秋のはじめ、育てる手をゆるめる

秋のはじめ、育てる手をゆるめる

記事
占い
朝の空気がふっと軽くなって、日中の光がすこし斜めに差し込むようになりました。庭先や道ばたの緑も、夏のあいだの張りつめた濃さがほどけて、やわらかな色へ移り変わっていきます。稲穂が重く頭を垂れるのもこの季節です。あれは実っているから下がるのであって、弱ったからではありません。

自然は、育てるものを最後まで握りしめません。芽を出させ、伸ばし、そしてある時期から先は、土も風も何も足さなくなります。日照りの日も、雨の日も、ただそこに在る。手を引くことが、育てることの一部になっている季節だと私は感じています。

このころになると、後輩や部下との関わりについてのご相談が増えてまいります。丁寧に教えてきたのに響いている気がしない。任せてみたら思っていたのと違う形になって戻ってきた。かといって細かく言えば、相手の顔が曇っていく。どこまでが自分の役目なのか、境目が見えなくなってしまった、と。

波動を拝見していますと、こうしたご相談をくださる方の多くは、ご自身のエネルギーが相手のほうへ大きく伸びきった状態になっています。悪いものではありません。むしろ、相手の成長を本気で願っている方ほど、こうなります。ただ、伸ばしたままでいると、自分の根元のところが薄くなってまいります。疲れの正体は、相手の出来不出来ではなく、この伸びきりであることが少なくありません。

ひとつ、お伝えしたいことがあります。相手が育たないように見えるとき、育っていないのではなく、あなたに見えるかたちで育っていないだけ、ということがよくあります。土の中の根は、外から見えません。芽が出るまでの期間は、何も起きていないように見えます。けれども土の下では、見えないところで長さと太さを蓄えています。人も同じような時期を持ちます。あなたの言葉が届いていないのではなく、まだ地上に出てきていない段階なのだと考えてみてください。

その上で、迷いが出てきた今は、少し手をゆるめてよい合図だと受け取ってみてはいかがでしょうか。教えることをやめるという意味ではありません。相手が失敗する余白を残しておく、という意味です。先回りして整えたものからは、その人自身の判断が育ちにくくなります。転んだところ、うまくいかなかったところこそが、その人の芯になっていきます。あなたが自分の道でそうしてこられたように。

そして、あなたが誰かを育てる立場になったということは、あなたご自身がかつて誰かに育てられたということでもあります。その方も、おそらく同じように迷っておられたのではないでしょうか。完璧に導いてくれた人などいなかったはずなのに、あなたは今ここまで来ています。それが、手をゆるめても大丈夫だという何よりの証しになります。

秋は、実らせる季節であると同時に、手放す季節でもあります。木は葉を落とします。落とすことで、次の春の力をたくわえます。あなたが今抱えておられる迷いも、何かを落とす準備として訪れているのかもしれません。

うまく育てられない自分を責める必要は、どこにもありません。迷っているということは、相手を人として見ているということです。ものを扱うように接している方は、そもそも迷いません。その迷いこそが、あなたの誠実さのかたちだと私は思います。

もし、ご自身のエネルギーの今の状態や、その方との関係のめぐりについて静かに見つめてみたくなりましたら、プロフィールページをのぞいていただけましたら嬉しく思います。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す