メールの送付

記事
ビジネス・マーケティング
居酒屋で店長をしていた時に行っていた比較的『お金のかからない』販促の内容です。
結論を申しますと、
やはり単体の販促では弱かった感があります。
クーポンの類は基本つけていなかったので、
費用対効果の測定もできませんでした。
が、『お店』『自分』を印象付ける(記憶に残す)には、効果があったと今でも感じてます。そんな一部始終を。

メールを送付するようになった契機

当時のお店は、東北一と呼ばれる繁華街に位置しており、それなりにキャバクラやスナックも跋扈していました。

休日には、友人とキャバクラに行くこともありました。
キャバクラへ行くと名刺をいただいて、携帯番号(メルアド)を交換するわけなのですが…(当時はLINEなどはまだありませんでした)
行った次の日あたりにご来店へのお礼と、また機会があったらきてくださいね、との内容のメールが届くのがパターン化されていました。
「はいはーい」とばかりに「社交辞令」的なメールを返したりもしていました。

とあるキャバクラに行った後のことでした。
例に違わず、上のパターンでのやり取りが終わった後のことです。
…それから数日経ったある日、またメールが届いたわけです。
なんだろ?きっとお店暇だから来てよー、って内容かなんかなんだろうな・・・
と思いながらメールを開くと…
『料理しましたー!』という内容のもの。
お店のことには一切触れていません
材料から、作成途中、そして完成まで。
当時で言うところの「女子力」の高さ、手際、可愛らしい食器や雰囲気など
『人柄』が見え隠れするような内容構成となっていました。
思わず「美味しそうだね」、とか返信した記憶があります。
…またそれから1週間くらい経ったある日にメールが届きました。
前回が料理だったから、今回は何かな?
と少しだけワクワクしながらメールを開くと…
『海に行ってきましたー!』っていう内容でした。
またもやお店のことには触れられていません
サーフボードや砂浜の景色と共に海で楽しんでいる様子が写されており、
アクティブな一面が垣間見れる。
こういった部分から、また会って色んな話をしてみたいってなる人もきっといるんでしょうね…

ふむふむ・・・
…これを居酒屋の販促にどうにかして使えないか…?
考えるわけで。
そして、閃くわけです。

閃いた内容

店内で、名刺交換を行っては、即日DM葉書を送付することはすでに行っていました。しかし、欲深い人間なためか、『もっと、もっと』という使命感や向上心にも似た思いが浮かんでいたのは確かです。

ん!?まてよ…!?
名刺にメールアドレスって載ってなかったっけか…?

そう、当時(2000年代前半)でも名刺に『オフィシャルアドレス』を記載されている方は、半数以上いらしていたのです。
・・・キャバクラのお姉さんみたくうまくできないかもしれないけど、
いっちょやってみるか!
と思いつき、メールを作成、送付を試みました。

最初は恐る恐る、顔と名前がわかり、ある程度気心の知れたお客様へ…
その方からは、たまたまだったのかもしれませんが、ご丁寧に返信までいただくことができました。
この返信が、小さな行動を大きな自信に繋げてくれる契機となったのです。

メールの内容

初めは、一通ずつお客様のことを考えながら作成していました。
時間もかかるし効率が悪い
模索する日々が続きます。
何通か作成していくうちに、内容に共通する部分が見えてきました。
それをテンプレにすれば良いか、と気が付きます。
でも、小さなこだわりは続けました。
それは、宛名の『〇〇様』は、そのお客様の苗字を入れよう、と。
また、当時、様々『メルマガ』は出始めていたのですが、
その内容は、大概
『商品と価格の紹介、それで来てくださいよ!』という、
『マス』に向けて打ち出す響かない内容のものばかりでした。
そういった内容は避けよう、と。

メールの送付する時期

これは、自分の中で週一回行うと心に決めていました。
誰にも宣言はしませんでしたけど…
(宣言すると、やらなきゃいけないって義務めいたものがまとわりつくような気がしたので)
送付するのは、毎週月曜か火曜。
時間帯は13〜15時くらいに行うようにしていました。
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、
日程や時間帯を事業所(ショップ)訪問と近づけて行っていました。
社員一人店長でしたし、時間は限られてましたし。
『月曜、火曜は、販促に時間を充てる』としたのです。

増やしたいターゲット客層が『サラリーマン』の方々でしたので、そこへ向けてメールの送付を行っていました。

何故その時間帯だったのか?

読んでいただけるための確固たるデータや分析は行っていませんでしたが、『勘』でした。
週のはじめだと読んでいただけるのではないか?
週頭に御覧いただいて・・・週末にご来店してもらえないかな・・・
という希望的観測にも似た期待からでした。
考え方は事業所(ショップ)訪問と同じです。

骨の折れたこと

はじめは、それまで店内で名刺交換を行ってきたお客様のメールアドレスを登録していく作業に時間が取られました。
それがひと段落すると、店内で名刺を交換後、翌日にはパソコンへメールアドレスを追加し、翌週には送付開始、というスパンのルーチンとなりました。
多いときで週に20~30程度のアドレスを登録しなければならず、よく時間を取られました。(メルアドの間違いは誤送信や、未送信に繋がるのでそれこそ慎重に行わなくてはなりませんでした。)
また、送付する際は、毎回宛名をお客様の苗字へ変更することで『あなたにご来店していただきたいんですよ!』という暗たる印象付けを行うことをやめませんでした。
1件ずつへの作業時間は些細なものでしたが、
送付先が増えていくにつれ、いくら処理速度を上げても2時間程度は費やさなくてはなりませんでした。
さらに・・・毎週メールの内容(ネタ)を捻出しなければなりませんでした。
メニューの紹介、価格、実施期間の記載という、なんとも『無味乾燥』とした、どなたに響くかもわからない内容は効果がない、と思ってました。
そこで、天候や季節の移り変わり、時事問題、店舗従業員の紹介、内省的なこと、どういう想いでお店を運営しているか、などをなるべくサラッと書くようにしました。
考えるための時間は、出勤時の通勤時間を活用しました。(といっても徒歩15分程度でしたけどね)
そこで様々周囲の景色を見ながら、最近得た情報を鑑みつつ、
出勤後はすぐに文章作成(打ち込み)という流れだったように記憶しています。

反応・効果

これは、単体での費用対効果としてはなかなか推し量ることができませんでした。
というのも、メールの内容へは『割引』の類は基本的につけなかったからです。
会社での郵便物精査のある会社や官公庁関係の方々を除いては、
殆どのメール送付者は、名刺交換後即日送付しているDM葉書(割引特典付き)をお持ちなのです。
なので、メールでの割引を『さらに』行うことは、語弊が生じる可能性や、処理の煩雑さからミスの生じる可能性から手をつけませんでした
構図としては、
『メール送付者』≒『DM葉書(1,000円オフ割引券)送付者』≒『ポイントカード会員』
というもの。
単体ではその効果は推し量ることはできませんでしたが、
「すぐに割引券が送られてきて、さらに店長からメールまで送られてきたら、さすがに行かなきゃな」
という声は多く聞こえました。
他の販促とのリンクでその効果が見られたのです。
「Push-Push戦略」とでも言うべきでしょうか・・・
ここまで積極的に行動した自分を褒めたいと思います(笑)

反応は、直接のご来店以外にも様々ありました。
返信をいただいたり、
ご予約を定期的にいただいたり、
R社の方からは、内容を添削いただいたり。
毎週メール来るの、楽しみにしてるよ!とご来店の際に声をかけていただいたり。


ちなみにですが、
昨年退職する際に『退職のご挨拶』と称してメールを送付したところ、
返信をいただいたり、電話がかかってきたりしました。
もうその頃にはその店舗を離れて10年くらい経過しており、
さらに退職時にはすでに店舗マネジメントからも離れていた状況にもかかわらずです。

いくら時間が経過していても
いくら距離が離れていても
憶えてもらっている

『生涯顧客』
を感じざるを得ませんでした。

現状ならどうするか?

ようやく緊急事態宣言も明けた現状なら、どう活用するか?
現代ですと、SEO対策や、Instagram等が主流なのでしょうね。

そこでの情報発信(新規顧客獲得や認知度アップ)もしつつ、
今になってはアナログチックなメール送付を
相も変わらず週一回送付し続けていくでしょうね


最後までお読みくださりありがとうございます。




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