フリーランス人事のパイオニアとして「良い職場に、良い人材が集まる会社を増やしたい」/人事採用代行・JINJI8 

JINJI8 岡邑亜由美さん

労働力不足が叫ばれて久しい日本。優秀な人材の確保は規模問わず企業成長には欠かせませんが、中小企業の中には人事部門を置くことができず、経営者自らが慣れない採用活動を行っているといったケースも多く見られます。

そのような中、2018年から全国の中小企業の求人原稿作成サポート・採用コンサルティングを行っているのがJINJI8(ジンジヤ)の岡邑亜由美さん。「個人に人事の相談をする」という文化がない時期に独立し、フリーランス人事のパイオニアとなって活躍を続ける岡邑さんにお話を伺いました。

目次

「誰かの人生の一端を担う仕事がしたい」と人事の世界へ 

本日はよろしくお願いします。まずは岡邑さんのキャリアについてお聞かせください。

大学卒業後、アパレル商社で4年間勤務しました。女性服売り場の責任者まで経験したのですが、当時は女性がそれ以上の役職に就けないという決まりがあることに疑問を感じ、転職を決断。「人が好きなので、誰かの人生の一端を担う仕事がしたい」と考え、人材業界への転職を決めました。 

人材会社では採用担当のほか、転職支援や合同説明会の企画・運営などに携わりました。その後、広告会社から「1から人事部門の立ち上げをしてほしい」という依頼を受けて転職し、人事部門の立ち上げから運営、社員教育のカリキュラム作成や講師など、採用・人材育成・新規事業企画の3つを担当し、さまざまな仕事に取り組みました。 

そこからフリーランスになったきっかけは何ですか?

結婚・出産を経て復職する際、所属していた人事部門に戻ることができず、いったん事務として働いてほしいという話になってしまったためです。自身で立ち上げた部門でもあり思い入れがあったため、なかなか受け入れることができませんでした。

一方で以前から「自分自身でビジネスをやってみたい」という思いがあったこともあり、それであれば退職し、これまでに培った人事経験を生かして独立してみよう、と思い立ったのです。

ココナラでサービス出品後、全国の「人事部門がない」企業から続々と相談が

当時「人事・採用を外注する」という文化が根づいていない中、不安もあったのではないでしょうか?

当初は外部、特に個人に任せるという文化はほとんどなく、「フリーランス人事」で検索しても全くヒットしない状況でした。自身の経験を生かすにはどうしたら良いのかも分からず、まずは転職ノウハウを執筆するライターとして仕事を始めました。

そのような中、あるテレビ番組でココナラが紹介されていたのです。「ここであれば自分のノウハウが売れるかもしれない」と感じ、「求人広告作成」と「採用支援・コンサル」というサービスを出品してみることにしました。

反応はいかがでしたか?

びっくりしたのですが、毎月のように全国から依頼が入りました。依頼者は地域もさまざまですし、業種も非常に多種多様です。

特徴的だったのは、依頼される企業の8割以上が中小企業で、「人事部門がない」会社だったことです。ですので、相談をくださる方は人事専門の方ではなく、ほとんどが経営者や事業責任者の方からのご連絡でした。

人事担当者ではないとなると、やりとりが難しい部分もあるのではないでしょうか? 

そうですね。採用に慣れていない会社であること、経営陣や役職者からの相談が多いこともあり、時には「採用してあげる」というようなスタンスをお持ちの方や、資格が必要な職種などは「仕事内容は分かっているから細かく説明しなくて良い」とお考えの方がいらっしゃいます。 

そのようなスタンスのまま採用に臨んでしまうと、ミスマッチが生じてしまいます。採用はあくまで「入り口」です。当たり前ですが、育成し、定着して初めて戦力として機能します。そこまでしっかり考え、計画し、きちんと企業の魅力を理解してもらうための表現をしていくことが大切であることを丁寧に説明するようにしています。

企業の魅力や求める人物像の「言語化」をサポート

サービス出品で工夫していることはありますか?

求人広告作成に関しては主要な採用サイト別にサービスを出品し、対応できる範囲をわかりやすく表現しています。 

作成にあたってはビデオチャットで直接ヒアリングを行い、企業の魅力や求める人物像を深く理解するようにしています。中には言語化が苦手な方もいるため、対話を通じて情報を引き出すとともに、採用要件の定義や、他社との差別化ポイントを明確にすることも心がけています。

私はこれまで15年間の人事経験の中で、面接官として2000人以上の方とお会いしてきました。さまざまな方と話をする中で、短い時間で相手が何を言いたいのかを汲み取ることを徹底して積み重ねてきたことが、どのような職種にも対応できること、また言語化する力につながっていると思います。

印象に残っている依頼はありますか?

eスポーツをしながら、子供に英会話を教える講師の募集案件です。英語力とゲームスキルの両方が必要であるという非常に難しい要件だったため、人材が集まらないという相談を受けました。丁寧なヒアリングを重ねて求人を公開した結果、1カ月で50人ほどの応募があり、採用に成功したそうです。

そこは社員が数名の小規模な会社だったのですが、会社のネームバリューがなくても、さらにはニッチな求人でも、会社や仕事の魅力をきちんと伝えることができれば希望の人材に出会える、ということを実感できた仕事でした。

フリーランスになって7年ほど経ちますが、今年は法人化をすることができ、ベンチャーやスタートアップから上場企業まで、幅広い企業から依頼をいただくことができています。依頼主さんから、お礼だけでなく「採用について深く考える機会になった」「組織づくりのヒントになった」といった感想をいただけた時が一番うれしいです。以前、取引させていただいた企業の社長がテレビに出演していたのでメッセージを送ったところ、「採用がうまくいきました!」という返信をいただいたこともありました。このようにココナラを通じての取引で全国の企業と繋がることができるというのも喜びの一つですね。

採用から育成・定着まで。先を見据えたコミットをしていきたい

採用難は中小企業に限りませんが、フリーランス人事の重要性も高まってきているのではないでしょうか?

大きく変化してきていると感じます。労働力不足により年々採用が難しくなっているため、これまでと同じ方法では良い人材を確保できません。人事部門のない中小企業も多くある中、これまでは身近に相談できる先を知らない、外部のコンサル企業に依頼する予算が確保できないといった理由から、経営者や事業責任者が自ら慣れない採用活動を行うというケースが多く見られました。

しかしココナラのようなスキルシェアのプラットフォームが浸透し、個人にも気軽に相談することが珍しくなくなったことにより、フリーランスで人事・採用コンサルティングを行う方も年々増えています。

フリーランス人事として、今後目指していきたいことや将来の目標はありますか?

私自身のミッションとして「良い職場に、良い人が集まる会社を増やす」を掲げています。人の人生に寄り添い、その人が本当にやりたいことを一緒に考え、実現に結びつけていくこと。それは結果として受け入れる企業の体制強化にもつながると考えています。 

フリーランス人事の仕事は「採用だけ」と思われがちですが、私は育成から定着までがセットだと考えていますので、しっかりと先を見据えたコミットをしていきたいです。

ココナラの利用を検討している企業や、フリーランス人事への依頼を検討している方へのメッセージをお願いします

企業が存在する限り、採用は切り離すことができません。人材不足が大きな問題となっている現代は、一人ひとりの労働力を大切にする必要性が高まっています。

人事担当がいない会社の方にとっては「どのような形で、何を話して良いのかわからない」とお考えの方も多いと思いますが、「気軽に壁打ちしてみよう」くらいの気持ちで、お気軽に相談していただきたいです。良い人材採用のためのお手伝いをさせていただきます! 

人事採用代行(RPO)・採用コンサル/JINJI8

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