「新しい風を取り入れるきっかけに」―ABCラジオが挑んだ、番組ロゴ制作に“ココナラ募集”を活用した理由

関西を拠点としたラジオ局・朝日放送ラジオ株式会社(ABCラジオ)が放送する人気番組「ツギハギ月曜日〜ヤーレンズのダダダ団!」。番組1周年イベントの開催決定をきっかけに番組ロゴ制作プロジェクトが始動しました。そこで活用したのが、『ココナラ募集』。全国からロゴデザインを募ったところ、わずか1週間ほどで122名もの応募が集まりました。 

従来の方法である内製や限られた外部パートナーとの取り組みから一歩踏み出し、“オープンな公募”によって、想像を超える熱量と提案に出会えたというこの取り組み。社内外の反応や、ラジオ業界における外部スキル活用の可能性、そして今後の展望について、同局でプロジェクトを推進した原田大輔さんに話を伺いました。 

目次

地域密着とデジタル化の両立を目指すABCラジオの今

メディア推進部 原田大輔さん

まずはABCラジオの特徴について教えてください。

関西を拠点とするラジオ局で、報道機関として災害発生時や緊急報道など、公共性の高い情報をタイムリーに届ける使命を果たすとともに、地域密着型の番組を数多く展開しています。全国高校野球選手権大会の中継を行なっているのも特徴の一つです。 

AMラジオはその特性上リスナーとの距離が非常に近く、日常的に寄せられるメッセージやお便りが番組作りの原動力となっています。また最近ではイベントなども積極的に企画しながら、「よりファンと密着したコミュニケーション」を意識した取り組みも行っています。 

そうした中で、デジタル領域にも力を入れている背景には、どのような課題の意識があったのでしょうか?

地域に密着した番組はもちろんですが、中には全国、さらには世界にいる皆さんに楽しんでいただけるコンテンツも数多くあり、配信チャネルの多様化が不可欠だと考えていました。 

そのような中、radikoやポッドキャスト、YouTubeといったプラットフォームが充実してきたこともあり、それらを活用することで、番組の世界観やパーソナリティの魅力をより多くの人に届けることを目指しています。 

ココナラ募集を活用するまでの背景と決断

今回、「ヤーレンズのダダダ団!」のロゴを制作することになったきっかけを教えてください。 

以前から、番組パーソナリティのヤーレンズのお二人やスタッフから「自分たちの番組ロゴが欲しい」という要望があったんです。 

そのような中、番組初のイベント「ヤーレンズのダダダ団!決起集会」を9月に実施することが決まり、そこで配布するグッズやステッカーを作ることになったのをきっかけに、「それなら、まずは番組のロゴを作ろう」という話になりました。 

9月15日(月・祝)開催 ヤーレンズのダダダ団!決起集会 特設サイト 

今回は、なぜココナラ募集で実施しようと考えられたのですか?

「新しいチャレンジをしてみたい」という思いが理由の一つです。これまでであれば社内のデザイナーか、付き合いのある外部パートナーに依頼するのが一般的でした。そうした関係は安心感がある一方で、どうしても発想が固定化されてしまう傾向がありました。 

今回はより幅広い提案を受けてみたいという思いから、CMで見たことのあったココナラが提供している「ココナラ募集」を使ってオープンに募ってみようと決断しました。

実際にココナラ募集を使ってみて、運用面での印象はいかがでしたか?

初めて利用したので要件定義や応募の整理などが大変になるのではないかと懸念していましたが、テンプレートやサポートが非常に充実していて、驚くほどスムーズに進行できました。 

今回は番組ディレクターと一緒に投稿文を作成したのですが、より「番組らしさ」をアピールできるような募集にしていくことも心がけました。そういった柔軟な表現が簡単にできるのも魅力的でしたね。 

応募者122名、想像を超える熱量と多様性

122名もの応募があったと伺いました。反応はいかがでしたか?

率直に言って、想像以上でした。応募してくださった方の多くが、番組の空気感やパーソナリティのキャラクター性まで汲み取ってくださっていて、「ここまで読み込んでくれるのか」と驚かされました。 

最初の募集は、ご自身のポートフォリオの提出や番組・ヤーレンズに向けた思いを書いてもらう形にしました。某有名アーティストのミュージックビデオのデザインを手掛けられている方から、ロゴ制作は未経験だけども番組への愛を長文に綴ってくださる方など幅広くご応募いただくことができ、応募時点からかなりの熱量を感じることができました!

選考はどのように行われたのですか?

応募者の中からプロフィールや実績、コメントなどを参考に5名の方にラフ案を依頼しました。その中から番組SNSを通じてのアンケートなどを行いながら、最終的には番組が中心となって選びました。 

とにかくその5作品のバリエーションが豊かでどれも甲乙つけがたく、選ぶ時は本当に悩みました……。採用された案以外にも「ぜひ別の形で使いたい」という声が多く上がったのも印象的でした。 

外部人材の活用がもたらす社内の変化

今回の取り組みを通して、社内にはどのような変化がありましたか?

社内にも今回の取り組みを事例として共有したのですが、別の制作チームからも「次は自分たちの番組でも挑戦してみたい」という声が上がるなど、非常にポジティブな空気が広がりました。

普段なかなか新しいパートナーと組む機会がない中で、実際に良い成果が出たことが、チャレンジへの心理的ハードルを下げたのだと思います。

外部人材を活用することに対して、社内では不安の声もありましたか?

最初は「知らない人に任せて本当に大丈夫なのか?」という声もありました。ただ、最終的に上がってきた提案の熱量や質を見て、その不安は一気に払拭されました。 

今回のような成功事例ができたことで、ほかの部門やプロジェクトでも「外部と組む」という選択肢が現実的なものとして検討され始めています。 

ココナラとラジオの親和性、そして未来の可能性

番組内でココナラが企画の告知をしました

ラジオというメディアとスキルシェアの親和性について、どのように感じていますか?

非常に高いと感じています。ラジオは昔からリスナー参加型の文化が根付いていて、外部のアイデアを積極的に取り入れて番組を作ってきた歴史があります。今回の取り組みを通じて、ココナラのようなスキルシェアプラットフォームは、ラジオの文化と非常に相性が良いことがわかりました。 

例えば今後は、番組ごとのサウンドロゴやジングルの制作、場合によっては放送作家の協力、番組ディレクションや脚本作成といった業務にも広がっていく可能性があると感じています。番組の色を出すプロデューサーの力は欠かせませんが、もしかすると「番組制作を全てココナラで発注する」のような企画もおもしろいかもしれませんね(笑)。 

それはとてもおもしろそうですね!それでは最後に、外部人材の活用を検討している企業や放送局に向けて、一言お願いします。

迷っている方こそ、一度試してみてほしいです。私たちも最初は恐る恐るでしたが、外部の力を借りることで、社内の選択肢が一気に広がることを実感しました。今回のような体験を一度すれば社内の意識も変わりますし、何より「新しいことをやってみることの楽しさ」に気づけると思います。 

特に人材不足や多忙で新しいことに手が回らない現場ほど、こうしたスキームは有効だと思いますし、外部の力を積極的に借りていくことで、企業はどんどん成長していくのではないでしょうか。 

制作者の声

122名の応募者の中から、朝日放送ラジオが実際に依頼した出品者にも話を聞きました。

べるず@記憶に残る心理戦略デザイナーさん 

今回の企画に参加しようと思った理由を教えてください。

ラジオリスナーとして、またヤーレンズファンとして日頃から番組を楽しませていただいており、 「ロゴを通じて番組の世界観づくりに関われたら…」という想いで迷わず応募しました。
普段から“見た瞬間に感情が動く”デザインを大切にしているので、その感覚を番組ロゴに活かしたいと強く思いました。
 リスナーの一人として、番組愛をカタチにできる貴重な機会だと感じたことがきっかけです。 

制作にあたり、どのようなことを工夫しましたか?

リスナーが思わず「ステッカーにして持ち歩きたくなる!」と思えるような親しみやすさを大切にしました。
“ツギハギ”というキーワードから着想を得て、自由でポップ、でもどこかクセのある雰囲気を意識しています。
ヤーレンズのお二人の表情も“らしさ”がにじむよう何度も描き直しました。 
見る人がニヤッとできるような、笑いの余白が残るデザインを目指しました 

実際の放送でべるず様への依頼を発表されましたが、どう感じられましたか?

嬉しさと驚きと緊張と…とにかく色んな感情が一気に押し寄せてきました!
大好きな番組に自分のデザインが採用される日が来るなんて…と、しばらく実感が湧きませんでした。 
ロゴが発表された放送回では、名前を読み上げていただいた瞬間、思わず声が出ました(笑)。 
リスナーとしても、デザイナーとしても本当に忘れられない体験になりました。

番組へのメッセージがあれば、ぜひお願いします!

このたびは、貴重な機会を本当にありがとうございました。 
番組の魅力は、情報も笑いも“ぎゅうぎゅうに詰まってる”ところだと思っています。 
そんなツギハギ感(いい意味で)や遊び心を、ロゴを通じてこれからも伝え続けていけたら嬉しいです。 
今後もリスナーとして全力で応援しています! 

朝日放送ラジオ株式会社 
放送開始日:昭和26年11月11日 
事業内容 :放送法による基幹放送事業および一般放送事業 他 
公式サイト: https://corp.asahi.co.jp/ja/radio/index.html 

ツギハギ月曜日〜ヤーレンズのダダダ団! 

ABCラジオにて、毎週月曜日21:15〜23:30に放送されている「ツギハギ月曜日〜ヤーレンズのダダダ団!」 
ヤーレンズが週替わりパートナーを迎えてお届けする新スタイルの番組で、リスナーから届いたマニアックな知識をインプットするコーナーや、パートナーに沿ったトークテーマを紹介。
ヤーレンズの番組史上一番お便りを読む番組です。 
番組HP: https://abcradio.asahi.co.jp/tsugihagi/ 
公式X : https://x.com/dadadadan18271 

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