欲” という言葉をイメージする方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、無欲も正解ですね。
ですが、承認欲求のしくみを考える時は “愛” を対義語にして考えると、とても分かりやすいのです。




◆“欲” について考えてみる

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なぜの対義語を“愛”で考えると分かりやすいのか。
それは、欲が「相手に“求める”マインド」であるのに対し、愛は「相手に“与える”マインド」だからです。

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上図のように、承認欲求が強い状態というのは

「相手に~して欲しい
「相手に分かって欲しい
「相手に認めて欲しい

まさに“欲”という字のまま、「欲しい!」のオンパレードの状態です。
そして、これは裏を返してみると「私の喜ぶことや嬉しいことをしてちょうだいね」という自分の願望を、相手に求めていることにもなります。

このように承認欲求は、相手→→→自分へ矢印が向いており、「~して欲しい」という気持ちと、「きっと相手は、自分に~してくれるだろう」という “期待” がセットになっているのです。


夫婦の結婚記念日に例えるとしたら、は「記念日だから相手に何かして欲しい」は「記念日に相手に何をしてあげられるかな」という違いです。




◆“愛”についても考えてみる

承認欲求 愛.jpg

一方“愛”は、自分→→→相手へ矢印が向いています。
自分が相手に対して「~をしてあげたい」「~をやりたい」「~をしたい」という気持ち。相手に求めるのではなく、与えようとする状態です。

これを聞くと「相手にばかり何かしてあげたら、自分がすり減ってしまう」「これだと自分が損をしてしまう」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ですが上図のように、矢印の先に「自分」がいても良いのです。
本来「自分」という存在は自分自身にとって、一番身近なコミュニケーションの相手のはずです。
家族や友人・周りの人と同じように、あなたは「自分自身」も丁寧に扱ってあげていますか?

「~をしてあげたい!」「~をやりたい!「~をしたい!」
自分の好きなこと、楽しいこと、ワクワクすること、自分の心が安心すること、穏やかな気持ちになれることを、自分自身にもしてあげて下さい。
これは欲ではなく、立派な “愛” なのです。



◆承認欲求は手放せる

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承認欲求の本質的な苦しさは、ここにあります。
「認められたい」「褒められたい」という気持ちで過ごしていると、あらゆる行動の目的が変化していきます。
「色んな経験をしたい!」「人に喜んでもらいたい!」と最初は楽しくやれていた仕事も、「あの人に褒められたいからちょっと残業しよう」「無理してでも頑張ろう」と目的が変わっていく。「美味しいものを作るのが楽しい!」と楽しく作っていた料理も、「忙しい中頑張って作ったねと言ってもらいたい」と目的が変わっていく。

このように、承認欲求は“何のためにやっているのか?”という本来の動機まで変化させてしまうのです。

認められたい・褒められたいと思いながらした行動は、必ず見返りを期待してしまいます。
そしてその見返りがないと、苦しさが生まれます。
( 褒めてもらえなかった、認めてもらえなかった、自分はダメだ、役に立たない、価値がない、愛されていない )

つまり、期待通りに承認されないと、自分はダメだ、役に立たない、価値がない、愛されていないという現実を突きつけられているような気がしてしまう。これがまたとても苦しいのです。

承認欲求を手放すのに大切なのは【自分の行動の目的を明確化する】こと。
例えば「夜は美味しいご飯を作ろう!」と思った時。
「作るのが楽しいからご飯を作りたい」のか、「忙しい中頑張って作ったねと言ってもらいたい」のかを考えてみます。

もしその目的が “欲” だったとしたら、その行動は思い切ってやめてしまいましょう。
それか、行動の目的を他者からの承認ではなく、自分の楽しいこと、ワクワクすること、やってみたいことに置き換えてみて下さい。
きっと毎日が、少しづつ変化していくはずです。




◆成熟した人間性とは?

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この図のように、欲から愛の「与えるマインド」に近づくほど承認欲求は減っていき、生きやすい人生になっていきます。

生まれたばかりの赤ちゃんの承認欲求が100%だったとしたら、私たちは大人になるにつれて他者に求めることを減らしていき、少しづつ人に愛を与えることを学んでいきます。
自分という相手も含め、人に愛を与えられる人というのは、人間性が成熟している証拠なのかもしれません。

自分の行動の目的を明確化し、自分自身に愛を与えることができるようになると、少しづつ人にも愛を与えることができるようになっていきます。
「人に何かを与えると自分が損してしまう」というのは、自分自身が満たされていない状態なので、まずは自分自身に愛を与えてあげることから始めてみて下さい。

まだまだ私の承認欲求の研究は続きます!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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