【詩】"とうめいにんげん"の詩

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"とうめいにんげん"は とうめい
"とうめいにんげん"は まねっこ
だれかさんの ものまねしなけりゃ
おとなりの色 ぬすんでこなけりゃ
生きてなんて いけないのさ

生まれたままの "とうめいにんげん"
すっぱだかで 恥ずかしい
"とうめいにんげん"は……
   言葉も知らない子供に なりたかった
   世の理を説く大人に なりたかった
   誰も辿りつけない過去に なりたかった
   皆が夢見る未来に なりたかった
あるいは 限りなく全てに平等に……
   ただ流されていけばよい水流や
   人を識る方法のない風や
   星を縫いながら拡がることだけ考え続ける宇宙や
   在ることのみで許される石英に なりたかった

けれども "とうめいにんげん"は そのどれにも
なれなかったので
"とうめいにんげん"は 私になった
このとき "とうめいにんげん"は死んだのだ。

さて、私が何色になったのか……
それは、言うことができないのです。



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