「誰もデザインできない」から始まった、外部のプロとの理想的な関係〜ココナラ募集で見つかった「伝わる資料」の作り方

地方の空き家を買い取り、現代の多様な暮らし方に合う形へとリフォームし、手の届きやすい価格で再販する――。日本全国で「中古住宅を住みつなぐ」ビジネスモデルを展開し、業界をけん引しているのが株式会社カチタスです。同社は、空き家問題の解決とアフォーダブル住宅(手の届く手ごろな住宅)の提供を同時に実現する、社会的意義の高い企業といえます。

そのカチタスが、ESGやサステナビリティへの取り組みを伝える「統合報告書」のデザイン制作に活用しているのが、スキルの公募型マッチングサービス「ココナラ募集」。今回は、ESG/サステナビリティ推進室の長島秀実氏に、統合報告書の位置づけや外部パートナー選定のポイント、そしてスキルシェアを実際に活用した感想などを伺いました。

目次

「マイホームを諦める人に住宅を」──地域に根ざし、空き家を魅力的な住まいに変える

本日はよろしくお願いします。まずは貴社のビジネスモデルについて教えてください

当社は中古戸建住宅を買い取り、リフォームして再販売する「中古住宅買取再販事業」を展開しています。水回りや設備の入れ替え、間取りの変更など、現代のニーズに合わせた形で再生し、手の届く価格で次の方に住みつなぐという仕組みです。

実は当社が買い取る住宅の8割以上が空き家です。現在、日本では900万戸の空き家があり、そういった意味で事業を通して社会課題の解決にもつながっていると言えます。

しかも、新築の半額程度で購入が可能。住宅ローンの月々の支払いが、家賃とほぼ変わらない金額になるケースもあり、「家が欲しいけど手が届かない」と感じていた層に選ばれています。

多くの企業が参入する不動産業界の中で、どんな強みがあるのでしょうか?

「戸建て住宅の実績が多い」ということが強みになります。マンションと違い、戸建てはシロアリや雨漏れ、土地の境界といった個々の課題が多くあり、リフォームの難易度が非常に高いんです。そのような中、当社は累計で8万戸以上の再生実績があり、その「データとノウハウの蓄積」は大きな武器になっています。

また大手があまり参入しないような、都道府県庁のある都市ではない「地方の地方」に強いという点もポイントです。そういったエリアも含め、全国に130以上の直営店舗を展開し、その結果中古住宅買取再販事業に関する販売戸数は12年連続でダントツのNo.1*となっています。
※リフォーム産業新聞【買取再販年間販売戸数ランキング】2025年7月28日発行

募集から数日で優秀な人材が集まる。「出会える仕組み」の魅力

ESG/サステナビリティ推進室 長島秀実さん

今回「ココナラ募集」でデザインを依頼することになった統合報告書について教えてください。

サステナビリティやESGの観点が企業活動に不可欠となった現在、社会に対する「説明責任」を果たす必要があります。特に当社は、空き家を再生して次の方へ住みつなぐという社会課題解決型のビジネスを展開しているため、投資家や取引先はもちろん、社員や地域社会といった幅広いステークホルダーに対して、経営理念や社会的意義をきちんと伝えることが重要だと考えました。

その一環として2020年に「ESGレポート」を発行し、非財務情報の開示を始めました。さらにその後は、財務データと非財務データを包括的に示す形へと発展させ、現在の「統合報告書」として毎年発行を継続しています。単なる情報公開ではなく、経営の姿勢や長期的な方向性を共有するためのコミュニケーションツールとして位置づけている点が特徴です。

制作に「ココナラ募集」を使うことになったきっかけを教えてください。

2020年にESGレポートを作ることになった当初から、「極力社内で制作を」という方針が掲げられていました。インタビューや文字起こし、原稿制作、データ収集などはなんとか社員でこなせたのですが、デザインだけは社内で手が回らず、どうしても対応しきれないということを実感しました。

この場合、通常ですと制作会社や印刷会社に依頼するのが基本ですが、どうしてもコスト面で見合わず…。そのような中、CMを見たことのあったココナラがあることを思い出し、一度使ってみようという話になりました。

なぜ、ココナラの中でも「ココナラ募集」を活用されたのでしょうか?

デザインを依頼することが初めてだったので、自分たちの予算感で、誰がどのようなところまで対応してくれるのかということに対して全くわからなかったんです。

そこで注目したのが「ココナラ募集」でした。ココナラ募集であれば、自分たちで要件定義をして公募をすれば、それに対して応募をしてくれるということだったので、まずはこの形でやってみようという話になりました。

2020年に初めてココナラ募集を通じてデザイナーさんに作業をしてもらったのですが、私たちが用意した全く整っていない資料(笑)を、「本当にこんなに良くなるんだ!」と思うくらいすばらしい完成度で仕上げていただきました。デザインの力って大切なんだなということを感じ、以降毎年頼むようになりました。

2021年 ESGレポートより 
自社で制作した資料(左)と、ココナラ募集を通してデザイナーが制作した資料(右)

デザイナー選定のポイントや、具体的な制作依頼のプロセスを詳しく教えてください。

短期間で多様なクリエイターから提案が得られるのは、大きな魅力だと感じています。特にここ数年は応募者の数も質も大きく向上しており、今年は募集開始からわずか1〜2日で10名以上の応募が集まりました。ココナラではクリエイター保護の観点から募集段階でラフなどを提案してもらうことはできないので、ポートフォリオやこれまでの販売実績、納品完了率やNDAの締結状況などを総合的に判断して選ばせていただいています。

決定した方との進め方ですが、ビデオチャットを使わせていただいたこともあるものの、ほとんどはテキストのみのやり取りで進めています。作りたいもののイメージをお伝えしながら、細かなニュアンスの部分についてはビデオチャットで顔を合わせて相談ができたので、非常にスムーズに進行することができています。

“見せ方”を磨くことが、社会との関係を強くする

なかでも印象に残っているアウトプットはありますか?

「表紙」と「価値創造プロセスの図」です。表紙に関しては、街並みとキャラクター、ロゴを組み合わせた複数の案を提案していただき、細部まで丁寧にすり合わせを重ねながら最終形を決定しました。単なるデザインではなく、「会社の姿勢をどう象徴的に表現するか」を一緒に考えられたプロセスが印象的でした。

また、価値創造プロセスの図は、社内で作成したパワーポイントのラフ案をベースに、デザイナーの方がゼロから描き起こしてくれたものです。これは、ESG(環境、社会、企業統治)指標が企業価値向上にどのように寄与するかを説明するための図なのですが、完成したビジュアルは「一目で理解できる」と社内でも非常に高い評価を受けました。複雑な概念を直感的に伝えられる表現に仕上がったことは、まさに外部のプロに依頼する醍醐味だと感じています。

統合報告書2025」より 
表紙(左)と、価値創造プロセスの図のBefore→After(右)

統合報告書の社内外での活用や反響についても教えてください

統合報告書は、IR資料として投資家や株主の方々に提供しているだけでなく、採用活動にも積極的に活用しています。

先輩社員の声などを取りまとめた採用パンフレットも制作していますが、統合報告書は、私たちのビジネスの背景や社会的役割がストーリーになった「当社の価値観や社会的意義が一冊で伝わる資料」として非常に有効であり、就職活動中の学生に会社の理解を深めてもらう入り口になっていると感じています。

ありがとうございます。
最後に、同じように外部人材の活用を検討している方へ、アドバイスをお願いします。

今は、すべてを社内で完結させるのが難しい時代です。人手不足もありますし、「何でもできる人」を求めるよりも、必要なときにプロに任せたほうが、結果としてコスパもパフォーマンスも良くなると感じています。

しかもココナラ募集は、複数のクリエイターから提案を受けて、比較・検討しながら選べる仕組みがあります。これは従来の「知っている業者に頼む」という発想にはなかった選択肢で、より良いアウトプットにつながる大きな強みだと思います。

まずは、見積もりを取ってみるところから始めてみてはいかがでしょうか。コストも納期も、思っている以上にフィットする提案が得られるはずです。「こういうときはココナラを使ってみよう」と、企業の中で選択肢の一つとして定着していくといいですね。

株式会社カチタス
設立   :1978年9月1日
事業内容 :中古住宅再生事業
公式サイト: https://katitas.co.jp/

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