フリーランス人事という “第三者” がもたらす、現場と経営をつなぐ力 / ニタシゲユキ

30年以上にわたって外資、自動車、小売、建設など多様な業種での人事キャリアを積み上げてきたニタシゲユキさん。現在はココナラスキルマーケット(以下「ココナラ」)やココナラアシストなどを通じフリーランス人事として活躍するニタさんは、個人向けには書類添削・模擬面接などのサービス、法人向けには採用支援や人事制度設計、大学連携まで担っています。ココナラでの総販売実績は1590件、購入者評価は5段階中4.9、出品者ランクは5年連続で最も高い「プラチナ」を獲得しています。

さらにAI活用にも意欲的で、「人事×AI」という視点で新たな働き方や価値創造にも挑んでいます。そんなニタさんに、これまでのキャリアの歩みやフリーランス人事という働き方の可能性、そして人事DXへの展望を伺いました。

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「偶然」だったキャリアの原点と転機

ニタさんは最初から人事の道を志していたのですか?

いいえ。新卒時はシステムエンジニアを目指して就職活動を行い、SIerに入社したのですが、そこでの配属が想像もしていなかった人事総務部だったのです。

希望とは異なり戸惑いもありましたが、同社の人事教育システムは当時としては非常に先進的で、社員教育のプログラムや研修のファシリテーターなどを経験するうちに、「人と関わることのおもしろさ」に気づかされました。今振り返ると、偶然の配属が人生を変えた原点でしたね。

想定外の部署ではあったものの、同社での経験は大きかったのですね。

自分には向いていないのではと思っていましたが、いつからか「今後も人事として生きていきたい」と考えるようになっていました。 
6年ほど勤めたのちに転職を考え、東京ではないところでの生活をしてみたいという想いもあり、自動車メーカーのフォルクスワーゲングループジャパンへ入社しました。ちょうど日本法人の立ち上げ期で、組織も制度もゼロからつくるフェーズでしたが、グローバル基準の運用に沿って日本仕様に整えていくという、まさに“翻訳と適応”の連続で、非常に多くの経験を積むことができました。 

また、本社がある愛知県豊橋市では地元採用の社員と外資系カルチャーの融合も求められ、バランス感覚を磨くこともできたと思います。 

その後さまざまな業種の企業を経験されましたが、それぞれどのような取り組みをされたのですか?

小売業を営む企業では急成長に伴う人材不足が深刻で、「次々と人が必要になる」「人を採用してもすぐ辞める」という課題と向き合っていました。また建設業では、そもそも対象となる学生の母集団が小さい中での採用が課題となっており、大学の研究室に直接アプローチをしながら地道な信頼構築から始めました。どちらも“制度”だけではなく、現場を理解し、汗をかいて動く必要がある現場でした。

複数の企業を経験して感じたのは、「業種によって、求められる人材のカラーが全く異なる」ということでした。同じ人事の施策でも「業界に合った言語で語る」必要があると痛感しましたし、その経験が今複数の企業を支援する上でも大きな武器になっています。

「フリーランス人事」としての挑戦

ココナラを使い始めることになったきっかけについて教えてください。

これも偶然です(笑)。ある日何気なくPCを見ていた時にココナラを見つけ、「こんな働き方もあるんだ」と気軽な気持ちで登録したのが始まりです。

当初は副業として、就活・転職書類や小論文添削のサービスを出品していました。最初の1年はなかなか依頼が来ませんでしたが、地道に実績と評価を積み重ねるうちに、2年目から徐々に依頼が増えてきました。 

すぐに独立されたわけではなかったのですね。 

はい、当時は企業に正社員として勤めていたので、まずは給与に含まれていた“みなし残業45時間分”を外してもらい、残業のない勤務体系にしてもらいました。当然、給料は減りましたが、ココナラでの収入が少しずつ伸びていたので、生活はなんとか成立していたんです。 

その後は週3勤務にしてもらってさらに時間を確保し、収入バランスが逆転してきたタイミングで正社員を辞めてフリーランスに一本化しました。すべてが計画的だったわけではないですが、無理なく移行できたのは大きかったですね。 

現在はココナラアシストで法人案件にも関わっていますね。そのきっかけはなんだったのでしょうか?

はい、フリーランスになって時間が自由になり、継続した業務委託にも対応できるようになったことで始めました。現在は2社の業務に携わっています。そのうちの1社は人事の経験に加え「大学訪問をしてほしい」という、まさに建設会社に勤めていた頃の経験が生きるオーダーだったのです。

現在は主な仕事として、大学を回ってインターンシップの企画・運営や学生との面談などを行なっています。 

企業や大学の「フリーランス人事」という立場に対する目線はどのようなものでしょうか?

面会する大学の担当者にも、正直に「個人事業主として企業の採用活動をサポートしている」と伝えていますが、ネガティブな印象は全くありません。私自身「第三者的な目線」を大切にして、業界全体を見ながらフラットに評価し、その上で企業の魅力を伝えることを意識していますので、そのようなスタンスを評価いただいているのかもしれません。 

また、自分ならではの価値を生み出し、担当者に覚えてもらうことも意識しています。現在はAIを活用した会社研究の方法などをまとめ、実際にデモなども行なっています。このような活動を通していくつかの大学にはとても信頼していただけるようになり、今では学生に対して業界のレクチャーをする機会などもいただくようになりました。 

大学でのレクチャーの様子。多くの学生が真剣に耳を傾けてくれます

AIで変わる人事の仕事と“働き方の価値”

AIにはいつ頃から関心をお持ちになられたのでしょうか?

最後に勤めていた会社でのできごとがきっかけです。その会社では英語のメールが日々50件以上来ていたんです。英語でのコミュニケーションを効率化するため、英文メールの内容把握から返信文作成まで、ChatGPTに簡単な指示をするだけで完結するようにしたところ、業務が劇的に効率化され、週5日分の業務を3日で完了できるようになり、身をもってAI活用による大幅な時間短縮効果を実感しました。 

それをきっかけにAI活用に目覚め、現在は独学で人事の仕事にAIを取り入れることにチャレンジしています。ちなみに先ほどお話しした就活生・転職希望者向けの「AIを活用した会社研究」は『ココナラコンテンツマーケット』でも出品しています。 

「人事×AI」の可能性についてどう考えていますか?

人事こそ、AIを使って業務を効率化させながら、“人にしかできないこと”に集中すべき職種だと思っています。私は「仕事=我慢」ではなく、「仕事=人生を豊かにする」時代をつくりたいと考えています。

そのためには、単純作業や煩雑な事務はAIに任せて、人事はもっと人と向き合う時間を持つべきです。この思想を伝えるためにも、自分が実践して結果を示すことが大切だと思っています。

スタートアップや中小企業こそ“フリーランス人事”を活用すべ

どのような企業フェーズでフリーランス人事が活きると思いますか?

どのような規模でも活きると思いますが、最も効果を発揮するのは「30人前後の会社」でしょうか。まだ人事の専任を雇う余裕はないけれど、制度も採用も必要。そんな“過渡期”に、フリーランス人事が短期・中期的に入ることで組織が整っていくのではと考えています。

ありがとうございます。最後に、利用を検討されている企業にメッセージをお願いします。

小規模なスタートアップや中小企業では特に、「実行できる人材」が求められていると感じています。私は人事コンサルタントとしてアドバイスするだけでなく、実際に大学を回ったり、説明会を運営したり、 “現場に入って汗をかく”ことも合わせて実行することができます。

また、採用サポートだけでなく教育や制度設計も並行して支援することができますので、範囲を定めず人事に関する悩みがあればぜひ何でも相談してください! 

人事・AI活用支援/ニタシゲユキ

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