「普通の人間」の感性から、若者に刺さるヒットコンテンツを生む HA-LU岡社長が語る“推し”時代の動画制作とAI活用術 

株式会社HA-LU 代表 岡 春翔さん

Z世代・α世代に刺さるショートドラマを次々と生み出し、テレビをはじめとしたメディアでも多く取り上げられるなど、今最も注目を集めるショートコンテンツレーベル「HA-LU」。TikTokを中心に話題となるコンテンツを多数手がける同社の代表・岡春翔さんは、自社の“秘伝のタレ”ともいえる企画・脚本づくりに、AIを積極的に導入しています。

その中でも、制作現場のスピードとクリエイティブを両立を手助けしているのが「ココナラAIスタジオ」。今回は、同サービス導入の背景から活用シーン、実際の変化まで、岡さんのリアルな声をお届けします。

目次

「坊主頭の男子校時代」から生まれた青春への憧れが、動画事業の原点に

動画事業を始めたきっかけは、「自分に青春がなかった」ことだったと語る岡さん。

「僕、男子校出身でずっと坊主だったんですよ。いわゆる“青春”というものが人生に存在しなかった。でも、その時代に感じていた憧れをコンテンツとして再現できたらおもしろいんじゃないかと思ったんです」

そんな想いから生まれたショートドラマが、ちょうど中国から日本に“縦型動画”の波が来ていた市場拡大のタイミングと重なり、一気に会社としても成長。現在ではアニメや漫画コンテンツも展開し、企業とのタイアップによる広告動画も多数手がけるなど、事業の幅を大きく広げています。

現在、HA-LUは主に二つの収益モデルで動画制作を展開しています。一つはユーザーによる動画の課金、もう一つは企業のマーケティング支援です。 

「現状の売上は、後者のマーケティング支援の方が多くなっています。日本では動画に課金するという文化がまだ根付いていない。漫画であれば払う人も多いですが、ドラマに100円払うという感覚はまだ一般的じゃない。だからこそ、これからさまざまなことを仕掛けていく必要があると思っています」 

「推したくなる」動画づくりを支える、ココナラAIスタジオ

世の中のコンテンツ消費スピードがどんどん加速する中、特にその傾向が顕著なZ世代、α世代向けのコンテンツを日々生み出すには、スピード感と安定したクオリティが欠かせません。

その両立の手助けを可能にしたのが、「ココナラAIスタジオ」でした。

「TikTokはメディアとしての“枠”がない分、いくらでも投稿できる。だからこそ、クリエイティブの質を保ちながら制作の生産性を上げる必要がありました。そうした時、AIを使えば“発想をすぐに形にできる”と感じたんです」 

岡さんは、AIを「創造力を加速させるツール」として定義。アイデアをすばやくプロトタイピングし、短時間で精度の高い企画を立てられるようになったと語ります。

脚本の「冒頭3秒」と「神コメ」を生み出す方程式をAIが支援

HA-LUが運営しているTikTok「ハル学園」

「寝る前に5分だけ」などのシーンで消費されることも多く、短く鋭いコンテンツが重視されるショート動画の世界では、冒頭の数秒で視聴者の心を掴むことが命。ユーザーの心理や行動を細かく読み解き、動画に“引き”を持たせることが求められます。その中でもHA-LUでは特に、「冒頭3秒の引き」と「神コメが生まれる構成」を重視しています。 

この重要な“型”を支えるのも、ココナラAIスタジオです。

「これまで自分たちが制作してきたヒット作のデータをAIに学習させ、“引きが強い冒頭”のパターンを抽出したり、コメント欄が盛り上がる要素を分析したりしています。AIにすべて任せるのではなく、うまく活用しながら人の感性と組み合わせることで最適解にたどり着けるんです」

また、プロンプト(対話入力)の精度を上げることで、日々の業務で「すぐに使えるアウトプット」が増えているとのこと。現場での使いやすさと再現性の高さが、ココナラAIスタジオ導入の決め手になったそうです。社内での浸透スピードも早く、今では制作の軸として活用されています。

ココナラAIスタジオ導入で、脚本叩き台の制作工程は約7割削減

ココナラAIスタジオ

実際にココナラAIスタジオを導入してから、制作現場では大きな時間短縮が実現されています。

「企画や脚本の壁打ちにココナラAIスタジオを活用することで、感覚値ではありますが脚本の叩き台の作成については約7割削減、以前は5時間かかっていた工程が2時間に短縮されたこともあります。制作本数が単純に増えるというだけでなく、クオリティも保たれているのが重要なポイントです」

加えて、ココナラAIスタジオはカスタマイズ性が高く、「HA-LUのスタイル」に合わせた設計ができることも評価されています。

「自分たちには、こういう構成で作ればユーザーに受け入れられるという、“秘伝のタレ”のようなノウハウがあります。これをAIに学ばせるような感覚ですね。社内で共通言語として使えるようになると、説明コストが減って誰でも一定以上のアウトプットが出せる環境が作れました」

「普通」であることが、最大の武器になる

この“秘伝のタレ”はどのように生み出されているのか?そのヒントは、岡さんが自らを語るときに何度も出てきた「普通の人間」という言葉。

「僕は特別な感性があるわけじゃない。でも、それが強みなんです。普通の感覚があるからこそ、“マス”の気持ちがわかる。みんなが共感できるコンテンツをつくるには、それが一番大事だと思っています」

ただ、少しずつ離れていく現役世代との意識のズレを埋める努力も欠かしません。高校生のリアルな気持ちを知るため、現場の演者や若いスタッフとの会話を重視。SNSのトレンドも毎日欠かさずチェックするなど、日々の暮らしそのものが情報収集の場だと語ります。

テクノロジーと人間の想像力を掛け合わせて、「心を動かす作品」を産み続け、クリエイターテーマパークを作りたい

岡さんは「まだまだAIに全部任せる時代ではない」としつつも、制作現場にとってAIが欠かせない存在になっていると断言します。

「とはいえ、僕たちはあくまで『人の発想を加速するためにAIを使う』というスタンスです。普通の感性だからこそ、マスの気持ちがわかる。そこにAIを組み合わせることで、さらに強くなれる。これはHA-LUの制作哲学ですね」

現在、HA-LUの社員数は十数名。制作に関わる業務委託スタッフを含めると約40名ですが、今後も「むやみに人を増やすことはしない」と岡さんは言い切ります。 
「人を増やせば良い作品ができる、とは限らない。むしろ少人数で質の高いものを作れる方がカッコいいと思っています。だからこそ、AIの活用は不可欠です。AIを取り入れることで、“むやみに人を採用せず売上を高める”という選択肢が現実になるんです」

最後に、HA-LUの今後のビジョンを岡さんに伺うと、その答えは「クリエイターテーマパークを作りたい」というものでした。

「渋谷という街から、若者に向けた“推せる”IP(知的財産)を生み出し続けたい。だからこそ、ココナラAIスタジオのようなテクノロジーと人間の創造力を掛け合わせて、これからも“心を動かす”作品をつくっていきます」

株式会社HA-LU
設立  :2024年4月30日
事業内容:ショートドラマをはじめとする映像制作事業、企業のマーケティング・ブランディング支援 他

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