Claude Codeで社内の決裁の記録を整える!中小企業のための案件ごとの誰がいつ何を認めたかの一覧づくりと決まりどおりの決裁・確かめが要る決裁を分ける判断材料整理ガイド

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IT・テクノロジー
2026年10月28日 ・ 読了目安 約9分
「この機械の買い替え、社長は認めたんだったか、まだ考え中だったか」「部長が口頭でよいと言ったので発注したが、あとで聞いていないと言われた」「去年の大きな値引き、誰が認めたのか、書いたものがどこにもない」。中小企業では、お金を使う、条件を変える、取引を始めるといった社内の決裁が、紙の申請書、社内の連絡ツールの一言、朝礼での口頭の返事、手帳のメモに分かれて残ります。案件ごとに「誰が、いつ、何を、いくらまで認めたか」を一行で並べた一覧は、ほとんどの会社にありません。あるのは、何かが問題になったときに、そのつど思い出すか聞き直すという運用です。
その結果、何が起きるか。認められたと思って進めた買い物が、あとで認めていないと言われる。同じ案件を二人に別々に頼み、片方は認め、片方は止める。決めた金額を超えた支払いに、誰も気づかない。担当者が替わると、どこまで認められていたかがまるごと分からなくなる。決裁の本当の問題は、社長の記憶力ではなく、案件ごとの決裁が一か所に並んでおらず、決まりどおりに認められた決裁と、確かめが要る決裁を分けられないことです。
この記事では、Anthropic社の公式AIコーディングツール Claude Code を使って、紙の申請書、社内の連絡ツールの記録、会議の記録、手帳のメモ、発注と支払いの記録に散らばった決裁を案件ごとの一覧にそろえ、決まりどおりに認められた決裁と、確かめが要る決裁を見分ける材料を整えるまでの手順を、非エンジニアの方向けに整理します。先にはっきりさせておきたいのは、どの案件を認めるか、誰にどこまで任せるかは、会社の方針とお金の事情で決まるもので、社長が決めることです。この記事で扱うのは、その手前の「この案件は、誰が、いつ、いくらまでと認めていて、実際はどう動いたのか」を並べる作業までです。
なお、仕入先ごとの見積もりを並べて比べる話は、以前の記事「相見積もりを比べる」で扱いました。押印の記録は「社印と代表印の押印記録」で、取引先ごとの条件は「取引先ごとの支払条件の記録」で扱いました。今回は、それらの前にある、社内で誰が何を認めたかの記録そのものに絞ります。
決裁の記録が「見えない」3つの理由
1. 決裁が、紙と口頭と連絡ツールの一言に分かれて残る
大きな買い物は紙の申請書に社長の印があり、小さなものは連絡ツールで「いいよ」と返事が来て終わり、急ぎのものは朝礼や電話で口頭で決まります。同じ会社の中で、決裁の残り方が三通りも四通りもあります。しかも、口頭で決まったものは、決めた本人の記憶にしか残りません。
2. 認めた内容と、実際の動きが、別の場所にある
認めた内容は申請書や連絡ツールに、実際の動きは発注書と請求書と支払いの記録にあります。三十万円までと認めた買い物が、実際には三十八万円で支払われていた、という案件は、認めた金額と実際の支払いを並べて初めて分かります。並べたことがなければ、「だいたいそのくらいだった」という感覚で終わります。
3. 誰がどこまで認めてよいかが、書いたものになっていない
部長は何万円まで、店長は何万円まで、と頭の中では決まっていても、書いたものになっていない会社が少なくありません。決まりが書かれていないと、誰の決裁が足りていて、誰の決裁が足りていないのかを、一覧で見ても判断できません。決まりがないままでは、確かめの材料も生まれません。
機械に任せる範囲と、人が決める範囲
工程担当内容記録の収集人紙の申請書、社内の連絡ツールの記録、会議の記録、手帳のメモ、発注書、請求書、支払いの記録を一つの場所に集める案件ごとのまとめ直し機械ばらばらの記録を、案件・申し出た人・認めた人・認めた日・認めた金額・認めた中身・残り方の一覧にそろえる根拠づけ機械一行ごとに、どの申請書や連絡ツールの記録から書いたかを添える。口頭だけで決まった決裁は「書面なし」と印をつけて空欄のままにする認めた内容と実際の突き合わせ機械発注書と請求書と支払いの記録から、実際にいくらで、いつ動いたかを出し、認めた金額や中身との差に印をつける任せる範囲との照合機械社長が書き出した「誰が何万円まで認めてよいか」の表と、一行ごとの認めた人と金額を突き合わせ、範囲を超えた行に印をつける決裁の見直しの判断人会社の方針とお金の事情を踏まえ、印のついた案件をそのままにするか、認め直すか、止めるかを決める任せる範囲の決定人誰にどこまで任せるか、決まりをどう変えるかを決め、社内に知らせる
機械に任せるのは、集めた記録を案件ごとに並べ直し、認めた内容と実際の動きを突き合わせ、印をつけるところまでです。どの案件を認めるか、誰にどこまで任せるかは、方針と事情で決まります。そこは人が決めます。
実務5ステップ
ステップ1:決裁が残っている場所と、実際の動きの記録を全部洗い出す
まず、記録のありかを書き出します。紙の申請書や稟議書の綴り、社内の連絡ツールのやり取り、会議の記録、社長や部長の手帳のメモ、発注書や注文書、届いた請求書、支払いの記録、会計ソフトの仕訳。紙のものや手書きのものは、そのまま写真に撮ります。この段階では、そろっていなくてよいので、集めることだけに集中します。案件は、まず直近半年で十万円を超えたお金の動きと、取引条件や値引きを変えたものに絞ります。
ステップ2:案件ごとにまとめ、種類と根拠をつける
集めた写真と記録を Claude Code に渡し、案件ごとの一覧にまとめてもらいます。項目は、案件、申し出た人、認めた人、認めた日、認めた金額、認めた中身、残り方(紙・連絡ツール・口頭)、実際に動いた日と金額、根拠の九つから始めます。あわせて、一行ごとに次の五つの種類をつけます。

決裁が書面にあり、実際の動きも認めた内容どおり
決裁が書面にあるが、実際の動きが認めた金額や中身と違う
決裁が口頭だけで、書面に残っていない
認めた人が、任せる範囲を超えて認めている
実際にお金や条件は動いているのに、決裁が記録のどこにも見当たらない

一行ごとに、どの申請書や連絡ツールの記録から書いたのかを添えてもらいます。決裁の見当たらない案件は、推測で埋めずに「決裁なし」と印をつけます。
ステップ3:人の向きと、金額の向きで並べる
同じ一覧を、二つの向きで並べ直します。一つは人の向きです。認めた人ごとに、認めた件数と金額の合計を並べると、誰に決裁が集まっているか、誰が範囲を超えて認めがちかが一目で分かります。もう一つは金額の向きです。案件を実際に動いた金額の大きい順に並べてもらうと、大きなお金ほど口頭で決まっている、といった偏りが上に集まります。認めた金額と実際の金額の差が一割を超えている行には、印をつけてもらいます。
ステップ4:社長と一緒に確かめ、四つの表に分ける
一覧を印刷して、社長と一緒に、一行ずつ確かめます。そのうえで、次の四つの表に分けます。

決まりどおりの決裁の表(書面があり、実際の動きも認めた内容どおり)
動きを確かめる表(書面はあるが、実際の金額や中身が認めた内容とずれている)
書面を確かめる表(口頭だけで決まっていて、書面に残っていない)
任せる範囲を見直す表(範囲を超えて認めている、または決裁が見当たらない)

この四つの表が、決まりどおりの決裁と、確かめが要る決裁を分ける材料になります。二つ目の表は、ずれた理由を担当者に聞いてから、そのままにするか、認め直すかを人が決めます。三つ目の表は、今からでも書面に残すかどうかを一件ずつ決めます。四つ目の表は、任せる範囲そのものを広げるか、決裁の通し方を直すかを、社長が決めます。
ステップ5:決まりを三つつくり、四半期に一度確かめる
最後に、決まりを三つだけ決めます。

誰が何万円まで認めてよいかを一枚の表に書き、社内の見えるところに置く
口頭で認めたものは、その日のうちに申し出た人が一覧に一行書き、認めた人が確かめる
四半期に一度、支払いの記録から十万円を超えた動きを抜き出し、一覧の決裁と突き合わせて、決裁の見当たらない行を社長に見せる場を設ける

一覧を直してよい人を一人か二人に決めておくと、書き違いが減ります。一度つくった一覧と頼み方の言葉は、翌期もそのまま使えます。
頼み方3原則
原則1:一覧に入れる項目と、残り方の分け方を、こちらから指定する
「決裁をまとめて」とだけ頼むと、項目も粒も毎回変わります。案件、申し出た人、認めた人、認めた日、認めた金額、認めた中身、残り方、実際の動き、根拠と、欄をこちらから決めて渡します。残り方は紙・連絡ツール・口頭の三つに分ける、と分け方も決めて渡します。残り方が混ざった一覧は、口頭の決裁がどれだけあるかを数えられません。
原則2:「この案件を認めるべきか」を機械に決めさせず、認めた内容と実際の差だけを並べさせる
機械は、認めた金額と実際の金額の差を出すことはできますが、その差を認めてよいかは決められません。急ぎの修理で金額が膨らむのはやむを得ない場合もあれば、知らせずに中身を変えている場合もあります。一覧に書くのは、認めた内容と、実際の動きと、その差だけにします。認め直すかどうかは、二つ目と四つ目の表を見て、人が一件ずつ決めます。
原則3:一覧の決裁を、会計ソフトの支払いの記録と突き合わせる
会計ソフトには、いつ、どこに、いくら払ったかが必ず残っています。一覧の決裁と、会計ソフトの支払いの記録を並べ、決裁のない支払いと、決裁があるのに支払いのない案件に印をつけてもらいます。会計ソフトの側から見ると、決裁の漏れがいちばん確実に見つかります。合わない理由を書き込む欄を一つ設けておくと、次の確認がずっと楽になります。
つまずきやすい5つの型
型1:申請書の綴りだけを正とする
紙の申請書の綴りには、紙で回したものしか残っていません。口頭や連絡ツールで決まった決裁は、そこにはありません。正は、実際にお金や条件が動いた記録です。申請書の綴りは、突き合わせる相手の一つとして扱います。
型2:お金の動く案件だけを並べる
買い物や支払いの決裁だけを一覧にしがちです。値引き、支払条件の変更、新しい取引先との取引開始といった、お金がその場では動かない決裁を並べないと、あとで一番もめる案件が抜け落ちます。お金の動かない決裁も、同じ一覧に並べます。
型3:印のついた行を、確かめずに責める材料にする
範囲を超えた決裁の中には、社長が不在で急ぎだったもの、事前に社長に電話で了承を取っていたものも混ざります。印は、確かめるきっかけであって、責める理由ではありません。一件ずつ、担当者に事情を聞いて確かめます。
型4:任せる範囲を書かないまま、一覧だけをつくる
誰が何万円まで認めてよいかが書かれていないと、範囲を超えたかどうかを判断できません。一覧をつくる前か、遅くとも四つの表に分ける前に、社長が任せる範囲を一枚に書き出します。最初は大まかで構いません。
型5:一覧をつくって、決めた日に書く習慣を一つもつくらない
決裁が分からなくなる原因は、認めたときに書かないことです。認めた日に一行書く、任せる範囲の表を見えるところに置く、四半期に一度決裁のない支払いを抜き出す。この三つのうち一つからでも始めないと、担当者が替わるたびに、また同じ一覧をつくり直すことになります。
業種別の効きどころ
業種効きどころ建設業・工務店現場ごとの追加工事や材料の追加発注が、現場で口頭で決まりやすい。書面を確かめる表で、口頭の決裁が多い現場を見つける製造業・加工業設備の修理や部品の購入が急ぎで決まり、認めた金額を超えやすい。動きを確かめる表で、金額のずれの大きい案件を見る卸売業・小売業値引きや特別な条件の決裁が、営業担当ごとにばらばらに残る。お金の動かない決裁も並べて、誰がどこまで認めているかを見る飲食業・サービス業店長が備品や食材の追加を認め、本部が把握していない。人の向きの表で、店ごとの決裁の件数と金額を見る広告・制作・設計外部への発注が案件ごとに担当者の判断で決まりやすい。任せる範囲を見直す表で、範囲を超えた発注を洗い出す士業・コンサルティング少人数で決裁の決まりがなく、所長の口頭の了承だけで動く。任せる範囲の表を先につくり、口頭の決裁を一行ずつ残す
よくあるご質問
認めてよい案件かどうかを、Claude Code に判断させてよいですか
認めた金額と実際の金額の差や、任せる範囲を超えたかどうかを並べることはできますが、認めてよいかは判断させません。会社の方針、お金の事情、取引先との関係は記録の外にあることが多く、機械には見えません。この記事の手順で一覧をつくり、印のついた行を人が一件ずつ確かめるのが、いちばん確かです。
申請書や社内の連絡ツールの記録を、Claude Code に渡してよいですか
案件と、認めた人と、認めた日と金額を一覧に写すためなら、使って構いません。ただし、申請書や連絡ツールの記録には、社員の評価や取引先の内部の事情が書かれていることがあります。一覧に必要な項目だけを書き写し、それ以外は渡さないようにします。会社としてどこまで渡すかを、渡す前に決めておきます。
ワークフローのソフトを使っています。それでも必要ですか
ソフトに残るのは、ソフトで回した決裁だけです。口頭や連絡ツールで決まった決裁と、実際の支払いの動きは、ソフトだけでは見えません。ソフトの記録と、支払いの記録と、口頭の決裁のメモの三つを突き合わせることに意味があります。ソフトから書き出した決裁の一覧を、そのまま記録の一つとして渡してください。
どれくらいの時間がかかりますか
直近半年で十万円を超えた動きが五十件ほどで、申請書と支払いの記録がそろっていれば、一覧の下書きまでは一時間ほどが目安です。社長と一緒に印のついた行を確かめる時間は、別に見ておきます。次からは、一覧と頼み方の言葉を使い回せるので、新しい決裁の追加と四半期に一度の抜き出しだけで済みます。
まとめ

決裁の記録が見えないのは、決裁が紙と口頭と連絡ツールに分かれ、認めた内容と実際の動きが別の場所にあり、誰がどこまで認めてよいかが書かれていないという構造の問題
どの案件を認めるか、誰にどこまで任せるかは方針と事情で人が決めること。集めて、案件ごとにそろえて、認めた内容と実際の動きを突き合わせ、印をつけるのは機械の仕事
実務は、記録のありかの洗い出し、案件ごとのまとめ直しと種類と根拠づけ、人の向きと金額の向きで並べる、社長と確かめて四つの表に分ける、決まりを三つつくって四半期に一度確かめる、の五つ
一覧に入れる項目と残り方の分け方をこちらから指定し、認めるべきかを機械に決めさせず差だけを並べさせ、一覧の決裁を会計ソフトの支払いの記録と突き合わせる
申請書の綴りを正としない。お金の動く案件だけを並べない。印のついた行を確かめずに責める材料にしない。任せる範囲を書かないまま一覧だけをつくらない。決めた日に書く習慣を一つから始める

Claude Code導入サポートのご案内
「自社の社内の決裁を、この記事の手順で一覧にしてみたい」「申請書や社内の連絡ツールの記録を、どこまで読み取らせてよいか分からない」という方向けに、Claude Codeの導入サポートを承っています。
Claude Code導入サポート 税込3,000円

Claude Codeのセットアップから、最初の案件ごとの決裁の一覧づくりまでを一緒に進めます
認めてよいかを判断させず、認めた内容と実際の動きの差だけを根拠つきで並べさせるための頼み方の言葉を、その場で整理します
認めるたびに一行書き込み、四半期に一度決裁のない支払いを抜き出す運用を回すための、簡単な形をご提案します

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これまで多くの中小企業や一人社長の方の業務自動化をお手伝いしてきた経験をもとに、決裁の記録に限らず、日々の事務の中で「並べていないから見えない」「見えないから決められない」仕事を減らすお手伝いをしています。
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