【ロールプレイで大失敗! 認知の歪み①】

記事
学び
 メンタルヘルス不調の人が悪循環に陥る
 ネガティブな思考の癖にアプローチする
 認知再構成法とは、過度にネガティブな
 気分・感情や不適応的行動と結びついた
 認知(自動的な思考やイメージ)を同定
 して様々な視点からその認知を検討する
 ことによって代わりとなる新たな認知を
 自分で再構成するための技法なのである。
 認知の構造としては、ある特定の場面に
 おいて、瞬間的にオートマチックに頭に
 浮かぶ考えやイメージ(自動思考)には、
 妥当なものと「妥当でないもの、或いは、
 部分的にしか妥当ではないもの(否定的
 自動思考=認知の歪み)」があるもので、
 この「認知の歪み」について話をしたい。
 第1回目の今日は、「全か無か思考」を。
────────────────────
 「全か無か思考」とは、状況を連続対で
 なく、たった2つの極端なカテゴリーで
 捉えることである。これはストレス状態
 に陥り易い固定化した考え方で、物事を
 「白か黒か」の両極端で見てしまう思考
 パターンだ。勉強や仕事に例えて言えば、
 「完全にできた」「完全に失敗した」の
 二つの見方しかない、ということになる。
 お恥ずかしい話、今の私が正にその状態。
────────────────────
 過日、私は、自殺防止支援電話相談員の
 一次試験(ロールプレイ)に参加をした。
 審査対象となるポイントの一つに「適切
 な箇所で『死の問い』をしたか」という
 項目がある。「死の問い」とは、会話の
 中の相談者の言葉から希死念慮を察知し、
 「死にたいという気持ちがありますか?」
 等とストレートに尋ねるもので、この時、
 会話の流れもあって、それをしないまま
 五分間の制限時間が来てしまった。第一、
 相談者の気持ちに焦点を当てようとした
 中で、「死の問い」をする段階にまでは
 会話が発展しなかったというのが真相だ。
────────────────────
 自殺防止対策の電話なのだから、適切に
 「死の問い」をするのは当然だ。しかし、
 会話がそういう流れにならなければ当然
 そうしないことも有り得るだろう。だが、
 今の私は、審査の重要ポイントの一つで
 ある「死の問い」ができなかったことを
 致命的なミスだと捉え、そのことのみを
 もって「完全な失敗」として、終了後の
 振り返りや、その後で提出した振り返り
 シートでも繰り返して反省の弁を述べた。
────────────────────
 このケースは、「死の問い」を「するか
 しないか」の両極端で私が見ているため、
 「死の問い」をすれば「完全にできた」、
 しなければ「完全に失敗した」の二つで
 しか考えていない。会話の流れでそうは
 ならないこともある、という中間の発想
 がないのだ。加えて言えば、自殺防止の
 電話自体が初体験で、試験ということで
 緊張もしている(元々、失敗できないと
 思うと実力を発揮できない性分である)。
 今「完全にできる」方がどうかしている。
 これが採用試験であることがその考えを
 妨げがちだが、下手に誤魔化しの技術で
 採用されてもろくな相談員にはなれない。
 今後じっくり各種養成講座等受けて力を
 つけるに限る。少なくとも私はそう思う。
 このように思うことが「認知の修正」だ。
────────────────────
 とは言え、この失敗は結構引き摺ってる。
 にも関わらず、本日、通過の連絡があり、
 次週12日に第二次の電話審査へと進む
 ことになった。「相談者に寄り添おうと
 する姿勢を感じてもらえた」「そもそも、
 『死の問い』はよほど意識的にしようと
 思ってしないと難しい、ということへの
 理解が得られた」「振り返りシートでの
 自己評価と講師評価がほぼ近かった」と
 いうこともあってか、「B」評価だった。
 一先ずの安堵と新たな恐怖が一遍に来た。
 審査側の「中間の発想」に助けられた私。
────────────────────
 駄文の御閲覧、心より感謝申し上げます。
白か黒か.jpg

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す